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第九幕 転生歌姫の学園生活
第九幕 45 『ゴール』
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ルシェーラ班とシフィル班も合流して、ゴールを目指して進んでいく。
道はやがて最後の登り、行く先には山頂が見えている。
これまでの道中でも難所はそれなりにあったが、まさにここが最後の難関だ。
傾斜は今までで最もきつく、殆ど崖と言った感じだ。
滑落しないように慎重に足場を確認しながらゆっくりと登る。
流石にここではメリエルちゃんは降ろしている。
まあ、背負ったままでも登れるけど。
「メリエルちゃん、ほら手をしっかり繋いで」
「だ、大丈夫だよ!子どもじゃないんだから!最後くらいは一人でも…」
「そお?じゃあ、頑張ろう!」
何かずっとおんぶしてたから庇護欲が…
でも、もう巣立ちの時なんだね…(ホロリ)
そして、もう一人心配なのが…
「フローラさんは大丈夫?無理しないでゆっくりで良いからね。あ、そこはちょっと厳しいか。ほら、どうぞ」
「あ、ありがとうございます…!」
おっかなびっくりという感じで少し心配なのでフォローしてあげる。
(…ずっとあの調子でしたの?)
(あれはホレてまうやろ~)
(天然人誑しよね、カティアって)
(くっ…俺っちの役割だろ、そこは!)
「何こそこそ喋ってるの?集中しないと危ないよ?」
「「「はい!すみません!」」」
そんなふうに時間をかけ、安全に気を配りながら登ることしばし。
ついに私達はゴールに辿り着いた。
「ふぅ…やっと着いたね」
「やったぁ!ゴール!!」
「まだ他の班はいないみたいだね…やったね!一等賞だよ!」
「…こんなに広い場所だとは思いませんでした」
「奇麗な場所ね~…天国みたい」
最後の難関を登りきったその先には平原が広がっていた。
とても山の頂上とは思えないほど広大で、一面草花で覆われた様子はまるで楽園のようだ。
「ご褒美ってことかな。こんな景色が見られるなら、ここまで頑張った甲斐があるよ」
「お?あそこに誰かいるぜ」
「あれは…ああ、スレイン先生ですね。行ってみましょう」
広大な平原のほぼ真ん中辺りにスレイン先生が立っていた。
向こうもすでに私達に気が付いており、軽く手を上げている。
「よお、なかなか早かったな。お前らが一番乗りだ」
「先生はお一人で?」
「ああ。途中までは他の冒険者たちと一緒だったが。一応生徒達よりは先に着いておこうと思ってな、先行したんだ。お前らは、道中問題なかったか?」
「ありました!」
元気よく答える!
「…あったのかよ」
道中の出来事、この地の守護者に会ったことや強力な魔物に襲撃を受けたことを先生に伝えると、段々と渋い顔になって行く。
「そうか…結果的には、襲撃されたのがお前たちのところで良かった…と言うべきか」
「そうですね。それに、私だけだと皆を守りきれたかどうか…ステラがいてくれて助かりました」
「いえ、カティアが前衛を引き受けてくれたから…」
「ともかく、二人とも皆を守ってくれてありがとうな」
「センセー!私も頑張ったよ!」
「俺っちもですぜ!なあ、ユーグ!ガエル!」
「…死ぬかと思いましたよ」
「…まあ、力は尽くした」
確かに、メリエルちゃん達も冒険者や先生に混じってルビーウルフを引き受けてくれてたからね。
フローラさんやクリフ君も、戦闘には参加しなかったけど他の学生たちを避難させたりしてたし。
みんな力を合わせる事ができたから被害は最小限で済んだのだ。
「ああ、お前らも良くやったな。だが、まだお前らは学生。本来は護られている身だからな。あまり無茶はするなよ」
「…私には割と直ぐに支援要請が入りましたけど」
「お前は別枠だ」
さいですか。
頼りにされるのは悪い気はしないけど。
「それにしても…『守護者』か。そう言う伝承があるのは聞いたことがあったが、実在するとはな」
「私も驚きました。突然襲われたから未知の魔物かと思いました」
「…それもお前たちだったから良かったな。引きが良いのか悪いのかは知らんが」
「私達にとっては良くはないと思いますけど」
「それはそうだ。…ところで、この山には守護者の他にも様々な伝説の類があってな。いま俺たちがいるこの場所もそうだ」
「え!?またお爺ちゃんみたいなのが出てくるの!?」
流石にこれ以上は勘弁してほしいなぁ…
先生も変なフラグ立てないでよ。
「ああ、いや、そう言う話じゃない。ほら、ここの地形…不自然だと思わないか?」
「キレーに真っ平らっすもんね」
確かに不自然に見えるけど、侵食で出来るテーブルマウンテンみたいなものじゃないかな?
でも神秘的だし、何らかの伝説が出来てもおかしくはないかな。
「どんな伝説があるんですか?」
「ああ…もともとは普通の山だった所を、ディザール様が古の魔物との戦いで振るった斬撃が山頂を切り取った…と言うものだ。だから、もともとはもっと標高の高い山だった、なんて言われてたりする」
いや、流石にそれは無いでしょ。
…無いよね?
