二度転生した最強賢者はスローライフを送りたい〜今世ではダラダラ生きたいので実力を隠したら追放されました〜

26

翌日、目を覚ますと隣には誰もいなかった。不思議に思いながら身体を起こす……すると部屋のドアが開き、リリィが入ってきた。

「おはようございます、ご主人様」

彼女は微笑みながら挨拶してきた。昨日の出来事を思い出しながら俺は苦笑する。

（全く……可愛いところもあるじゃないか）

俺が心の中で思っているとリリィが不思議そうに首を傾げた。そんな彼女に向かって口を開く。

「よく眠れたか？」

俺が尋ねると彼女は笑顔で答えた。

「はい！ とっても快適でした！」

その笑顔を見るとこちらまで幸せな気分になる。

「それは良かった……ところで朝食の準備を頼んでもいいか？」

俺が聞くと彼女は元気よく返事をしてくれた。

「かしこまりました！」

そして部屋を飛び出していく……その後ろ姿を見ながら俺は思った。

（さて、今日も頑張るか）

気合いを入れ直すとベッドから降りて着替えることにする……その前に窓の外を見ると美しい青空が広がっていた。それを眺めながら俺は大きく伸びをするのだった。

「いただきます」

食事が始まった瞬間、リリィが真っ先に朝食を食べ始めた。それを見て微笑むと、俺も食事を始めることにする……今日のメニューはトーストに目玉焼き、サラダにコーヒーだ。

「美味しいです！」

リリィは幸せそうにそう言った。確かにこの食堂の料理はとても美味しいと思う。普段はあまり意識していないのだが、こうして食べていると改めて感じるものだ……そんなことを考えながら食事を進めていると、不意に彼女が話しかけてきた。

「あの……ご主人様」

「ん？」

俺が聞き返すと彼女はモジモジしながら言う。

「ご主人様さえ良ければ……また一緒にご飯を食べたいです」

彼女の言葉に俺は思わず笑みがこぼれた。そして優しく語りかける。

「もちろん構わないよ、また一緒に食べよう」

俺が言うとリリィは満面の笑みで頷いた。そんなやり取りをしながら二人で楽しく食事を済ませたのだった……