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恋人同士になる試練

8つ目の祠 4

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急に足を引っ張られたと思ったら、次の瞬間には宙吊りになっていた。

「げ、幻惑、植物…!?」

魔物のつるが体に巻き付いてくる。
何なのこれ!!

「ま、さか、これも罠…!!」

そうだ、祠の決まりは何だった?

①手を繋いで中に入る。
②二人で目を合わせて3ターン以上の会話。
③二人で力を合わせて、何かをする…

「そうだ、ミシェルと離れたから…!」

ミシェルは一人で魔物を倒しに行った。
だから、この罠が発動したって事か…!?

「くそ、なんてこった…!」

そうだとしたら、ミシェルも罠に嵌ってるかもしれない。
光の力でこいつを浄化して、早くミシェルのとこへ行かなきゃ…

「あっ、きゃっ!?」

な、何これ、

「ひゃあっ、ちょ、やめっ、何!?」

どこ触って、こらっ…あん!

「や、やめっ、あ、駄目っ、や、止めっ…」

なんだこのエロ植物!!
あっ、こら、止めろ…!

「ひっ、だめっ、そこは、やぁあっ…!」

ひ、光、光出さなきゃ、あっ…!

「助けて…みしぇる…っ!」

***


「……はっ!!」

気が付くと俺は見知らぬ場所に寝かされていた。
右手は固く握られていて…

「ミシェル…」
「気が付いたか、シゲル」

助けてくれたんだ…。

「ありがと、ミシェル」
「ああ、無事で良かった。
 シゲルの元を離れたりして、ごめん…」
「ううん…俺も、気が付かなかったし。
 ここ、どこ?」
「森の中にあった小屋だ。
 いつものように台所や風呂もついている」
「ついに一軒家か…」

どうやらマンションタイプはやり尽くしたらしい。
この前の、めちゃ豪華だったもんな…。

「って事は、ここが封印の間…?」

でも、通路に2人しか入れなかったって事は、この空間ごと封印の間って扱いなのか…?

「どこから封印の間だったのかは分からないが、とにかく手を握っていれば入れると思ったから…」
「あっ、それで手を握ってくれてたのか」
「…まあ、そればかりじゃないんだが」
「…?」
「こうしていないと、シゲルを傷つけてしまいそうで…」
「そうなの?何で?」
「それは…」

ミシェルは言い辛そうに言葉を繋げた。

「シゲルが、あの草に犯されていたのを…見たから」
「……」
「いやらしい蔓が、シゲルの身体を…だから」
「…そっか」

ミシェルは暗い顔で、俺の手を握り続ける。
だから俺は敢えて明るく言う。

「ミシェル、お風呂に入ろ!」
「シゲル、」

何か言いたげなミシェルを押しのけて、さらに言う。

「それで、お清めエッチ…して?」
「…っ、シゲル…!」

俺は、俺に起きた事よりも、ミシェルが辛そうにしているほうが嫌だ。
だから…。

「ミシェルで全部、上書きして」

今なら、ミシェルを全部受け入れられる。
こういうのは勢いが大事…

一気に最後まで、いこう。
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