嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第1章 はじめまして。家族になった日

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「お父さんとお母さん、どちらが話しやすいですか?」
「電話、やです。」
「いや、やじゃなくてさっきも言ってだけどするんですよ」
警官ずっと笑ってるし。
せっかくの充実した日が、最悪だよ。
玄関先では目立つので、とりあえず警官を中に入れる。
「1人になりたかったの?」
「ん。」
「そっか~。寂しくなかった?」
「寂しくないです。」
「ずっと実家暮らしだとホームシックになったりする人多いんだよ。廉さんすごいね!」
あれ?なんか子供扱いされてる…
「お、あ、もしもしこちら警察の宮原です。白山百合さんで合ってますでしょうか?廉さん見つかりました。こちら福岡なんですがね、一人暮らしをしっかりされてますよ。立派ですね~!はい、ちょっとお待ちください?お母さん、代わってって。」
仕方なく電話にでる。
「もしもし...」
『廉ちゃん?一人暮らしできたの?すごいじゃない!ママは止めたのよ?直人さんと翔くんが廉ちゃん出て行ったその日に行方不明で警察に届けちゃって。ママは廉ちゃんがどこに行ったかわかってたから、しばらくほっとこうと思ったんだけどね?』
「ん?なんで俺の居場所…」
『廉ちゃん?家出するならスマホの検索履歴は消しとくべきよ?ママが直人さんたちが気づく前に消しといたけど』
我が母侮れないな。
「帰らないよ。」
『百々ちゃんが泣いてるのに?』
「大丈夫、百々はそんなやわじゃない!!」
百々は少なくとも俺よりは精神面強いもん。
『廉ちゃん、帰ってきなさい?』
「やだ!」
『廉ちゃん?あの2人今日にもそっちに行くんじゃないかしら』
「止めといて!!俺はもうあの家には帰らない!!」
「廉さん電話変わります。」
田沼さんが電話を代わり、席を外し母親と
何やら話をしたら戻ってきた。
「廉さん、大切にされてますね」
「大切?俺もうすぐ20歳です!親のとこに戻る必要ないですよね?場所ばれたし。」
「廉さんはどうして福岡にしたの?家出。」
「来たかったからです。」
ムスッと答える。
「どうだった?福岡」
「知らない人ばかりだし、誰も干渉する人いなくて楽です。観光地休みの日に行くのも楽しいし、食べ物も美味しい!」
「そっかー!楽しんでくれてて何より。でも、夜は気をつけてね?」 
「はい。」
「じゃあ、おばさんたちは安否確認できたから帰ります。しっかり親御さんと話してね。」
「...さよなら」
「はい」
「じゃ。失礼します。」


「最悪。」


あーあ。俺の快適な福岡生活が。
世の中のもうすぐ20代ってこんなじゃないよね!?
戻って発作出たらどうするんだよ。
百々ですら正直今は会いたくない。

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