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向かえ!大団円
難航する修繕
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「しかし、派手に割れてますなぁ」
「石には割れる方向が決まっているのがありますから、この石もそうだったのかもしれませんね」
「それか、第27騎士団が近くにいたから焦ってぶっ壊しかけたとか?」
…とまあ、こんな形に割れた考察はさておき、とにかく修復をしなければならない。
東でやったように蔓で固めるのが最善…だと思うんだけど、縦に割れやすい石を締め付けたら最悪の場合亀裂をもっと増やす結果に…
「まず、回路に異常が無いか見ていきましょう。
修復はもう少し考えてから…」
「そうですな」
俺はプレートを目視でしっかりと確認してから、いつもの様に回路に微弱な魔力を巡らせる。
「やっぱり、ちゃんと機能はしてるな…」
「すげえな広域結界」
「多少ズレても大丈夫なようになってますからね…」
ただこれって結界って言っても完全に弾き返すほどの強さじゃないんだよな。
「ただ、完璧ではないからこそ、多少のズレを許容できる設計なんだと思いますよ」
「そうなんですか?」
「ええ、だから力任せに突破してくる魔物がいないとも限らないんですよね…」
暴走した魔物には効かない可能性があるし、それこそ一回攻撃されたら相手が死ぬまで追いかけるような魔物だと何度電気をくらっても突撃してきちゃうだろうし…。
まあ、親父も「魔物避け」程度の効果しかないんだとちゃんと説明してるし、だからこそ魔物を適度に間引くようになってるんだろう。
「でもまあ、魔物の棲む森に取り囲まれてる国で…」
ん?
囲まれ…囲…囲む!
「そっか、石の形に沿って杭を打って、縄をかける!」
「おっ、いい案が浮かんだのか?」
「ええ、ちょっと材料集めが大変ですけど」
何せ石がでかい。
これに見合った杭を何本か用意するには、それなりの大きさの木を切って加工しないと…。
俺は石碑に沿って、杭を打つ場所に丸を書きながら杭の太さと本数の大体を割り出す。
周囲の木を見る。
真っ直ぐが最低でも4mは欲しいけど、そんな木は森の入口には生えてない。
出来れば直径20cm程度で、出来れば食用可能な実が付かない木で…
「どうやら、森に入る必要がありそうです」
「…おし、分かった」
***
魔物と戦い慣れていないブレックさんとスミスさんに石碑の見張りを任せ、俺・ヨークさん・第27騎士団員3人と一緒に森の中へ。
「うーん、この木はどうかな」
「…上の方に巣がありますね」
「コカトリスだと面倒だ、辞めておこう」
「うーん、これは…実がなるやつですね」
「じゃあ一旦やめとくか」
そうやって何本も木を辿って歩き回る。
なかなか条件の良いのが見つからなくて、時間ばかりが過ぎる…
「ロンバード様、あまり奥へ行くと大型の魔物が出ます」
「あ、ああ、そうですね…どうしようかな」
すでに小型・中型魔物とは何度も遭遇した。
俺も木や草の魔物を倒して…動物はやっぱり、難しいけど…それでも倒すところを見ても平気になった。
あと、虫なら何とか倒せるようにもなった。
つまりそのぐらい何度も遭遇してるって事…
何だか、数が多くない?
「引き返しつつ、ここまでの間に目を付けた木を斬って帰りましょう」
「そうですね…選り好みしてちゃ駄目か」
この土地に住む魔物に影響を与えない範囲で、とか考え始めたら木を斬る以外の選択肢を探すしかないもんな…。
仕方ない、何だか魔物の数も多いような気がするし戻ろう。
「よし、じゃあ…」
「待てロンバード、何か…聞こえる」
「えっ?」
俺はヨークさんの指差す方向から風を手繰り寄せた。
こうすると聞こえやすくなる…
「……人の、声?」
「待て、キメラかコカトリスかもしれない」
「そう言えば人の声で人をおびき寄せるんでしたっけ」
「という事は、人間を見つけたという事では」
「…まさか」
俺たちを見つけて、呼び寄せようとしてるのかもしれない。
魔物は人間以上に鼻が利くし、魔力感知能力も高い…
「…行くぞ」
見つかったにしても、誰かが襲われているにしても、倒さなきゃ仕方が無い。
ヨークさんの言葉に、騎士の3人は剣を構えて静かに走り出す。
俺もヨークさんに付いて走る。
暫く走って、少し開けた場所が見える…
「止まれ、伏せろ」
「っ!」
何だ、あれ……っ!?
