上 下
279 / 304
第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

戦車部隊を撃破せよ!!

しおりを挟む
俺は地上に降りると覚悟を決めタナニウムで出来た巨大焼肉プレートを取り出し地面に突き刺し盾にした。
エイジアさんが智弘を守るために戦っているのに俺がのんびりと後退するなんてできるわけが無い!

「ミリアは街へ後退しろ! ありがとう。助かったよ!」

「何を言っておるのじゃ! 妾も戦うぞ!」

「何か強力な魔法でもあるのか?」

「・・・・いや、あんな鋼鉄で出来たもの相手に妾の魔法が効くかは微妙だが撃ってみなくては分からんのじゃ!!」

「無理するな危険だ! 下がってくれ!」

「嫌じゃ! 妾も戦うのじゃ!」

「この戦いはミリアには関係無い! 危険だ!」

「もう今さら手遅れなのじゃ!
 お主の血がないと生きていけない体になってしまったのじゃ!!」

「おいおい、変な言い方は止せよ! 七海が聞いたら誤解するだろ!!」

「お主がここで戦車を止めないとデカ乳たちまで危険になるんじゃろ!
 ここでお主が頑張れるように魔法障壁を張るのじゃ!
 いよいよ危なくなったらお主を連れて後方へ逃げるのじゃ!」

「分かった! ありがとう。その時は頼む」

焼肉プレートを壁にして1両の戦車へ向けマシンガンをバルカン・モードで放った。

ダダダダダダダダン! とけたたましい音ととが響く

ダンダンダンダンダンダンダン! と戦車に着弾する爆発音とともに煙が戦車を覆う。

が、戦車は何事も無かったように進む。

「穴が開かないのかよ!! 映画みたいに上手くいかねーな!!」

飛行機に積んであるバルカン砲なら20mmほどあり戦車といえども蜂の巣に出切るはずなのだが、マシンガンの口径はせいぜい7㎜。
鎧など破壊できても現代のテクノロジーを極めた戦車を貫通することは叶わなかった。

「世知辛いぜ!! 異世界はどこまでも俺に冷たいな!!」

俺が不平を垂れていると、先ほどより南に向かった地点からから巨大なマジカルなんちゃらが頭を上げた。

ヒュン! ドダン!! ドッカーーーン!!

戦車がまた一両、炎を上げ炎上した。

「ザマーー!! ゲホゲホ!」

と悪態をつきながらマジカルなんちゃらが地面を叩く時に巻き上げる砂埃で咽た。

「あのオモチャの威力はなかなかじゃの~ が、連続して出せないと言うのが難点じゃの」

最初の一発を撃ってから2,3分ほど時間が経過している。
森に隠れ移動しながら撃っている様子だから、どうしても時間が掛かる。

チュドーーン! チュドーーーン! チュドーーーーン!

戦車は砲塔を回転させマジカルなんちゃらが巨大化したあたりを再度砲撃し始めた。
森から黒煙が上がるが、多分、智弘はそこにはいないだろう。
戦車隊は全車両、森へ目掛け転進しだした。
俺のマシンガンは物の数に入らないと言うことだろうか!

マズイ! 智弘が狙われる!
マシンガンでは装甲を撃ち抜けない! どうしたら良いのか!

!! そうだ! 上手くいけば戦車の進軍を止められるかもしれない。
俺はある方法を試してみた。

目前500mにいる戦車は森方向へ向きを変え側面を向け走り出した。

そうだ、横を向いたのならキャタピラや車輪なら破壊できるかもしれない!!

マシンガンを構え狙いをつけ先頭を行く戦車の前輪に狙いを定めバルカンモードで撃った。

ズダダダダダン! ズダダダダダン!!

ギーギー

と音を立てたかと思うとギュンギュンギュンという大きな音をたて先頭の戦車が急に回転しだした。

「やった成功だ!」

ゴキン! ゴキン!

重い音の中に金属音が響くと、先頭に車両に続く2両目、3両目のが追突する。

ズダダン! ズダダン!!

続けざまに2両目、3両目の戦車のキャタピラや車輪目掛けマシンガンを発射する。

ギュンギュンギュン ギュンギュンギュン! ギュンギュンギュン!!

回転をしながら戦車同士がぶつかり合い火花が飛ぶ。
戦車は左右で車輪が独立しており右を前進、左を後進させる事により、その場で180度回転させることが可能だ。
それ故、片側が破壊されるとその場で回転することしか出来ない。

バッシュン! ガコン! バッシュン! ガコン!

戦車へ向けマシンガンの下に付いているグレネードランチャーを撃ってみるが、やはり戦車を破壊することは叶わなかった。

「クソーー! チートマシンガンでも現代兵器の前には無力だな! 戦車には敵わないか!」

戦車の回転が止まると砲塔がこちらへ向く。

ガコン ボッシュ! ガコン ボッシュ! ガコン ボッシュ!

グレネードからスモーク弾に切り替え、戦車の視界を遮る。
移動が不可能となった戦車の周りに白い煙が立ちこめる。

「マズイ! ミリア、移動する!」

「どこへ行くのじゃ!」

「後続の車両を足止めする」

タナニウムで出来た焼肉プレートを地面から抜き左手で担ぎながら後続の車両を狙うポイントを探す。
100mくらい走ると50cmほどの窪みがあった。
身を隠すのに丁度良い。
焼肉プレートを地面に突き刺し盾にマシンガンだけを出し戦車の車輪、キャタピラを狙う。

ダダダン! ダダダン!

