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向かえ!大団円
ゼルさんとお医者さん
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ダリル様との会話が終わった頃、スミスさんが部屋にやって来て言った。
「ゼルが目を覚ましました」
「そうか、すぐ行く」
ダリル様が部屋を出て行くのに付いて、俺も部屋を出た。
さっき俺が呼ばれて行った部屋だ。
どうやら倒れた時に別の部屋へ運ばれていたらしい…
「ブレック、入るぞ」
「はっ」
中へ入ると、ゼルさんがふてぶてしく椅子に座っていた。
その隣には申し訳なさそうなお医者さん。
「あのぅ、お医者さんは何でここに?」
「黒幕殿の異父兄だからな」
「あ、ああ~…なるほど」
前王、子持ちかつ既婚の女性に手を出したとは。
人のおじいちゃんを悪く言いたくないけど、本当にドクズだな。
「先生も、前王の被害者だったんですね」
「父が、悪いのです。
前王を強請る口実を作る為に、母を売ったのですから」
「前王を悪く言うのは、嫌ですか?」
「弟の父親ですから」
そう言うと、お医者さんは押し黙った。
もう少し何か聞き出せないかと思ったんだけどな…無理か。
一方、ゼルさんの方にはダリル様が質問した。
「ゼル殿、貴方は魔術塔の所属ではないな?」
「…答える義務は、」
「無所属でありながら空も飛べるとは…大したお方だ。
今からでも魔術塔に入る気は無いか?」
ん?
今、何か言葉に違和感が…
「おだてても無駄だ、私は今のこの国の為に何をするつもりもない」
「そう言わないで、給料は弾むぞ」
「は、無駄金使いのオーセンに相応しい言葉だな!
いつまでも人力に頼り、魔法をないがしろにし続けるお前らに下れと?
人を金で動かそうとするなど、卑しい連中だ、恥を知れ!!」
ゼルさんは馬鹿にしたように笑った。
ダリル様は反論した。
「金を使う事の何がいけない?
人が金で動くなら、その方が話が早かろう」
「工事をするのに人足を頼み、そいつらに無駄な金を配り、無駄な時間を使う。
その金は税金だろう!それを垂れ流しに使う馬鹿共、魔法の事も知らない愚か者!!」
どうやら、今の公共事業の在り方にご不満の様子…
魔法でやれば早いのに、魔法を使わないで土を掘ったり建物を作ったりするのが許せないみたい。
でも、公共事業には大事な意味があるんだけどな。
ただ、この世界の人に「ニューディール政策」ったって通じないからなぁ…。
「確かに、魔法を使えば工事は早いな」
「そうだろう!そんな事も分からぬ暗愚どもが、よく国王を名乗れたものだ!魔法使いを排除したいがために無駄金を使って、高い税金を取り立てている!」
「だが貴方ほどの力があれば、いくらでも金を稼げるだろう?」
まただ。
何か声の調子に違和感を覚える…
するとゼルさんはまたまた調子に乗って喋る。
「愚か者め!私さえ良ければいいのではない!
我らの偉大なる主はこの国の行く末を案じて、今の王家を正そうとしておられるのだ!」
そしてついに、黒幕がいることを口走った。
ダリル様はさらに言った。
「そうか、私もその聡明なお方に一度お会いしてみたいものだ」
「は、貴様の如き小物など相手にしてくださるわけが無かろう!」
「私が第一王子であったとしてもか?」
「そうだ!母親から生まれたならば、父の暗愚もお前に引き継がれているだろうからな!」
「…なるほど」
そう言うとダリル様は黙り込み…ちらりとスミスさんを見る。
スミスさんは深く頷き、ブレックさんを見る。
ブレックさんはしっかりと手帳にゼルさんが言った内容を書いている…
一方、3人の動きに気づかないままゼルさんはどんどん喋る。
「貴様のような愚鈍に、ロンバード様は勿体ない!
その父であるギゼル様も、あの愚王から自由にして差し上げなければならないのだ!!
ロンバード様の伴侶には我らが主こそ相応しい!
そしてギゼル様も、魔法無しの愚図どもの為ではなく、真の貴族たる魔術師たちの元に在られるべきだ!!」
「えっ、親父!?」
ゼルさんの口から親父の名前が出て驚く。
ついうっかり喋ってしまった俺に、ゼルさんが勢いづく。
「そうですとも!ロンバード様、あなたも騙されておいでなのです!この男の異能で本心を抑えつけられてしまわれているのです、ですが我が主なら、あなたをその呪縛から救ってくださいます!」
異能……、異能って言った。
ダリル様は、異能で俺を操って…?
「そうなんですか?ダリル様」
「そんな訳が無いだろう」
「いいえ騙されないで!そうでなければ、腐った王家に働かされている理由がつきません!!」
ゼルさんの目がおかしい。
ダリル様があんなに嘲笑っているのに、気づきもしない……
「これが、……異能?」
「そうなのですロンバード様、我々の手をお取りください!!そうすれば全て分かりますとも!」
「!!」
突然、部屋の窓ガラスが割れた。
侵入者だ!!