今度お会いしたら聞いてみよ…
暫く山頂で休憩しながら話をしていると、少しずつ他の班の人も増えてきた。
普通の登山と違って、山頂がこれだけ広いと大人数が集まっても全く問題にならないね。
全員がゴールしたら先生の有り難いお話があるみたいなんだけど…それまではかなり暇だね…
道はやがて最後の登り、行く先には山頂が見えている。
これまでの道中でも難所はそれなりにあったが、まさにここが最後の難関だ。
傾斜は今までで最もきつく、殆ど崖と言った感じだ。
滑落しないように慎重に足場を確認しながらゆっくりと登る。
流石にここではメリエルちゃんは降ろしている。
まあ、背負ったままでも登れるけど。
「メリエルちゃん、ほら手をしっかり繋いで」
「だ、大丈夫だよ!子どもじゃないんだから!最後くらいは一人でも…」
「そお?じゃあ、頑張ろう!」
何かずっとおんぶしてたから庇護欲が…
でも、もう巣立ちの時なんだね…(ホロリ)
そして、もう一人心配なのが…
「フローラさんは大丈夫?無理しないでゆっくりで良いからね。あ、そこはちょっと厳しいか。ほら、どうぞ」
「あ、ありがとうございます…!」
おっかなびっくりという感じで少し心配なのでフォローしてあげる。
(…ずっとあの調子でしたの?)
(あれはホレてまうやろ~)
(天然人誑しよね、カティアって)
(くっ…俺っちの役割だろ、そこは!)
「何こそこそ喋ってるの?集中しないと危ないよ?」
「「「はい!すみません!」」」
そんなふうに時間をかけ、安全に気を配りながら登ることしばし。
ついに私達はゴールに辿り着いた。
「ふぅ…やっと着いたね」
「やったぁ!ゴール!!」
「まだ他の班はいないみたいだね…やったね!一等賞だよ!」
「…こんなに広い場所だとは思いませんでした」
「奇麗な場所ね~…天国みたい」
最後の難関を登りきったその先には平原が広がっていた。
とても山の頂上とは思えないほど広大で、一面草花で覆われた様子はまるで楽園のようだ。
「ご褒美ってことかな。こんな景色が見られるなら、ここまで頑張った甲斐があるよ」
「お?あそこに誰かいるぜ」
「あれは…ああ、スレイン先生ですね。行ってみましょう」
広大な平原のほぼ真ん中辺りにスレイン先生が立っていた。
向こうもすでに私達に気が付いており、軽く手を上げている。
「よお、なかなか早かったな。お前らが一番乗りだ」
「先生はお一人で?」
「ああ。途中までは他の冒険者たちと一緒だったが。一応生徒達よりは先に着いておこうと思ってな、先行したんだ。お前らは、道中問題なかったか?」
「ありました!」
元気よく答える!
「…あったのかよ」
道中の出来事、この地の守護者に会ったことや強力な魔物に襲撃を受けたことを先生に伝えると、段々と渋い顔になって行く。
「そうか…結果的には、襲撃されたのがお前たちのところで良かった…と言うべきか」
「そうですね。それに、私だけだと皆を守りきれたかどうか…ステラがいてくれて助かりました」
「いえ、カティアが前衛を引き受けてくれたから…」
「ともかく、二人とも皆を守ってくれてありがとうな」
「センセー!私も頑張ったよ!」
「俺っちもですぜ!なあ、ユーグ!ガエル!」
「…死ぬかと思いましたよ」
「…まあ、力は尽くした」
確かに、メリエルちゃん達も冒険者や先生に混じってルビーウルフを引き受けてくれてたからね。
フローラさんやクリフ君も、戦闘には参加しなかったけど他の学生たちを避難させたりしてたし。
みんな力を合わせる事ができたから被害は最小限で済んだのだ。
「ああ、お前らも良くやったな。だが、まだお前らは学生。本来は護られている身だからな。あまり無茶はするなよ」
「…私には割と直ぐに支援要請が入りましたけど」
「お前は別枠だ」
さいですか。
頼りにされるのは悪い気はしないけど。
「それにしても…『守護者』か。そう言う伝承があるのは聞いたことがあったが、実在するとはな」
「私も驚きました。突然襲われたから未知の魔物かと思いました」
「…それもお前たちだったから良かったな。引きが良いのか悪いのかは知らんが」
「私達にとっては良くはないと思いますけど」
「それはそうだ。…ところで、この山には守護者の他にも様々な伝説の類があってな。いま俺たちがいるこの場所もそうだ」
「え!?またお爺ちゃんみたいなのが出てくるの!?」
流石にこれ以上は勘弁してほしいなぁ…
先生も変なフラグ立てないでよ。
「ああ、いや、そう言う話じゃない。ほら、ここの地形…不自然だと思わないか?」
「キレーに真っ平らっすもんね」
確かに不自然に見えるけど、侵食で出来るテーブルマウンテンみたいなものじゃないかな?
でも神秘的だし、何らかの伝説が出来てもおかしくはないかな。
「どんな伝説があるんですか?」
「ああ…もともとは普通の山だった所を、ディザール様が古の魔物との戦いで振るった斬撃が山頂を切り取った…と言うものだ。だから、もともとはもっと標高の高い山だった、なんて言われてたりする」
いや、流石にそれは無いでしょ。
…無いよね?
今度お会いしたら聞いてみよ…
暫く山頂で休憩しながら話をしていると、少しずつ他の班の人も増えてきた。
普通の登山と違って、山頂がこれだけ広いと大人数が集まっても全く問題にならないね。
全員がゴールしたら先生の有り難いお話があるみたいなんだけど…それまではかなり暇だね…
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