「っ!ロンバード、見るな!」
ごめん、ヨークさん、もう、遅い。
「ひっ…!」
一羽の、グリフォンが。
人の頭をその爪で捕え…
引きちぎったのが、見えた…。
「石には割れる方向が決まっているのがありますから、この石もそうだったのかもしれませんね」
「それか、第27騎士団が近くにいたから焦ってぶっ壊しかけたとか?」
…とまあ、こんな形に割れた考察はさておき、とにかく修復をしなければならない。
東でやったように蔓で固めるのが最善…だと思うんだけど、縦に割れやすい石を締め付けたら最悪の場合亀裂をもっと増やす結果に…
「まず、回路に異常が無いか見ていきましょう。
修復はもう少し考えてから…」
「そうですな」
俺はプレートを目視でしっかりと確認してから、いつもの様に回路に微弱な魔力を巡らせる。
「やっぱり、ちゃんと機能はしてるな…」
「すげえな広域結界」
「多少ズレても大丈夫なようになってますからね…」
ただこれって結界って言っても完全に弾き返すほどの強さじゃないんだよな。
「ただ、完璧ではないからこそ、多少のズレを許容できる設計なんだと思いますよ」
「そうなんですか?」
「ええ、だから力任せに突破してくる魔物がいないとも限らないんですよね…」
暴走した魔物には効かない可能性があるし、それこそ一回攻撃されたら相手が死ぬまで追いかけるような魔物だと何度電気をくらっても突撃してきちゃうだろうし…。
まあ、親父も「魔物避け」程度の効果しかないんだとちゃんと説明してるし、だからこそ魔物を適度に間引くようになってるんだろう。
「でもまあ、魔物の棲む森に取り囲まれてる国で…」
ん?
囲まれ…囲…囲む!
「そっか、石の形に沿って杭を打って、縄をかける!」
「おっ、いい案が浮かんだのか?」
「ええ、ちょっと材料集めが大変ですけど」
何せ石がでかい。
これに見合った杭を何本か用意するには、それなりの大きさの木を切って加工しないと…。
俺は石碑に沿って、杭を打つ場所に丸を書きながら杭の太さと本数の大体を割り出す。
周囲の木を見る。
真っ直ぐが最低でも4mは欲しいけど、そんな木は森の入口には生えてない。
出来れば直径20cm程度で、出来れば食用可能な実が付かない木で…
「どうやら、森に入る必要がありそうです」
「…おし、分かった」
***
魔物と戦い慣れていないブレックさんとスミスさんに石碑の見張りを任せ、俺・ヨークさん・第27騎士団員3人と一緒に森の中へ。
「うーん、この木はどうかな」
「…上の方に巣がありますね」
「コカトリスだと面倒だ、辞めておこう」
「うーん、これは…実がなるやつですね」
「じゃあ一旦やめとくか」
そうやって何本も木を辿って歩き回る。
なかなか条件の良いのが見つからなくて、時間ばかりが過ぎる…
「ロンバード様、あまり奥へ行くと大型の魔物が出ます」
「あ、ああ、そうですね…どうしようかな」
すでに小型・中型魔物とは何度も遭遇した。
俺も木や草の魔物を倒して…動物はやっぱり、難しいけど…それでも倒すところを見ても平気になった。
あと、虫なら何とか倒せるようにもなった。
つまりそのぐらい何度も遭遇してるって事…
何だか、数が多くない?
「引き返しつつ、ここまでの間に目を付けた木を斬って帰りましょう」
「そうですね…選り好みしてちゃ駄目か」
この土地に住む魔物に影響を与えない範囲で、とか考え始めたら木を斬る以外の選択肢を探すしかないもんな…。
仕方ない、何だか魔物の数も多いような気がするし戻ろう。
「よし、じゃあ…」
「待てロンバード、何か…聞こえる」
「えっ?」
俺はヨークさんの指差す方向から風を手繰り寄せた。
こうすると聞こえやすくなる…
「……人の、声?」
「待て、キメラかコカトリスかもしれない」
「そう言えば人の声で人をおびき寄せるんでしたっけ」
「という事は、人間を見つけたという事では」
「…まさか」
俺たちを見つけて、呼び寄せようとしてるのかもしれない。
魔物は人間以上に鼻が利くし、魔力感知能力も高い…
「…行くぞ」
見つかったにしても、誰かが襲われているにしても、倒さなきゃ仕方が無い。
ヨークさんの言葉に、騎士の3人は剣を構えて静かに走り出す。
俺もヨークさんに付いて走る。
暫く走って、少し開けた場所が見える…
「止まれ、伏せろ」
「っ!」
何だ、あれ……っ!?
「っ!ロンバード、見るな!」
ごめん、ヨークさん、もう、遅い。
「ひっ…!」
一羽の、グリフォンが。
人の頭をその爪で捕え…
引きちぎったのが、見えた…。
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