「ダリル様っ!」
「俺の事はいい!ロンバードを、」
「ですが!!」
「危ない、ダリル様っ!!」
スミスさんとブレックさんの声が聞こえ、
「~~強制睡眠!!」
お医者さんの声が聞こえ、
そして……
「ゼルが目を覚ましました」
「そうか、すぐ行く」
ダリル様が部屋を出て行くのに付いて、俺も部屋を出た。
さっき俺が呼ばれて行った部屋だ。
どうやら倒れた時に別の部屋へ運ばれていたらしい…
「ブレック、入るぞ」
「はっ」
中へ入ると、ゼルさんがふてぶてしく椅子に座っていた。
その隣には申し訳なさそうなお医者さん。
「あのぅ、お医者さんは何でここに?」
「黒幕殿の異父兄だからな」
「あ、ああ~…なるほど」
前王、子持ちかつ既婚の女性に手を出したとは。
人のおじいちゃんを悪く言いたくないけど、本当にドクズだな。
「先生も、前王の被害者だったんですね」
「父が、悪いのです。
前王を強請る口実を作る為に、母を売ったのですから」
「前王を悪く言うのは、嫌ですか?」
「弟の父親ですから」
そう言うと、お医者さんは押し黙った。
もう少し何か聞き出せないかと思ったんだけどな…無理か。
一方、ゼルさんの方にはダリル様が質問した。
「ゼル殿、貴方は魔術塔の所属ではないな?」
「…答える義務は、」
「無所属でありながら空も飛べるとは…大したお方だ。
今からでも魔術塔に入る気は無いか?」
ん?
今、何か言葉に違和感が…
「おだてても無駄だ、私は今のこの国の為に何をするつもりもない」
「そう言わないで、給料は弾むぞ」
「は、無駄金使いのオーセンに相応しい言葉だな!
いつまでも人力に頼り、魔法をないがしろにし続けるお前らに下れと?
人を金で動かそうとするなど、卑しい連中だ、恥を知れ!!」
ゼルさんは馬鹿にしたように笑った。
ダリル様は反論した。
「金を使う事の何がいけない?
人が金で動くなら、その方が話が早かろう」
「工事をするのに人足を頼み、そいつらに無駄な金を配り、無駄な時間を使う。
その金は税金だろう!それを垂れ流しに使う馬鹿共、魔法の事も知らない愚か者!!」
どうやら、今の公共事業の在り方にご不満の様子…
魔法でやれば早いのに、魔法を使わないで土を掘ったり建物を作ったりするのが許せないみたい。
でも、公共事業には大事な意味があるんだけどな。
ただ、この世界の人に「ニューディール政策」ったって通じないからなぁ…。
「確かに、魔法を使えば工事は早いな」
「そうだろう!そんな事も分からぬ暗愚どもが、よく国王を名乗れたものだ!魔法使いを排除したいがために無駄金を使って、高い税金を取り立てている!」
「だが貴方ほどの力があれば、いくらでも金を稼げるだろう?」
まただ。
何か声の調子に違和感を覚える…
するとゼルさんはまたまた調子に乗って喋る。
「愚か者め!私さえ良ければいいのではない!
我らの偉大なる主はこの国の行く末を案じて、今の王家を正そうとしておられるのだ!」
そしてついに、黒幕がいることを口走った。
ダリル様はさらに言った。
「そうか、私もその聡明なお方に一度お会いしてみたいものだ」
「は、貴様の如き小物など相手にしてくださるわけが無かろう!」
「私が第一王子であったとしてもか?」
「そうだ!母親から生まれたならば、父の暗愚もお前に引き継がれているだろうからな!」
「…なるほど」
そう言うとダリル様は黙り込み…ちらりとスミスさんを見る。
スミスさんは深く頷き、ブレックさんを見る。
ブレックさんはしっかりと手帳にゼルさんが言った内容を書いている…
一方、3人の動きに気づかないままゼルさんはどんどん喋る。
「貴様のような愚鈍に、ロンバード様は勿体ない!
その父であるギゼル様も、あの愚王から自由にして差し上げなければならないのだ!!
ロンバード様の伴侶には我らが主こそ相応しい!
そしてギゼル様も、魔法無しの愚図どもの為ではなく、真の貴族たる魔術師たちの元に在られるべきだ!!」
「えっ、親父!?」
ゼルさんの口から親父の名前が出て驚く。
ついうっかり喋ってしまった俺に、ゼルさんが勢いづく。
「そうですとも!ロンバード様、あなたも騙されておいでなのです!この男の異能で本心を抑えつけられてしまわれているのです、ですが我が主なら、あなたをその呪縛から救ってくださいます!」
異能……、異能って言った。
ダリル様は、異能で俺を操って…?
「そうなんですか?ダリル様」
「そんな訳が無いだろう」
「いいえ騙されないで!そうでなければ、腐った王家に働かされている理由がつきません!!」
ゼルさんの目がおかしい。
ダリル様があんなに嘲笑っているのに、気づきもしない……
「これが、……異能?」
「そうなのですロンバード様、我々の手をお取りください!!そうすれば全て分かりますとも!」
「!!」
突然、部屋の窓ガラスが割れた。
侵入者だ!!
「ダリル様っ!」
「俺の事はいい!ロンバードを、」
「ですが!!」
「危ない、ダリル様っ!!」
スミスさんとブレックさんの声が聞こえ、
「~~強制睡眠!!」
お医者さんの声が聞こえ、
そして……
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