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十二話 それぞれの動き5(ソフィア視点)
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「えっ、あっ……その……」
「あぁ、私はエルヴィス・リーガルだ」
「お声掛けいただき光栄です。リーガル公にご挨拶申し上げます。私はエドワード・ローゼンタールと申します。以後お見知りおきを賜れば幸いです」
「こちらも忙しいんだ。硬い挨拶は抜きにしよう。さっ、何か用があったのだろう?」
師匠は普通にしていても、相手を威圧してしまうのよね。ローゼンタール伯爵がびびっているのがわかる。
「わっ、私の出した婚姻無効申請の件で来られたと連絡を受けました。その……彼女を弁護するおつもりですか?」
「人伝だが、弁護をしてもらえないかと依頼は来た。だが、ずいぶんな証拠が出されているからな。引き受けるかは要検討ということだ」
「そう……ですか……」
ローゼンタール伯爵は尻すぼみに言葉を発した。その姿はリリーシアと別れることを望んでいる人の姿とは思えなかった。
「彼女は……異議申立てをするつもりなのですよね?」
「悪いが、依頼人のことはしゃべれないんだ。弁護士として」
「しっ、失礼いたしました!申し訳ありません!」
ローゼンタール伯爵は慌てて頭を下げた。
どこか頼りない雰囲気のある男性だが、悪い人間には見えない。さらさらの銀髪に、ブルーダイヤモンドを思わせる美しい瞳。中性的な顔立ちと体格。
我が国では筋肉がしっかりある男性の人気が高いが、中性的な魅力があるローゼンタール伯爵も女性が放っておけないだろうな。
これって、男性受けも良かったりして……
とにかく、彼の周りも再調査する必要がある。
伯爵とリリーシアをハメて得するヤツか……
政治的攻撃。
自分の婚約者が伯爵に懸想したことへの逆恨み。
愛しの伯爵が結婚したことで愛が憎悪に変わった嫉妬からの犯行……。男も女も怪しいわ。
「……」
師匠が不意に伯爵の走ってきた方向に目を向けた。どうやら、獲物が引っ掛かったようだ。
「ローゼンタール伯爵。あの証拠は君が集めたのか?」
「えっ……はっ、はい。そうです。自分で店に行き、証言書をもらい、録画映像の転写、店の帳簿や請求書も頼んで貸してもらいました。他の店も回りましたが、数ヶ月前のことを覚えている人も履歴もなく、見つけられたものはあれだけです」
「なぜ?」
「え?」
「部下に行かせれば良いのに、君が自ら足を運び、話を聞き、証拠を手にした。それはなぜ?」
「それは……間違いがあっては……いけなかったから……です……」
とても言いにくそうに言葉を発した。その顔は、辛さを隠したいのに隠せない歪んだ表情だった。
あぁ……
彼は黒幕ではない。
彼は最後までリリーシアを信じたかったんだ。だから間違った情報に踊らされないよう、自ら動いて、彼女の疑惑を晴らそうと足掻いた。
しかし、公的な親子鑑定書に『親子ではない』と結果を突きつけられ、愛は憎しみに変わった。激情にかられ、勢いで婚姻無効申請を出した。
彼はまだリリーシアのことを……
「そうか、よくわかった。ありがとう」
「いえ、こちらこそお引き留めしてしまい、申し訳ありません」
ローゼンタール伯爵はまた頭を深く下げた。
「では」
師匠が歩き出した。私もそれに続く。
チラリと伯爵を見ると、辛そうな顔をしていた。
「若いな。とても危なっかしく、見ていられんよ。だが……」
師匠はそのあとの言葉を言わなかった。
だが、優しい顔をしていた。
◇◇◇
王城を出て、いったんリーガル公爵家の屋敷に来た。このあとは変装を解いて、師匠とは別行動となる。
「茶の一杯でも飲んでいったらどうだ?」
「師匠が先に味見してくれるなら、ご相伴に与りますよ」
「ふんっ、生意気に……うん、良い出来だ」
師匠は執務室のソファーに座り、自分で入れた紅茶を美味しそうに飲んでいる。
師匠の入れる紅茶は当たり外れが激しく、弟子をしているときに何度も不味い紅茶を飲まされたものだ。
毒味をされた紅茶なら、安心できるわね。
私は師匠の向かいに座り、出された紅茶を飲んだ。
「っ!!」
にがっ!いや、甘い?酸っぱ渋いわ!
