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第三章 二人の距離
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翔は一人、直人に言われた通り空の墓参りにやってきた。
「・・・・」
綺麗な空の墓石にそっと触れる。
定期的に来ているお墓は新品同様の輝きを放っていた。
「空・・・また俺やっちゃった・・・。ハァ・・・」
鳥が鳴く声が墓地に響き渡る。
しばらく空のお墓の前で落ち込んでいると、隣の墓を参りに来た老夫婦に声をかけられた。
「お兄ちゃん大丈夫かい?」
「体調悪い?」
「・・・あ、いえ・・・。」
「若いのにきちんと墓参りするなんて偉いねぇ~」
「うちの孫はいっそこないよ」
そう言って笑う老夫婦。
「お兄ちゃんは墓に語りに来たのかな?」
「まぁ・・・そんなとこです。」
「そうか。お兄ちゃん今日の夜の天気がここで眠る人の君への答えだよ。」
「え・・・?」
「君が今夜の天気にどう思うかだ。まぁ、わしはこういっちゃなんだが少し霊感がある。だからお兄ちゃんが誰に会いに来たかはなんとなくわかるよ。見えるからね」
「あなたまたそんな話して~」
「かわいらしい顔の少年だね。」
そう言われて、号泣し始めた俺の背中をなでてくれる奥さん。
「でも少し・・・・まぁ今日の天気を見て君が感じるべきだな。」
「あの・・・また会えますか・・・あなたと。」
「わしとか?」
「はい・・・」
「なら、毎月5のつく日に私たちはここにきているから。」
「5のつく日。」
「そう。5のつく日。」
「わかりました・・・。」
空の好きなカラフルな花を供えて、その場を後にした。
その日の夜天気は―嵐だった。
あんなに昼は晴れていたというのに・・・。
20時から突然大雨となり雷までなり始め秋の嵐となっていた。
「空は・・・怒っているのか。俺を。」
久々に帰宅した自室のベッドで横になりながら窓の外へ視線をやる。
「空、ごめんな。こんな兄貴で。廉くんも百々ちゃんもごめん・・・。」
「謝るんならあんなこと廉ちゃんにしないでよ!!」
「百々ちゃん・・・。」
「ママから聞いた。廉ちゃんが大きいパニック起こしたって。せっかく百々が前は仲直りさせてあげたのに、また振出しどころかマイナスにしたのは翔さんだから。百々はもう助けないからね。廉ちゃんが一番大事だし。」
「ごめん・・・。」
「正直廉ちゃんには今の家庭環境は虐待を思い出させる最悪な環境だと思ってる。変わってくれないと本当に困るんだよね。」
「わかってる・・・。」
「わかってない。翔さんは今わかってるって言えばなんとかなると思ってる。そうじゃない。根本的にどう変わらなければならないかを考えて。じゃないと人は同じ過ちを繰り返すんだから。」
「・・・はい」
「じゃ、おやすみなさい」
百々は言いたいことだけ言って自室へ戻っていった。
「・・・・」
綺麗な空の墓石にそっと触れる。
定期的に来ているお墓は新品同様の輝きを放っていた。
「空・・・また俺やっちゃった・・・。ハァ・・・」
鳥が鳴く声が墓地に響き渡る。
しばらく空のお墓の前で落ち込んでいると、隣の墓を参りに来た老夫婦に声をかけられた。
「お兄ちゃん大丈夫かい?」
「体調悪い?」
「・・・あ、いえ・・・。」
「若いのにきちんと墓参りするなんて偉いねぇ~」
「うちの孫はいっそこないよ」
そう言って笑う老夫婦。
「お兄ちゃんは墓に語りに来たのかな?」
「まぁ・・・そんなとこです。」
「そうか。お兄ちゃん今日の夜の天気がここで眠る人の君への答えだよ。」
「え・・・?」
「君が今夜の天気にどう思うかだ。まぁ、わしはこういっちゃなんだが少し霊感がある。だからお兄ちゃんが誰に会いに来たかはなんとなくわかるよ。見えるからね」
「あなたまたそんな話して~」
「かわいらしい顔の少年だね。」
そう言われて、号泣し始めた俺の背中をなでてくれる奥さん。
「でも少し・・・・まぁ今日の天気を見て君が感じるべきだな。」
「あの・・・また会えますか・・・あなたと。」
「わしとか?」
「はい・・・」
「なら、毎月5のつく日に私たちはここにきているから。」
「5のつく日。」
「そう。5のつく日。」
「わかりました・・・。」
空の好きなカラフルな花を供えて、その場を後にした。
その日の夜天気は―嵐だった。
あんなに昼は晴れていたというのに・・・。
20時から突然大雨となり雷までなり始め秋の嵐となっていた。
「空は・・・怒っているのか。俺を。」
久々に帰宅した自室のベッドで横になりながら窓の外へ視線をやる。
「空、ごめんな。こんな兄貴で。廉くんも百々ちゃんもごめん・・・。」
「謝るんならあんなこと廉ちゃんにしないでよ!!」
「百々ちゃん・・・。」
「ママから聞いた。廉ちゃんが大きいパニック起こしたって。せっかく百々が前は仲直りさせてあげたのに、また振出しどころかマイナスにしたのは翔さんだから。百々はもう助けないからね。廉ちゃんが一番大事だし。」
「ごめん・・・。」
「正直廉ちゃんには今の家庭環境は虐待を思い出させる最悪な環境だと思ってる。変わってくれないと本当に困るんだよね。」
「わかってる・・・。」
「わかってない。翔さんは今わかってるって言えばなんとかなると思ってる。そうじゃない。根本的にどう変わらなければならないかを考えて。じゃないと人は同じ過ちを繰り返すんだから。」
「・・・はい」
「じゃ、おやすみなさい」
百々は言いたいことだけ言って自室へ戻っていった。
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