備後の神の縁結び

茜琉ぴーたん

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大人編

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 到着してからすぐに大広間で夕飯をいただき大浴場へ。

 戻って来たら部屋の真ん中には布団が2組敷かれており…千鶴は照れも無く大の字になって横たわり、ぱたぱたと手で火照った顔を扇いだ。

「はー…いいお湯だったぁ」

「ほじゃの」

 千鶴は風呂上がりにロビーの自販機で追い酒を買って呑んだのだ。

 気分良く鼻歌など嗜んで、下戸げこ素面しらふの渉は「予定と違うな」などと考えつつ縁側の籐の椅子に腰を下ろす。

 渉の想定ではいよいよ始まる子作りに照れて恥ずかしがる妻が居て、そんな彼女をほぐしつつだんだんと身体を開かせて…となんとなくの段取りを立てていたのだ。

 なのに千鶴は真っ赤な顔で汗をかいて浴衣の胸元も軽くはだけている始末。

 もしかして朝起きたら浴衣が腰巻になっているタイプの女なのかなと…渉は若干引いて妻を眺める。


「渉くぅん、」

「おう」

「いい旅館だね」

「ほうか、良かった…逆上のぼせとるか?大丈夫か?」

「うん……、……、」

 口元を押さえてごにょごにょと口籠るので「ん?なんじゃ?」と渉が布団の上の千鶴を覗き込めば、彼女は浴衣の裾をぴらと開いて

「ん♡」

と誘って見せた。

「チィ…」

「渉くん…おいで♡」

「酔っとるな…酔った女に手を出すんは違うんじゃが…」

「酔った勢いで童貞捨てようとしたくせに」

「何年前のことを…」

いまだ掘り起こしてはチクチク刺される恥のエピソードに、渉はバツが悪そうに顔を手で擦る。

「酔って…大胆に…なっちゃう」

「あぁ、醒めたらエッチしような、うん…」

「今がいい、」

掛け布団の上で千鶴は渉を捕まえて唇を喰み、酒気帯びの舌で舐め回せば男はそれだけでくらりと布団へ倒れた。

「酒くせぇ…チィ、おい…」

「あはは……渉くん、こづくりぃ…シよう、ね、」

「…するけどよ…あ、おい、あ♡」

 千鶴は浴衣の下のブーメランパンツのテカテカした感触を頬で楽しんで、その奥の猛りにちゅっと唇を付ける。

「チィ、んなとこ顔近付けな…」

「いいじゃん、嬉しいでしょ?」

「嬉しいけど…んなことさせとうない」

 と言いつつぴくぴくうずいているイチモツが別個の生き物のようで可愛くて、千鶴はうつろな頭でブーメランをめくれば渉の元気が男らしく天井を指した。

「興奮してるじゃん」

「チィ…」

 フェラチオに少なからず興味はあって、それでも自分からさせて欲しいとも言えずさせられることも無く、酔いの中の僅かな理性が千鶴の好奇心の後押しをする。

 ぷるぷるの先端、血管が脈打つ赤黒い竿、剛毛が茂る根本と柔らかそうな陰嚢。

 もちろん見たことはあるけれど、こんなゼロ距離で目鼻口を近付けるのは初めてだった。

「渉くん、舐めてみてもいい?」

「ダメじゃ、チィ…んなことさせられん、」

「いーい?」

「ダメ、ほんまに…いけん、離れてくれ、」

「でも逃げないじゃん、シて欲しいんでしょ?……ね♡」

「うわあ」

温かく濡れた感触、太ももに当たる柔らかい髪、少し傾けた顔の角度はキスをする時のそれと向きも同じで…渉は背徳感に口を押さえる。


「む…大っきいね…渉くんしか知らないけど…ン…ねぇ、えっち?」

「えっち、えっち、もう…チィ、あ♡ダメ、口に出てしまう、今日はま◯こに出すんじゃ、やめてくれ」

「んふ……そっか、ん…じゃあ、……はい♡」

口を離した千鶴は布団へ座り、事もあろうに脚をM字に開いて渉へと捧げた。


「……チィ、一旦落ち着け、キャラが違おうが」

「シないの?」

「するけど、いや…酒が抜けるまで待たんか」

「けち…もう…ん…」


 渉は脚を閉じさせて敷布団へ寝かせて、明かりを暗くすればすぐに寝息が聞こえてくる。

「(据え膳…もったいねぇ…)」

「むにゃ…」

 家では千鶴は呑まないし結婚式以来ここまで泥酔することは無かったから、妻にこんな酒癖があるなんて知らなかった。

 男としてはありがたいというかキャラ変した千鶴も魅力的なのだが、渉が今夜欲している姿とは違うのでもったいないと言う他に感想が無い。



 そうして生殺しに耐えた渉は翌朝、浴衣を腰巻状態にした千鶴を揺すって起こし、昨夜の有様を伝えた上で襲った。

「え…あ♡私、がぁ?」

「ほうよ…もったいないけどな、無意識にスるんは…いけんじゃろ…ん、あー♡気持ちええな…最高」

「あ…ぬるぬる…あ、朝食…」

「まだ時間がある、一番搾りが先、な、チィ♡」

 初めての未装着セックスの感触に驚く妻の反応、「そうだよこれこれ」と責める腰も調子に乗る。


「んッ、はァ…渉くん…渉くん…」

「チィ、ん、1発目な、出す、孕めよ、んッ♡千鶴、千鶴…お、おー♡♡♡」

「……あ…うわ…」

「やべぇ…気持ちいい…チィ、いけんわ、幸せ」

「(これがぁ?)」

 出される側としてはそんなに感触も実感も無くて、ただ接合部から漏れ出る粘液が増えて妙な匂いを放っていて…二日酔いの千鶴の鼻にはあまり心地よいものではなかった。
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