272 / 683
第九幕 転生歌姫の学園生活
第九幕 45 『ゴール』
しおりを挟む
ルシェーラ班とシフィル班も合流して、ゴールを目指して進んでいく。
道はやがて最後の登り、行く先には山頂が見えている。
これまでの道中でも難所はそれなりにあったが、まさにここが最後の難関だ。
傾斜は今までで最もきつく、殆ど崖と言った感じだ。
滑落しないように慎重に足場を確認しながらゆっくりと登る。
流石にここではメリエルちゃんは降ろしている。
まあ、背負ったままでも登れるけど。
「メリエルちゃん、ほら手をしっかり繋いで」
「だ、大丈夫だよ!子どもじゃないんだから!最後くらいは一人でも…」
「そお?じゃあ、頑張ろう!」
何かずっとおんぶしてたから庇護欲が…
でも、もう巣立ちの時なんだね…(ホロリ)
そして、もう一人心配なのが…
「フローラさんは大丈夫?無理しないでゆっくりで良いからね。あ、そこはちょっと厳しいか。ほら、どうぞ」
「あ、ありがとうございます…!」
おっかなびっくりという感じで少し心配なのでフォローしてあげる。
(…ずっとあの調子でしたの?)
(あれはホレてまうやろ~)
(天然人誑しよね、カティアって)
(くっ…俺っちの役割だろ、そこは!)
「何こそこそ喋ってるの?集中しないと危ないよ?」
「「「はい!すみません!」」」
そんなふうに時間をかけ、安全に気を配りながら登ることしばし。
ついに私達はゴールに辿り着いた。
「ふぅ…やっと着いたね」
「やったぁ!ゴール!!」
「まだ他の班はいないみたいだね…やったね!一等賞だよ!」
「…こんなに広い場所だとは思いませんでした」
「奇麗な場所ね~…天国みたい」
最後の難関を登りきったその先には平原が広がっていた。
とても山の頂上とは思えないほど広大で、一面草花で覆われた様子はまるで楽園のようだ。
「ご褒美ってことかな。こんな景色が見られるなら、ここまで頑張った甲斐があるよ」
「お?あそこに誰かいるぜ」
「あれは…ああ、スレイン先生ですね。行ってみましょう」
広大な平原のほぼ真ん中辺りにスレイン先生が立っていた。
向こうもすでに私達に気が付いており、軽く手を上げている。
「よお、なかなか早かったな。お前らが一番乗りだ」
「先生はお一人で?」
「ああ。途中までは他の冒険者たちと一緒だったが。一応生徒達よりは先に着いておこうと思ってな、先行したんだ。お前らは、道中問題なかったか?」
「ありました!」
元気よく答える!
「…あったのかよ」
道中の出来事、この地の守護者に会ったことや強力な魔物に襲撃を受けたことを先生に伝えると、段々と渋い顔になって行く。
「そうか…結果的には、襲撃されたのがお前たちのところで良かった…と言うべきか」
「そうですね。それに、私だけだと皆を守りきれたかどうか…ステラがいてくれて助かりました」
「いえ、カティアが前衛を引き受けてくれたから…」
「ともかく、二人とも皆を守ってくれてありがとうな」
「センセー!私も頑張ったよ!」
「俺っちもですぜ!なあ、ユーグ!ガエル!」
「…死ぬかと思いましたよ」
「…まあ、力は尽くした」
確かに、メリエルちゃん達も冒険者や先生に混じってルビーウルフを引き受けてくれてたからね。
フローラさんやクリフ君も、戦闘には参加しなかったけど他の学生たちを避難させたりしてたし。
みんな力を合わせる事ができたから被害は最小限で済んだのだ。
「ああ、お前らも良くやったな。だが、まだお前らは学生。本来は護られている身だからな。あまり無茶はするなよ」
「…私には割と直ぐに支援要請が入りましたけど」
「お前は別枠だ」
さいですか。
頼りにされるのは悪い気はしないけど。
「それにしても…『守護者』か。そう言う伝承があるのは聞いたことがあったが、実在するとはな」
「私も驚きました。突然襲われたから未知の魔物かと思いました」
「…それもお前たちだったから良かったな。引きが良いのか悪いのかは知らんが」
「私達にとっては良くはないと思いますけど」
「それはそうだ。…ところで、この山には守護者の他にも様々な伝説の類があってな。いま俺たちがいるこの場所もそうだ」
「え!?またお爺ちゃんみたいなのが出てくるの!?」
流石にこれ以上は勘弁してほしいなぁ…
先生も変なフラグ立てないでよ。
「ああ、いや、そう言う話じゃない。ほら、ここの地形…不自然だと思わないか?」
「キレーに真っ平らっすもんね」
確かに不自然に見えるけど、侵食で出来るテーブルマウンテンみたいなものじゃないかな?
でも神秘的だし、何らかの伝説が出来てもおかしくはないかな。
「どんな伝説があるんですか?」
「ああ…もともとは普通の山だった所を、ディザール様が古の魔物との戦いで振るった斬撃が山頂を切り取った…と言うものだ。だから、もともとはもっと標高の高い山だった、なんて言われてたりする」
いや、流石にそれは無いでしょ。
…無いよね?
