嵐は突然やってくる

白うさぎ

文字の大きさ
54 / 530
第二章 翔の仕事

不審者

しおりを挟む
「おはようございます」
今日の店は透矢さんと羽間さんらしい。
「おはようございます。」と二人とも返してくれたが、透矢さんはニコニコで手を振りながらだったが羽間さんは翔さんが通り過ぎたあとはこちらを怖い顔で見ていた。
「廉くん、昨日はあれから体調どうだった?」
「あ、ご心配おかけしました!大丈夫です!少し寝たらスッキリしました!」
「そう、よかった!」
「体調管理くらい社会人なら当たり前でしょ」
小さい声で聞こえた声にビクッとなる。
「気にしなくていいよ。ほら、翔さんのところに行きな」
「目障りなんだよね・・・」
今度は俺だけに聞こえる声で言われた。

「廉くん、おはようっす!!」
「おはよう廉くん」
「おはようございます!風太さん、文さん」
ここは安全地帯だ。肩の力が抜ける。
「廉くん、これちょっと着てみてもらってもいいかな?」
「はい」
すぐに着替えてみる。
タートルネックに袖口にoliveのロゴ。色は黒に袖口だけ黄緑と白のライン。
こだわりは片方のネックラインに入ったoliveのロゴ。
アルファベッドだからおしゃれに見えるし、なかなかそこにロゴが入るのは珍しい気がする。
「いいんじゃない?」
「だよな~。新作一つこれでいいと思う?」
「そうっすね~、ダボダボ感好きな人もいるので2種類展開はどうっすか?袖口と裾部分をダボッと」
「いいね。2種類にするか。」
「廉くんありがと。」
「はい。」
元の服に着替え直す。
「廉くん、また検品お願いしてもいいかな?」
「はい。」
翔さんたちがしていた検品から発送までの作業を俺が手伝うようになってから少し3人の負担が減りデザインを考える時間が増えたみたい。
1時間した頃、下が騒がしくなった。
デザイン部にいても声が聞こえるくらいの怒鳴り声が響いた。
しかも男性だ。
俺は男性の怒鳴り声は虐待を思い出すためダメなのだ・・。
耳をふさぐが荒くなる呼吸。完全にパニックだ。
幸なのは男性の声に3人とも意識を取られて俺のパニックには気づいていないこと。
平日のoliveで客が騒ぐだなんて、何事なんだろうと思いつつ気づかれていない間にパニックを治めたい。
「しんっこきゅう・・・はぁ・・・っ。だいじょうぶ・・・ひとりで・おさめられる・・・」
耳をふさいで部屋の隅っこに行って窓の外を見る。
お店の周りには人だかりができている。
クレーマーじゃないのかな?
勝手に店の対応に不満のある客が暴れていると思っていた俺は疑問に感じた。
なんとなく動かない方がいいかも・・・と降りていく3人の後ろ姿を見て邪魔にだけはならないように、そっとカーテンの裏に隠れた。
呼吸はまだまだ乱れているし、ガラスに映った唇の色はチアノーゼを起こしているときの色をしていた。
警察官が結構な人数来ていた。
自動ドア、閉じてるのかな?入るようすはない。
それに、さっきと打って変わって静かすぎるのだ。
防犯カメラがこの部屋にはあるのを思い出し、カーテンの隙間から様子を見ると刃物を持った大柄の男と手を上げている翔さん、文さん、風太さん、それに自動ドア前に立たされているのか透矢さんと羽間さんが見える。
強盗?にしてはolive狙うってちょっとアホな気もする。
これ長引いちゃうよね。
翔さん困ってる・・・。
動けるの俺しかいないよね・・・。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

医者兄と病院脱出の妹(フリー台本)

ライト文芸
生まれて初めて大病を患い入院中の妹 退院が決まり、試しの外出と称して病院を抜け出し友達と脱走 行きたかったカフェへ それが、主治医の兄に見つかり、その後体調急変

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

処理中です...