永遠を生きる魔女と元王子の使い魔くん 〜永遠を生きる魔女と世界を恨んでいる元王子の初恋は、全世界を敵に回す〜

水鳥楓椛

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1章 幸せの花園

4 魔女の家 (1)

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▫︎◇▫︎

 深い深い森の中を魔女と手を繋いで歩きながら、ノアは心の奥底から悩んでいた。

 ———本当に、これでよかったのかな………?

 先程、ノアは魔女にこう言った。
 『僕はもうお家には帰らない』と。

 魔女はこう言った。
 『ならぁ、わたしの巣においでぇ』と。

 もしかしたらこの先には最悪が待ち受けているかもしれないのに、ノアはこの魔女の後をほいほいと追っている。

 森はだんだんと深さを増し、薄い緑から鮮やかな緑に、そして今はとても深い緑の森を歩いている。
 ガサガサと木々が立てている音が怖くないと言えば嘘になるし、本当は今この瞬間も全てが怖い。自分のことでさえも、ノアは怖いと思っている。

 ———でも、僕にはもう道なんてない。

 ノアに残されている道はこの森の中で野垂れ死ぬか、この森の中で魔女と共に生きるかだ。

 ノアたち王族を守って誇り高く死んだ騎士はノアに言った。
 『にげろ』と。

  つまり、彼はノアに『生き残れ』と言ったのだ。

 ノアは逃げて生き延びた王族として、国の繁栄のために密かに力を蓄えていかねばらない。
 国家を簒奪した叔父から時期を見て王位を取り戻すために、ひっそりと息を殺して、ありとあらゆる力を身につけなければならない。

 ———そのためには、人智を超えた力を持つ《魔女》の力が必要になる。

 ノアは人間の信用に足りないところを多く見てきた。
 だからこそ、“嘘をつくことができない”という欠陥を持つ魔女を味方につけることが、1番信用に値すると思った。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
4話開始です!!

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