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20:休日の過ごし方①
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「今朝は大変失礼しました」
「別に構わないのだが、今度から入り込むときは先に教えてほしい」
「えっ! 言えばOKなんですか!?」
今まで聞いたことないような歓喜を含む高い声が返ってきた。
「OKも何も、何日かは一緒に寝る約束をしていただろう?」
「つまり今朝のことで一回減ったということですね」
一転変わって声のトーンが下がった。
忙しい子だな。
「ふむう分からん、そんなに俺なんかと寝たいものか」
「フィリベルトと一緒だと安心しますよ」
「ベリーがよく眠れるというのなら吝かではないがな……」
「では私の安眠のために毎日を所望します」
「いやそれは……」
「あらフィリベルト、そこは男らしく『いいぞ』というところですよ」
「仮に聞こう。いいぞというと毎日入ってくるのではないか?」
「勿論です」
「良くないぞ」
分かりやすくぷぅと頬を膨らませたベリーはとても可愛かった。
食事が終わり、「今日は何をしましょうか?」とベリーが問いかけてきた。
問われるまでもなく今日やることは決まっている。
今日はここに越して一週間目。家を紹介してくれた商人に、ここを購入するかどうかの返事をしなければならない日だ。
実際に住んでみて、そして再び行う引っ越しの手間を考え、俺が出した結論は、「ここに決めようと思う」だった。
それを伝えると、ベリーも肯定的な意見を述べてくれた。
「そうですね。
暖炉や台所も改装してあって綺麗で使いやすいですし、私も不満はありませんわ」
俺の理由との差よ……
「なんかすまんな」
「はぁ」
突然謝られたベリーは不思議そうに首を傾げていた。
「それはそれとして、商人に伝えるのは片手間で終わりますよね。
そのあとはどうしますか?」
結婚を機に貰った休暇の残りはあと三日。
しかし引っ越しや宴など大きな行事を終えた今、思いつく予定は特にない。
「うーむ家の中のことで足りないことはないか?」
「大きなものはもう足りてますわ」
「つまり大きなもの以外ではあるんだな」
「はい。でも何がないと言えないもの、要するにないと気づいたときに買い足せば良いようなものばかりですから、それを買いに行くと言われても正直困ります」
パッと思い出せるようなものはないと。
「と言うことは、やっと休日らしく過ごせるということだな」
「ふふっ楽しみです。
ところでフィリベルトは、普段休日の日は何をされていたんですか?」
「うん……?」
最前線で過ごした六年間。
たまに貰える休暇は、親しい人や部下が戦死していれば想い出に浸って飲み明かし、そういうのが無ければ部下を連れて飲みに行くか娯楽と称した博打ばかり……
とても言えたもんじゃないな。
「すまん、酒を飲んでいた記憶しかなかった」
「いえこちらこそすみませんでした。
フィリベルトが居たところから察するべきでした。申し訳ございません」
「そんなに畏まらないでほしい。
まあ俺はそんなだったが、ベリーの方はどうなんだ」
「私ですか。
王都を離れてからはお稽古事もなくなりましたので、お料理と乗馬を……
あっ! そ、その、令嬢らしくなくてすみません!!」
「いや別に構わないぞ。料理の腕前はもう見せてもらったが、ベリーはもしや馬が好きなのか?」
「はい好きです」
「そうか。いまが冬でなければゲオルグに乗って郊外に行くのも良かったなあ」
「ではそれは春先ということでお願いします。
その際はお弁当を準備しますね」
「ほほおベリーの飯は美味いから今から楽しみだ」
「ありがとうございます。ちゃんと約束しましたよ」
「ああ約束だ」
そう言ってほほ笑むベリーの頬は少し赤い。
春先、つまり三ヶ月後も俺と一緒にいてくれるという意思表示にありがたく思う。
思わず春の予定が先に決まってしまったが、今日はどう過ごすかはいまだに決まっていない。さてどうするかと頭を悩ませていると、
「あの、私もフィリベルトもきっと王都に明るくないですよね。商人を訪ねた後、一緒に王都を歩きませんか?」
「ああいいぞ」
とは言え、王都は広い。今日一日でまわれるとはベリーも思ってはいまい。きっと生活圏内に何があるかを見ておきたいのだろう。それは俺も興味があり、すぐに返事をした。
予定が決まるとベリーはすぐに立ち上がり動き始めた。