バキンと激しい金属音が聞こえたかと思うと戦車が回転しだした。
今は破壊出来なくても良い、戦車の進軍さえ止めることができれば智弘がハエ叩きの要領で撃破してくれるはずだ。

バルバルバル! バルバルバル!!

焼肉プレートが戦車の機銃の掃射を弾き銃弾が下に落ちる。

怖えーーー!! 焼肉プレートが無ければ蜂の巣だ!!
ありがとうございます。女神さま!! 焼肉プレートが無ければ、あの世に召されていました。
が、戦車の砲弾は大丈夫なのだろうか?・・・・・・いや、大丈夫なはずは無い。
直撃よりも爆風にやられる可能性のほうが高い!

「お主、こうするのじゃ!」

と言うとミリアは焼肉プレートと俺の間に割り込んできた。
丁度ミリアを後から覆いかぶさるように、抱きしめるかのように。

「ポッ! 何か恋人どうしみたいじゃの~
 デカ乳に妾たちの仲睦まじい姿を見せてやりたいの~ 嫉妬させてみたいものじゃの~」

「ポッ! じゃね~よ! ポッじゃ! 七海は、そんな事で嫉妬なんかしないよ!! で、何してるんだよ!」

「こうするのじゃ! 魔法障壁!!」

とミリアも焼肉プレートから右手だけを出し魔法障壁を張った。

「こうすれば砲弾の1発くらいは防げるじゃろ!」

「2発来たらどうするんだよ!」

「その時は仲良くあの世に旅立のじゃ!
 同じ死ぬのなら男の胸に抱かれて死にたいものじゃの~」

「ジルドはいいのかよ! ジルドは!」

「まぁ~妾は砲弾の一発や二発じゃ死なないじゃろうが」

「お前な~~ で、魔法障壁の内側でマシンガンを撃ったら内側で破裂するのか?」

「多分、そうじゃろ。撃つときは妾に教えるのじゃ! 魔法障壁を解除するのじゃ」

「そうか」

マシンガンを構えタナニウムの焼肉プレートの右側から出す。

「そんじゃ、撃つぞ!!」

ミリアが魔法障壁を解除した瞬間、マシンガンを戦車目掛け放った。

ダダダダダダダ! ダダダダダダ!

バキン! 

見事にキャタピラに命中し戦車は回転した。

「ナイス!俺!!」

腕が上がった? 否、無限に撃てるマシンガンの力だ。
引き金を引けば誰でもできる。
ミリアは再度、魔法障壁を張った。

停止した戦車に向かって一陣の風が俺たちの横をすり抜けた!

「エイジアさん!!」

エイジアさんが目にも留まらぬスピードで駆け抜け

「ヘルファイアー!」

と呪文を唱えると透き通った赤い大剣の周りに巨大な炎が纏いつき、透き通っていたはずの大剣が赤みを帯び灼熱の剣へと変化した。
俺たちの隣を熱風とともに走り去った。

動きを止めた戦車に対し渾身の力を込め灼熱色の大剣を振り下ろした。

ガギン!!

という音とともに戦車が切断されていった。
切断し終わったとき中から燃えたコリレシア兵が炎に焼かれながら出てくると同時に絶命した。

「良し、次の車両を狙う!!」

焼き肉プレートの角度を少しずらし次の戦車に狙いを定める。

「ミリア! 解除してくれ!!」

ミリアが加除する。 

ダダダダダダン!

バキン! バキン!!

キュルンキュルンキュルン!

2度目には慣れたもので戦車がその場で回転しだすと魔法障壁を張った。
そして、停止した戦車へ先ほどと同じように灼熱に染まった大剣で戦車を切断する。

「ミリア! 次だ! 解除してくれ!」

俺の声でミリアが魔法障壁を解除をする。


ダダダダダダン! ダダダダダン!!

バキン! バキン!!

キュルンキュルンキュルン!

戦車がその場で回転する。

「俺たち、いいコンビじゃん!!」

「そうじゃの~デカ乳がさぞ悔しがってることじゃろう~」

そしてミリアが魔法障壁を貼る!

「妾たちは良いコンビじゃの~」

とご満悦な顔をしているとき

ヒユィ~~~~~ン!

ドガン!!

魔法障壁に砲弾が命中した。
後続の戦車5両が俺とミリアに的を絞ったようだ。

「ウゴ!」

「マズイのじゃ、また飛んでくるのじゃ!」

ヒューーーン

ドガン!!

ピキピキピキ

魔法障壁にヒビが入った!

「危ないのじゃ! もうもたないのじゃ!!」


ヒューーーーン

ドッガーーーン!

「お主、スマン!! 妾の力不足じゃ!!」

魔法障壁はガラスのように崩れ落ちてしまった。

「碧さ~~~ん!」

エイジアさんが振り向き俺の名前を絶叫する!
そして、次の砲弾が目前に迫る。

俺は咄嗟に焼肉プレートと俺の間にミリアが完全に入るようにして後から覆いかぶさるように守り目を瞑った。


「魔法障壁!!」


聞きなれない男の声がした。

ドガーーン!

戦車の砲弾が俺たちに当たることはなかった。
恐る恐る目を開けてみると、辺りには砲弾の爆発した煙が立ちこめ、その煙も徐々に風に流される。

そこには右手をを突き出した黒い燕尾服を着たオールバックの男が立っていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。

黒ハット
ファンタジー
 前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

処理中です...