「師匠。よくこんなのを顔色変えずに飲めますね。砂糖ください。大量に」
「ソフィアもまだまだだな~。弁護士は感情を表に出さず、涼しい顔して笑うんだと言ってるだろ。」
「紅茶くらい感情を出させてください」
「こういうのは日々の積み重ねだ。常に油断するんじゃない。とくに、貴族相手にはな」
「わかってますよ。たとえ師匠でも敵になることはある」
「「味方を疑うことを忘れるな」」
「ですね」
「わかっているならいい。うん、不味いな」
「それを旨そうに飲める師匠は、本当、異常ですよ」
師匠は悪戯が成功した少年のように笑った。
まったく、弟子で遊ばないで欲しいものだ。
ふふっ、やっぱり不味いわ。懐かしい。
「ソフィアはこのあとどうするんだ?」
「リリーシアの兄の嫁の実家、ハーバイン商会に行ってきます。あそこは情報を取り扱うのに優れている商会ですから、何かしら情報が得られると思ってます。それに、リリーシアから商会長への紹介状ももらってるので、使わない手はないです」
私はリリーシアから預かった封筒を師匠に見せた。『ハーバイン商会長様☆』と書かれている。
「ハーバイン商会か。あそこは独自の情報網を持っていて、正確な情報を提供していると、その界隈では有名だからな。この仕事が終わったらワシにも紹介してくれ」
「信用できる人物なら考えておきます。でも、師匠には冒険者ギルドの暗部がいるから、必要ないのでは?」
「正攻法の情報が欲しい時もある」
「そうですか。で、師匠はどうするんですか?」
「調べることが山積みだからな……研究所の検査員ピエール・バシュ。ワシに話しかけてきた宮内国政機関の職員。そしてワシらを監視していた人物」
「ローゼンタール伯爵と話しているときに隠れてこちらを窺っていた人物ですね。おそらく女性だと思います。微かですが、流行りの柑橘系の香水の匂いが残ってました」
「ほう~、香水の匂い。ソフィアも鼻が利くようになったんだな。ワシも女だとはわかったが、香水の流行はよくわからんからな、ありがたい情報だ。流行りの香水を使う女なら、容姿を気遣うタイプだな。流行りの香水をすぐに手に入れられる財力もある。そして、ローゼンタール伯爵の行動を監視できる身近な人物。容疑者はだいぶ絞り込める」
すごい……
ひとつの情報でそこまで絞り込めるのか。
師匠にはいつも勉強させられるわ。
◇◇◇
リーガル公爵家の使用人の格好をして、食材を買いにいく荷馬車に乗せてもらい、私は屋敷から脱出した。荷台から見ると、数人の屋敷を見張る人間の姿があった。
本当に今回の黒幕は行動が早く、人数を確保するだけの財力があるわね。
もちろん、私が乗っている馬車にも尾行がついている。
公爵家御用達の商会で降り、変装を解いてハーバイン商会へ向かった。
尾行はなし。だが、ハーバイン商会近くに見張りがいる。どれだけ人員を動かしているのやら。
私は商会の店舗に足を踏み入れた。
店は客で賑わっていた。
さすがに商会長が店番をしているわけはなく、直接会うのは難しいだろう。リリーシアから預かった紹介状も悪目立ちしてしまう可能性がある。
商会長に渡してくれと頼んでも、誰が味方で敵か見当がつかない。
仕方なく出直そうと店を出ようとしたとき、私の目に一つの商品が飛び込んできた。
これ幸いと、私はその商品を買った。
これぞまさに魔法だろう!
「あぁ、私はエルヴィス・リーガルだ」
「お声掛けいただき光栄です。リーガル公にご挨拶申し上げます。私はエドワード・ローゼンタールと申します。以後お見知りおきを賜れば幸いです」
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師匠は普通にしていても、相手を威圧してしまうのよね。ローゼンタール伯爵がびびっているのがわかる。
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「人伝だが、弁護をしてもらえないかと依頼は来た。だが、ずいぶんな証拠が出されているからな。引き受けるかは要検討ということだ」
「そう……ですか……」
ローゼンタール伯爵は尻すぼみに言葉を発した。その姿はリリーシアと別れることを望んでいる人の姿とは思えなかった。
「彼女は……異議申立てをするつもりなのですよね?」
「悪いが、依頼人のことはしゃべれないんだ。弁護士として」
「しっ、失礼いたしました!申し訳ありません!」
ローゼンタール伯爵は慌てて頭を下げた。
どこか頼りない雰囲気のある男性だが、悪い人間には見えない。さらさらの銀髪に、ブルーダイヤモンドを思わせる美しい瞳。中性的な顔立ちと体格。
我が国では筋肉がしっかりある男性の人気が高いが、中性的な魅力があるローゼンタール伯爵も女性が放っておけないだろうな。
これって、男性受けも良かったりして……
とにかく、彼の周りも再調査する必要がある。
伯爵とリリーシアをハメて得するヤツか……
政治的攻撃。
自分の婚約者が伯爵に懸想したことへの逆恨み。
愛しの伯爵が結婚したことで愛が憎悪に変わった嫉妬からの犯行……。男も女も怪しいわ。
「……」
師匠が不意に伯爵の走ってきた方向に目を向けた。どうやら、獲物が引っ掛かったようだ。
「ローゼンタール伯爵。あの証拠は君が集めたのか?」