何がって、朝食の後片付けに昨日着た服やタオルなどの洗濯。洗濯が終わればそれを干し、さらに部屋の換気と掃除まで、細々と、しかし手際よくこなしていくベリーに終始圧倒された。
勿論その間手持無沙汰で「手伝おう」と言った。
しかし「これは夫の仕事ではありません」と断られ、挙句に珈琲まで淹れてくれた。
申し訳ない、どうやら俺は余計な仕事を増やしたようだ。これ以上ベリーの仕事を増やさないように、だんまりを決め込みリビングに座る置物と化した。
そうこうしているうちに、時刻はそろそろお昼になろうとしていた。つまり昼食の準備が始まる。
これを毎日か……
「なあベリーやっぱりお手伝いを雇わないか?」
「えっすみません! どこか不備がありましたか!?」
慌てた様子でベリーが返してくる。
「ああ、いやそうじゃない。
申し訳ないが俺はあんなに家事が大変だと思っていなかった。だからベリーが少しでも楽できるならと思ってだな……」
「お気遣いありがとうございます。でも私は大丈夫ですよ。
それよりもフィリベルト。確かあなたも独り暮らしでしたよね。ならば家事の量は変わらないのではないですか?」
「少なくとも食事を作る必要はなかったぞ」
兵舎は食事付き。
「確かにそうですが、でもお掃除と洗濯はあったでしょう」
「洗濯は金で解決できたし、掃除はまあ……」
砦の中に金で洗濯を請け負う女性がいたので専らそれを利用した。共同スペースの掃除は当番制だが士官になってからは免除。唯一残った自室の掃除も頻度を落とせば大した手間でもない。
「むむっ今後のために教育すべきか、でも今後私がいないことは絶対にないし……」
それを聞いたベリーは顎に手を添えてなにやらブツブツと漏らし始めた。
話が良くない方に行く前に、
「なあベリー、昼食は外で食べないか?」
「ええまだ準備前ですから構いませんが、もしや労ってます?」
「まあな」
「でしたら昼食よりも夕食の方が助かります」
続けてベリーは「帰ってから準備する方が大変ですしね」と漏らした。
言われてみれば確かにその通り。
「うぐっ重ね重ねすまん」
一緒に暮らし始めてまだ一週間。しかし家の中ではベリーに頭が上がらなくなってきたような気がする。
身支度を終えて玄関に降りてきたベリーは、ここ数日ですっかり見慣れた防寒具姿になっていた。裾から見えるのは丈の長い濃いめのスカート。足元は脱ぐのも履くのも大変そうな網紐の長いブーツと寒さ対策は万全らしい。
「では行こうか」
「はい!」
玄関と庭の柵に施錠。戸締りを確認して二人並んで通りを歩いていく。
最初に目指すのは商人のところ。彼は侯爵家御用達の商人なので、構えている店は当然のように内門側だ。
ベリーの歩幅に合わせるようにゆっくりと歩く。
早くないだろうかと気にして見れば、ベリーは寒そうに手を擦り合わせていた。そして手袋のない両手を合わせて白い息を『はぁ~』と吐く。
「手袋はどうした」
「あはは、ポッケに入れてたつもりなんですが忘れてしまいました」
ほおベリーでもうっかりすることもあるのだなと認識を改める。
家からそれほど歩いたわけでもなし、すぐに「取りに戻ろう」と提案した。しかしベリーは「大丈夫ですよ」と微笑み返してくる。
「だがなあ。そのままでは寒いだろう?」
「じゃあこうしましょう」
言うが早いかベリーは俺の手を取って握った。
途端に「わあ温かい」と笑みを浮かべるが、手を握ったくらいで温かいわけがない。
「ちょっと待て」
握った手を放し、そちら側の手袋を脱ぐ。
それをベリーに渡し、着けるように促した。渡したのは片方だけ、ベリーは不思議そうに手袋を着けた。
「ふふっ大きい」
お互い手袋を着けたのは互いの逆側。俺はベリーの手を握ると、そのまま防寒具のポケットに連れ込んだ。
「ひゃあ」
なんの悲鳴だなんて言わない。
俺だって恥ずかしい。だがすっかり冷えたベリーの手は、少し火照った手には丁度いい感じで気持ちが良かった。
「あーなんだ。嫌だったら遠慮なく言ってくれていいぞ」
面と向かって言うのは恥ずかしく、やや斜め前を向きながらそう吐き捨てた。
もう少しスマートに言えたら恰好良かっただろう。しかし俺にはこれが精一杯だ。
「十分温かいです。ありがとうフィリベルト」
彼女が俺の腕にしな垂れてきて、半歩だけ離れていた隙間は無くなった。
街往く人がこのようにイチャコラしているのを見たならば、きっと昨年までの俺は不機嫌になったに違いない。
だが今は彼らの気持ちがよくわかる。
これは、いい物だ!
「別に構わないのだが、今度から入り込むときは先に教えてほしい」
「えっ! 言えばOKなんですか!?」
今まで聞いたことないような歓喜を含む高い声が返ってきた。
「OKも何も、何日かは一緒に寝る約束をしていただろう?」
「つまり今朝のことで一回減ったということですね」
一転変わって声のトーンが下がった。
忙しい子だな。
「ふむう分からん、そんなに俺なんかと寝たいものか」
「フィリベルトと一緒だと安心しますよ」
「ベリーがよく眠れるというのなら吝かではないがな……」
「では私の安眠のために毎日を所望します」
「いやそれは……」
「あらフィリベルト、そこは男らしく『いいぞ』というところですよ」
「仮に聞こう。いいぞというと毎日入ってくるのではないか?」
「勿論です」
「良くないぞ」
分かりやすくぷぅと頬を膨らませたベリーはとても可愛かった。
食事が終わり、「今日は何をしましょうか?」とベリーが問いかけてきた。
問われるまでもなく今日やることは決まっている。
今日はここに越して一週間目。家を紹介してくれた商人に、ここを購入するかどうかの返事をしなければならない日だ。
実際に住んでみて、そして再び行う引っ越しの手間を考え、俺が出した結論は、「ここに決めようと思う」だった。
それを伝えると、ベリーも肯定的な意見を述べてくれた。
「そうですね。
暖炉や台所も改装してあって綺麗で使いやすいですし、私も不満はありませんわ」
俺の理由との差よ……
「なんかすまんな」
「はぁ」
突然謝られたベリーは不思議そうに首を傾げていた。
「それはそれとして、商人に伝えるのは片手間で終わりますよね。
そのあとはどうしますか?」
結婚を機に貰った休暇の残りはあと三日。
しかし引っ越しや宴など大きな行事を終えた今、思いつく予定は特にない。
「うーむ家の中のことで足りないことはないか?」
「大きなものはもう足りてますわ」
「つまり大きなもの以外ではあるんだな」
「はい。でも何がないと言えないもの、要するにないと気づいたときに買い足せば良いようなものばかりですから、それを買いに行くと言われても正直困ります」
パッと思い出せるようなものはないと。
「と言うことは、やっと休日らしく過ごせるということだな」
「ふふっ楽しみです。
ところでフィリベルトは、普段休日の日は何をされていたんですか?」
「うん……?」
最前線で過ごした六年間。
たまに貰える休暇は、親しい人や部下が戦死していれば想い出に浸って飲み明かし、そういうのが無ければ部下を連れて飲みに行くか娯楽と称した博打ばかり……
とても言えたもんじゃないな。
「すまん、酒を飲んでいた記憶しかなかった」
「いえこちらこそすみませんでした。
フィリベルトが居たところから察するべきでした。申し訳ございません」
「そんなに畏まらないでほしい。
まあ俺はそんなだったが、ベリーの方はどうなんだ」
「私ですか。
王都を離れてからはお稽古事もなくなりましたので、お料理と乗馬を……
あっ! そ、その、令嬢らしくなくてすみません!!」
「いや別に構わないぞ。料理の腕前はもう見せてもらったが、ベリーはもしや馬が好きなのか?」
「はい好きです」
「そうか。いまが冬でなければゲオルグに乗って郊外に行くのも良かったなあ」
「ではそれは春先ということでお願いします。
その際はお弁当を準備しますね」
「ほほおベリーの飯は美味いから今から楽しみだ」
「ありがとうございます。ちゃんと約束しましたよ」
「ああ約束だ」
そう言ってほほ笑むベリーの頬は少し赤い。
春先、つまり三ヶ月後も俺と一緒にいてくれるという意思表示にありがたく思う。
思わず春の予定が先に決まってしまったが、今日はどう過ごすかはいまだに決まっていない。さてどうするかと頭を悩ませていると、
「あの、私もフィリベルトもきっと王都に明るくないですよね。商人を訪ねた後、一緒に王都を歩きませんか?」
「ああいいぞ」
とは言え、王都は広い。今日一日でまわれるとはベリーも思ってはいまい。きっと生活圏内に何があるかを見ておきたいのだろう。それは俺も興味があり、すぐに返事をした。
予定が決まるとベリーはすぐに立ち上がり動き始めた。
何がって、朝食の後片付けに昨日着た服やタオルなどの洗濯。洗濯が終わればそれを干し、さらに部屋の換気と掃除まで、細々と、しかし手際よくこなしていくベリーに終始圧倒された。
勿論その間手持無沙汰で「手伝おう」と言った。
しかし「これは夫の仕事ではありません」と断られ、挙句に珈琲まで淹れてくれた。
申し訳ない、どうやら俺は余計な仕事を増やしたようだ。これ以上ベリーの仕事を増やさないように、だんまりを決め込みリビングに座る置物と化した。
そうこうしているうちに、時刻はそろそろお昼になろうとしていた。つまり昼食の準備が始まる。
これを毎日か……
「なあベリーやっぱりお手伝いを雇わないか?」
「えっすみません! どこか不備がありましたか!?」
慌てた様子でベリーが返してくる。
「ああ、いやそうじゃない。
申し訳ないが俺はあんなに家事が大変だと思っていなかった。だからベリーが少しでも楽できるならと思ってだな……」
「お気遣いありがとうございます。でも私は大丈夫ですよ。
それよりもフィリベルト。確かあなたも独り暮らしでしたよね。ならば家事の量は変わらないのではないですか?」
「少なくとも食事を作る必要はなかったぞ」
兵舎は食事付き。
「確かにそうですが、でもお掃除と洗濯はあったでしょう」
「洗濯は金で解決できたし、掃除はまあ……」
砦の中に金で洗濯を請け負う女性がいたので専らそれを利用した。共同スペースの掃除は当番制だが士官になってからは免除。唯一残った自室の掃除も頻度を落とせば大した手間でもない。
「むむっ今後のために教育すべきか、でも今後私がいないことは絶対にないし……」
それを聞いたベリーは顎に手を添えてなにやらブツブツと漏らし始めた。
話が良くない方に行く前に、
「なあベリー、昼食は外で食べないか?」
「ええまだ準備前ですから構いませんが、もしや労ってます?」
「まあな」
「でしたら昼食よりも夕食の方が助かります」
続けてベリーは「帰ってから準備する方が大変ですしね」と漏らした。
言われてみれば確かにその通り。
「うぐっ重ね重ねすまん」
一緒に暮らし始めてまだ一週間。しかし家の中ではベリーに頭が上がらなくなってきたような気がする。
身支度を終えて玄関に降りてきたベリーは、ここ数日ですっかり見慣れた防寒具姿になっていた。裾から見えるのは丈の長い濃いめのスカート。足元は脱ぐのも履くのも大変そうな網紐の長いブーツと寒さ対策は万全らしい。
「では行こうか」
「はい!」
玄関と庭の柵に施錠。戸締りを確認して二人並んで通りを歩いていく。
最初に目指すのは商人のところ。彼は侯爵家御用達の商人なので、構えている店は当然のように内門側だ。
ベリーの歩幅に合わせるようにゆっくりと歩く。
早くないだろうかと気にして見れば、ベリーは寒そうに手を擦り合わせていた。そして手袋のない両手を合わせて白い息を『はぁ~』と吐く。
「手袋はどうした」
「あはは、ポッケに入れてたつもりなんですが忘れてしまいました」
ほおベリーでもうっかりすることもあるのだなと認識を改める。
家からそれほど歩いたわけでもなし、すぐに「取りに戻ろう」と提案した。しかしベリーは「大丈夫ですよ」と微笑み返してくる。
「だがなあ。そのままでは寒いだろう?」
「じゃあこうしましょう」
言うが早いかベリーは俺の手を取って握った。
途端に「わあ温かい」と笑みを浮かべるが、手を握ったくらいで温かいわけがない。
「ちょっと待て」
握った手を放し、そちら側の手袋を脱ぐ。
それをベリーに渡し、着けるように促した。渡したのは片方だけ、ベリーは不思議そうに手袋を着けた。
「ふふっ大きい」
お互い手袋を着けたのは互いの逆側。俺はベリーの手を握ると、そのまま防寒具のポケットに連れ込んだ。
「ひゃあ」
なんの悲鳴だなんて言わない。
俺だって恥ずかしい。だがすっかり冷えたベリーの手は、少し火照った手には丁度いい感じで気持ちが良かった。
「あーなんだ。嫌だったら遠慮なく言ってくれていいぞ」
面と向かって言うのは恥ずかしく、やや斜め前を向きながらそう吐き捨てた。
もう少しスマートに言えたら恰好良かっただろう。しかし俺にはこれが精一杯だ。
「十分温かいです。ありがとうフィリベルト」
彼女が俺の腕にしな垂れてきて、半歩だけ離れていた隙間は無くなった。
街往く人がこのようにイチャコラしているのを見たならば、きっと昨年までの俺は不機嫌になったに違いない。
だが今は彼らの気持ちがよくわかる。
これは、いい物だ!
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