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第四章 また一緒に。
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「京都の旅館にお泊り!!?行く!!!」
「百々ちゃん落ち着いて」
百々の興奮振りに直人さんが落ち着かせる。
「廉ちゃんは?嫌じゃない?主役が嫌ならいく意味ないからね」
「・・・・どっちでもいい・・・」
「どっちでもいいじゃなくてどっち?」
こういうとき母親は俺の意思確認鋭くしてくるんだよね。
でも、百々が行きたいみたいだし、旅館なら確かに人とはあまり会わなくてもおいしいもの出てくるよね。
「ぃく・・・。」
「うん、わかったわ。じゃぁ決定ね!」
「廉くん、ゆっくり楽しもうね。」
そう言って翔さんが頭を撫でてきた。
一瞬ビクッとしたが悪意もないし受け入れる。
「さぁ、せっかくおいしいごはんなんだから早く食べちゃいなさい」
百々はお寿司にルンルン、旅行にルンルンでそわそわしながらどんどん食べていく。
「廉くん。たまごとかっぱ巻き好きでしょ?」
そう言って直人さんが小皿に乗せてくれて俺の前に置いてくれた。
「ポトフもちゃんと食べてね?」
「・・・ぅん」
ポトフは嫌いじゃない。でも、最初に食べるとお腹いっぱいになる。
でも、でも、お寿司食べてもお腹いっぱいになる。
どうしたらいいのだろう・・・。
前なら両方たくさん食べれたのにな・・・。
少し暗い気持ちになる。
俯いているとムシャムシャ口にお寿司を含んだまま鼻歌を歌い俺のポトフの器を持ったかと思ったら、デザート用のココットを持ってきてそれに入ってるものを移して、残りは自分の減っているポトフに足して元の食器をキッチンへ下げた。
そして、俺の前にココットに入ったポトフを置いてすぐに自分の席に戻った。
両親と翔さんはそれを見ないようにして会話を続けている。
量の減ったポトフ。
これくらいならきっと食べれる・・・。百々って昔から不思議と俺の困りごとや悩みを当ててくるんだよな。
減ったポトフを口に運ぶ。
優しい野菜とコンソメの味がした。お寿司もぱくりと食べる。たまご3つにかっぱ巻き二つ。
「そういえば廉ちゃん、oliveに行ったんでしょ?」
「あ、廉くんモデルはしばらくお休みになって。その代わりお家でお手伝いをしてもらうことになりました。だから、また一緒に頑張るんだよね?」
「・・・ぅん」
下を向いてモグモグしながら相槌を打つ。
そんな俺を見て翔さんが微笑む。
「そう」
母親もニコリと微笑みながら俺を見ていたようだ。
視線をあげると目線が合う。
「廉ちゃん、20歳の誕生日は盛大に祝おうね。」
「・・・・」
普通でいいよ、母親の盛大は怖いよ。
と思いながら食事を続けた。
「百々ちゃん落ち着いて」
百々の興奮振りに直人さんが落ち着かせる。
「廉ちゃんは?嫌じゃない?主役が嫌ならいく意味ないからね」
「・・・・どっちでもいい・・・」
「どっちでもいいじゃなくてどっち?」
こういうとき母親は俺の意思確認鋭くしてくるんだよね。
でも、百々が行きたいみたいだし、旅館なら確かに人とはあまり会わなくてもおいしいもの出てくるよね。
「ぃく・・・。」
「うん、わかったわ。じゃぁ決定ね!」
「廉くん、ゆっくり楽しもうね。」
そう言って翔さんが頭を撫でてきた。
一瞬ビクッとしたが悪意もないし受け入れる。
「さぁ、せっかくおいしいごはんなんだから早く食べちゃいなさい」
百々はお寿司にルンルン、旅行にルンルンでそわそわしながらどんどん食べていく。
「廉くん。たまごとかっぱ巻き好きでしょ?」
そう言って直人さんが小皿に乗せてくれて俺の前に置いてくれた。
「ポトフもちゃんと食べてね?」
「・・・ぅん」
ポトフは嫌いじゃない。でも、最初に食べるとお腹いっぱいになる。
でも、でも、お寿司食べてもお腹いっぱいになる。
どうしたらいいのだろう・・・。
前なら両方たくさん食べれたのにな・・・。
少し暗い気持ちになる。
俯いているとムシャムシャ口にお寿司を含んだまま鼻歌を歌い俺のポトフの器を持ったかと思ったら、デザート用のココットを持ってきてそれに入ってるものを移して、残りは自分の減っているポトフに足して元の食器をキッチンへ下げた。
そして、俺の前にココットに入ったポトフを置いてすぐに自分の席に戻った。
両親と翔さんはそれを見ないようにして会話を続けている。
量の減ったポトフ。
これくらいならきっと食べれる・・・。百々って昔から不思議と俺の困りごとや悩みを当ててくるんだよな。
減ったポトフを口に運ぶ。
優しい野菜とコンソメの味がした。お寿司もぱくりと食べる。たまご3つにかっぱ巻き二つ。
「そういえば廉ちゃん、oliveに行ったんでしょ?」
「あ、廉くんモデルはしばらくお休みになって。その代わりお家でお手伝いをしてもらうことになりました。だから、また一緒に頑張るんだよね?」
「・・・ぅん」
下を向いてモグモグしながら相槌を打つ。
そんな俺を見て翔さんが微笑む。
「そう」
母親もニコリと微笑みながら俺を見ていたようだ。
視線をあげると目線が合う。
「廉ちゃん、20歳の誕生日は盛大に祝おうね。」
「・・・・」
普通でいいよ、母親の盛大は怖いよ。
と思いながら食事を続けた。
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