「お前のような奴と結婚できない」と婚約破棄された聖女は新しい幸せを探します

14

その後も様々なお店を回ったりして楽しい時間を過ごした私たちは夕方頃になって教会に戻ってきた。そして、カイトと一緒に子供たちの面倒を見ることにした。


「みんなー！ 今日は何して遊ぶ？」


私が尋ねると、子供たちは目を輝かせて答える。


「鬼ごっこ！」


「かくれんぼ！」


「おままごと！」


次々と意見が出てくる中、私は悩んでいるとカイトが微笑んで話しかけてきた。


「それじゃあ……今日は僕も参加させてもらうよ」


そう言うと彼は子供たちの輪の中に入っていった。どうやら彼も遊んでくれるみたいだ。


（やった！）


そんなことを考えていると、私の横に誰かが近づいてきた。振り返るとそこにいたのはノエルさんだった。


「クロエさん、カイトさんとは上手くやっているみたいね」


彼女は微笑みながら言った。私は少し照れながら答えることにする。


「はい！ すごく優しい人なんです！」


すると、ノエルさんも嬉しそうに笑った。そして、ふと思い出したように話しかけてくる。


「そういえば……もうすぐクリスマスね……」


クリスマスと言えばサンタさんがプレゼントを届けてくれるイベントだ。私も小さい頃に両親からプレゼントを貰ったことがある。しかし、ここ数十年はプレゼントが貰えていないので少し寂しい気持ちも抱いていた。


「そうですね……みんな楽しみにしてますよ！」


「ふふっ……そうね……」


ノエルさんは優しく微笑むと、子供たちの元へ歩いていった。そして、一緒に遊び始めるのだった。


（クリスマスかぁ……プレゼント貰えるといいなぁ……）


そんなことを考えていると、私の周りに子供たちが集まってきた。そして、目を輝かせながら尋ねてくる。


「お姉ちゃん！ サンタさん来るよね？」


私は子供たちの笑顔を見て嬉しくなった。きっと、この子たちも楽しみにしているのだろう。


「きっと来るよ！ 良い子にしていないとね！」


私が言うと、子供たちは嬉しそうに頷いていた。そのやり取りを見ていたカイトとノエルさんも微笑んでいる。


「みんな！ 良い子にしていればサンタさんはやってきてくれるわ！ だから、みんなで頑張ろうね！」


ノエルさんが子供たちに言うと、彼らは元気良く返事をした。そして、私たちは日が暮れるまで子供たちと一緒に遊ぶのだった。


（ふふっ……クリスマスかぁ……楽しみだなぁ）


それからというものの、クリスマスに向けて様々な準備が始まった。飾り付けやツリーの準備などやることは沢山ある。私は教会の庭でカイトと共にツリーの飾りを作っていた。色とりどりのオーナメントを使って綺麗に飾っていく。その様子を見ていた他の子供たちも集まってきて手伝い始めたのだ。みんなで協力しながら作業を進めていくとあっという間に完成した。


（綺麗……！）


完成したツリーを見て感動してしまう。色とりどりのオーナメントが輝き、まるで宝石箱のように美しかった。子供たちも嬉しそうな表情を浮かべている。そして、私たちは飾り付けしたツリーの前で写真を撮ることにしたのだった。


「みんな並んでー！ いくよー！」


私が合図を出すと、子供たちは一斉にポーズをとった。その瞬間をカイトが撮影する。写真の中の私は笑顔でピースサインをしていた。


（あぁ……幸せだなぁ……）


そんなことを思いながら私は撮れた写真を眺めていた。きっと、この写真を見る度にクリスマスの日を思い出してしまうだろう。