今度お会いしたら聞いてみよ…
暫く山頂で休憩しながら話をしていると、少しずつ他の班の人も増えてきた。
普通の登山と違って、山頂がこれだけ広いと大人数が集まっても全く問題にならないね。
全員がゴールしたら先生の有り難いお話があるみたいなんだけど…それまではかなり暇だね…
道はやがて最後の登り、行く先には山頂が見えている。
これまでの道中でも難所はそれなりにあったが、まさにここが最後の難関だ。
傾斜は今までで最もきつく、殆ど崖と言った感じだ。
滑落しないように慎重に足場を確認しながらゆっくりと登る。
流石にここではメリエルちゃんは降ろしている。
まあ、背負ったままでも登れるけど。
「メリエルちゃん、ほら手をしっかり繋いで」
「だ、大丈夫だよ!子どもじゃないんだから!最後くらいは一人でも…」
「そお?じゃあ、頑張ろう!」
何かずっとおんぶしてたから庇護欲が…
でも、もう巣立ちの時なんだね…(ホロリ)
そして、もう一人心配なのが…
「フローラさんは大丈夫?無理しないでゆっくりで良いからね。あ、そこはちょっと厳しいか。ほら、どうぞ」
「あ、ありがとうございます…!」
おっかなびっくりという感じで少し心配なのでフォローしてあげる。
(…ずっとあの調子でしたの?)
(あれはホレてまうやろ~)
(天然人誑しよね、カティアって)
(くっ…俺っちの役割だろ、そこは!)
「何こそこそ喋ってるの?集中しないと危ないよ?」
「「「はい!すみません!」」」
そんなふうに時間をかけ、安全に気を配りながら登ることしばし。
ついに私達はゴールに辿り着いた。
「ふぅ…やっと着いたね」
「やったぁ!ゴール!!」
「まだ他の班はいないみたいだね…やったね!一等賞だよ!」
「…こんなに広い場所だとは思いませんでした」
「奇麗な場所ね~…天国みたい」
最後の難関を登りきったその先には平原が広がっていた。
とても山の頂上とは思えないほど広大で、一面草花で覆われた様子はまるで楽園のようだ。
「ご褒美ってことかな。こんな景色が見られるなら、ここまで頑張った甲斐があるよ」
「お?あそこに誰かいるぜ」
「あれは…ああ、スレイン先生ですね。行ってみましょう」
広大な平原のほぼ真ん中辺りにスレイン先生が立っていた。
向こうもすでに私達に気が付いており、軽く手を上げている。
「よお、なかなか早かったな。お前らが一番乗りだ」
「先生はお一人で?」
「ああ。途中までは他の冒険者たちと一緒だったが。一応生徒達よりは先に着いておこうと思ってな、先行したんだ。お前らは、道中問題なかったか?」
「ありました!」
元気よく答える!
「…あったのかよ」
道中の出来事、この地の守護者に会ったことや強力な魔物に襲撃を受けたことを先生に伝えると、段々と渋い顔になって行く。
「そうか…結果的には、襲撃されたのがお前たちのところで良かった…と言うべきか」
「そうですね。それに、私だけだと皆を守りきれたかどうか…ステラがいてくれて助かりました」
「いえ、カティアが前衛を引き受けてくれたから…」
「ともかく、二人とも皆を守ってくれてありがとうな」
「センセー!私も頑張ったよ!」
「俺っちもですぜ!なあ、ユーグ!ガエル!」
「…死ぬかと思いましたよ」
「…まあ、力は尽くした」
確かに、メリエルちゃん達も冒険者や先生に混じってルビーウルフを引き受けてくれてたからね。
フローラさんやクリフ君も、戦闘には参加しなかったけど他の学生たちを避難させたりしてたし。
みんな力を合わせる事ができたから被害は最小限で済んだのだ。
「ああ、お前らも良くやったな。だが、まだお前らは学生。本来は護られている身だからな。あまり無茶はするなよ」
「…私には割と直ぐに支援要請が入りましたけど」
「お前は別枠だ」
さいですか。
頼りにされるのは悪い気はしないけど。
「それにしても…『守護者』か。そう言う伝承があるのは聞いたことがあったが、実在するとはな」
「私も驚きました。突然襲われたから未知の魔物かと思いました」
「…それもお前たちだったから良かったな。引きが良いのか悪いのかは知らんが」
「私達にとっては良くはないと思いますけど」
「それはそうだ。…ところで、この山には守護者の他にも様々な伝説の類があってな。いま俺たちがいるこの場所もそうだ」
「え!?またお爺ちゃんみたいなのが出てくるの!?」
流石にこれ以上は勘弁してほしいなぁ…
先生も変なフラグ立てないでよ。
「ああ、いや、そう言う話じゃない。ほら、ここの地形…不自然だと思わないか?」
「キレーに真っ平らっすもんね」
確かに不自然に見えるけど、侵食で出来るテーブルマウンテンみたいなものじゃないかな?
でも神秘的だし、何らかの伝説が出来てもおかしくはないかな。
「どんな伝説があるんですか?」
「ああ…もともとは普通の山だった所を、ディザール様が古の魔物との戦いで振るった斬撃が山頂を切り取った…と言うものだ。だから、もともとはもっと標高の高い山だった、なんて言われてたりする」
いや、流石にそれは無いでしょ。
…無いよね?
今度お会いしたら聞いてみよ…
暫く山頂で休憩しながら話をしていると、少しずつ他の班の人も増えてきた。
普通の登山と違って、山頂がこれだけ広いと大人数が集まっても全く問題にならないね。
全員がゴールしたら先生の有り難いお話があるみたいなんだけど…それまではかなり暇だね…
21
あなたにおすすめの小説
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる