嵐は突然やってくる

白うさぎ

文字の大きさ
103 / 530
第三章 二人の距離

しおりを挟む
『すみません、お兄さん救護室へ後程お越しください。』
診察をしながら翔さんが「わかりました。」と返事をして百々と一緒にスタッフさんの誘導に従いついていった。
「廉ちゃん、呼吸大丈夫?吐く方を意識したほうが楽になるかも。大丈夫だからね。」
「ハァハァ・・・」
ずっと呼吸は収まらない。

しばらく歩き救護室についた。
『こんにちは。お姉さんすみません、この方は何か持病はありますか?』
「持病というか、トラウマによるパニックが・・・。あと、父と母が医者と看護師でもうすぐここに来ると思うので大丈夫かと・・・」
『なら安心ですね。そこのベッドで休んでてください』
そう言ってニコリと笑って対応された。
すぐに違うスタッフが来て『これお顔拭くのに使ってください。』と言って、濡れたタオルをくれた。
「廉ちゃん拭いちゃうね!」
ジュースで汚れた顔がすっきりした。
「びっくりしたね!ごめんねすぐ気づかなくて」
「ハァハァ・・・っ・・・」
「ママたちもうすぐ着くって!」
「・・・・っ」

5分もしないうちに直人さんと母親が走ってきた。
「廉くん、だいぶんもう落ち着いたかな?」
「外に出るとだめそうね・・・」
「翔は?」
「ぶつかった子の親がモンペでさ、その子が胸のとこが痛いっていうからその場で診察中。」
「謝ってくれてないってことね。最近の親は子供だからね。根性たたき直してやりたいわ。」
「百合さん、落ち着いて」
直人さんが笑っているがうちの母親結構強いんだよね・・・。
「廉くん痛いところある?どこにぶつかった?」
「・・・・っ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「ちょっと翔君に聞いた方がいいわね。」
「百々ちゃん一人で周れるなら回ってきてもいいのよ?せっかく来たんだし。」
「ここにいる!!廉ちゃんも一緒じゃなきゃヤダ!」
「廉くんはちょっとこれ以上は周るの厳しいかもしれないから、翔と周っておいで。」
「・・・・。」
沈黙が続き、翔さんが到着した。

「スタッフの人が対応変わってくれたよ。とりあえず診察したけどただの打ち身だね。自業自得だよ。」
「翔、父さんたち何も状況がわからないんだ。説明してくれる?」
「ジュース持った子が走り回ってて、廉くんに正面から突っ込んできたんだよ。痛いって声出てたからたぶんお腹痛いんじゃないかな?ジュースは紙コップだからそんなに衝撃はなかったと思う。」
「百々ちゃん?翔君と廉ちゃんのお着替え買ってきてくれない?」
「うん・・・。」
「ごめんね、翔君お願いしてもいいかしら。ついでにもうお土産かっておいで。」
「あ、百々ちゃん病院のみんなにもほしいから何か適当に100個くらいになるように買ってきてくれるかな?お金は翔に言えばいいから。」
「だと思った。」
翔さんは笑いながら百々に「行くよ。」と声をかけた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...