「えっ……はっ、はい。そうです。自分で店に行き、証言書をもらい、録画映像の転写、店の帳簿や請求書も頼んで貸してもらいました。他の店も回りましたが、数ヶ月前のことを覚えている人も履歴もなく、見つけられたものはあれだけです」
「なぜ?」
「え?」
「部下に行かせれば良いのに、君が自ら足を運び、話を聞き、証拠を手にした。それはなぜ?」
「それは……間違いがあっては……いけなかったから……です……」
とても言いにくそうに言葉を発した。その顔は、辛さを隠したいのに隠せない歪んだ表情だった。
あぁ……
彼は黒幕ではない。
彼は最後までリリーシアを信じたかったんだ。だから間違った情報に踊らされないよう、自ら動いて、彼女の疑惑を晴らそうと足掻いた。
しかし、公的な親子鑑定書に『親子ではない』と結果を突きつけられ、愛は憎しみに変わった。激情にかられ、勢いで婚姻無効申請を出した。
彼はまだリリーシアのことを……
「そうか、よくわかった。ありがとう」
「いえ、こちらこそお引き留めしてしまい、申し訳ありません」
ローゼンタール伯爵はまた頭を深く下げた。
「では」
師匠が歩き出した。私もそれに続く。
チラリと伯爵を見ると、辛そうな顔をしていた。
「若いな。とても危なっかしく、見ていられんよ。だが……」
師匠はそのあとの言葉を言わなかった。
だが、優しい顔をしていた。
◇◇◇
王城を出て、いったんリーガル公爵家の屋敷に来た。このあとは変装を解いて、師匠とは別行動となる。
「茶の一杯でも飲んでいったらどうだ?」
「師匠が先に味見してくれるなら、ご相伴に与りますよ」
「ふんっ、生意気に……うん、良い出来だ」
師匠は執務室のソファーに座り、自分で入れた紅茶を美味しそうに飲んでいる。
師匠の入れる紅茶は当たり外れが激しく、弟子をしているときに何度も不味い紅茶を飲まされたものだ。
毒味をされた紅茶なら、安心できるわね。
私は師匠の向かいに座り、出された紅茶を飲んだ。
「っ!!」
にがっ!いや、甘い?酸っぱ渋いわ!
「師匠。よくこんなのを顔色変えずに飲めますね。砂糖ください。大量に」
「ソフィアもまだまだだな~。弁護士は感情を表に出さず、涼しい顔して笑うんだと言ってるだろ。」
「紅茶くらい感情を出させてください」
「こういうのは日々の積み重ねだ。常に油断するんじゃない。とくに、貴族相手にはな」
「わかってますよ。たとえ師匠でも敵になることはある」
「「味方を疑うことを忘れるな」」
「ですね」
「わかっているならいい。うん、不味いな」
「それを旨そうに飲める師匠は、本当、異常ですよ」
師匠は悪戯が成功した少年のように笑った。
まったく、弟子で遊ばないで欲しいものだ。
ふふっ、やっぱり不味いわ。懐かしい。
「ソフィアはこのあとどうするんだ?」
「リリーシアの兄の嫁の実家、ハーバイン商会に行ってきます。あそこは情報を取り扱うのに優れている商会ですから、何かしら情報が得られると思ってます。それに、リリーシアから商会長への紹介状ももらってるので、使わない手はないです」
私はリリーシアから預かった封筒を師匠に見せた。『ハーバイン商会長様☆』と書かれている。
「ハーバイン商会か。あそこは独自の情報網を持っていて、正確な情報を提供していると、その界隈では有名だからな。この仕事が終わったらワシにも紹介してくれ」
「信用できる人物なら考えておきます。でも、師匠には冒険者ギルドの暗部がいるから、必要ないのでは?」
「正攻法の情報が欲しい時もある」
「そうですか。で、師匠はどうするんですか?」
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「ローゼンタール伯爵と話しているときに隠れてこちらを窺っていた人物ですね。おそらく女性だと思います。微かですが、流行りの柑橘系の香水の匂いが残ってました」
「ほう~、香水の匂い。ソフィアも鼻が利くようになったんだな。ワシも女だとはわかったが、香水の流行はよくわからんからな、ありがたい情報だ。流行りの香水を使う女なら、容姿を気遣うタイプだな。流行りの香水をすぐに手に入れられる財力もある。そして、ローゼンタール伯爵の行動を監視できる身近な人物。容疑者はだいぶ絞り込める」
すごい……
ひとつの情報でそこまで絞り込めるのか。
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◇◇◇
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本当に今回の黒幕は行動が早く、人数を確保するだけの財力があるわね。
もちろん、私が乗っている馬車にも尾行がついている。
公爵家御用達の商会で降り、変装を解いてハーバイン商会へ向かった。
尾行はなし。だが、ハーバイン商会近くに見張りがいる。どれだけ人員を動かしているのやら。
私は商会の店舗に足を踏み入れた。
店は客で賑わっていた。
さすがに商会長が店番をしているわけはなく、直接会うのは難しいだろう。リリーシアから預かった紹介状も悪目立ちしてしまう可能性がある。
商会長に渡してくれと頼んでも、誰が味方で敵か見当がつかない。
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