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2 海の国の聖人候補
293 本戦が始まります
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293
〝ヌノビキの祭〟の開催期間は2週間。
最初の週は〝見本市〟がメインとなり、国中から集まった布関係の店が、自慢の商品をあちこちで紹介するイベントが行われる。もちろん、趣向を凝らしたファッション・ショーもあちこちで開催され、本戦出場の決まっている女性たちは、そこでも妍を競う。
メインイベントの前哨戦とでもいうべき、このショーに〝セイ〟が登場しなかったことは、謎の美女を少しでも多く見たいと待ち構えていた観衆を大変がっかりさせた。
だが、そもそもランテルは今までこの祭りではショーを開いたこともなかったため準備不足。しかもランテルの美意識を体現する〝ラーヤ〟は、〝ランテルの舞姫〟プロジェクトにかかりきりで、とても手が回らない。
加えて、予選の連続、仮縫い、衣装合わせ、踊りの打ち合わせと馬車馬のように働かされたセイリュウがダメ出しをした。モデルがしたいわけじゃないので、そこまでは付き合いきれないし、最初の〝躰の不調〟設定を考えれば、今でも限界まで無理している、で言い訳も立つし……っと。
そういうわけで、今までに類を見ない祭りに全く姿を現さない〝謎の舞姫〟は、更に謎が謎を呼び、期待値だけが高まる結果になった。
そして、1週間の〝ヌノビキ大社〟の儀式と、お祭りムードに溢れた1週間が始まり、いよいよ今日は満月の日。
この日に合わせ、いつもランテルの街を鮮やかに彩っている沢山の旗は、全て新しいものに取り替えられるという。
空は青く澄み渡り雲ひとつない快晴。真っさらな旗たちも競い合うように美しく翻っていた。
今日は、ヌノビキの祭りの最終日、〝ヌノビキヒメ〟が決まる日だ。
この祭りでは、あくまで着ている着物や着こなしの審査がメインだが、もちろんそれを最高に素晴らしく見えるよう身に付ける、国中から選りすぐられた美女たちにも注目が集まるのは当然だ。本戦の審査とは別に、毎年勝手にミスコンのようなランキングをつけて楽しんでいる人たちもいて、そちらもかなりの盛り上がりだそうだ。
特に今年は〝ランテル参戦〟という大きなニュースがあったため、関心度が更に高まっており、予選から会場は常に満員。今日の本戦の観覧チケットは更に競争率が高く、ほとんどの人は手に入れられなかったそうだ。それでも観覧を諦めきれない人たちが少しでも見られないかと、会場を十重二十重に囲むような状態で、会場周辺は人で溢れかえっている。
本戦の開始時間が近づくにつれ、会場周辺は本当にハーラー中の人が集まったかのような密度で、私のような子供がウロウロしていたら潰されてしまいかねない雰囲気だったため、メインエントランスからの入場を諦めた。
(面白そうな屋台もたくさん出ているし、楽しそうだったのになぁ……残念!)
今回、私の代役を引き受けてしまったために、幸か不幸か八面六臂の大活躍になっている魔法使い〝セイ〟と違い、私は対外的には関係者登録もされていない部外者という立ち位置なのだが、ラーヤさんが気を使ってくれ、セイリュウたちと一緒に関係者入り口からコッソリ会場へ入れてもらった。
チケットも関係者割り当てだという、一番いい桟敷席のチケットをラーヤさんから頂いた。
「今日は大変な1日ですが、是非この瞬間だけは、本戦の舞を楽しんで下さいね」
やっぱり〝見立て〟の達人であるラーヤさんには、詳しいあれこれは何も伝えてはいなくとも、色々バレているようで、なんだか盛大に労われている気がする。
(まぁ、いい席に座れてよかった。落ち着いて見られそうだし、一生懸命応援しよっと!)
〝ヌノビキの祭〟の開催期間は2週間。
最初の週は〝見本市〟がメインとなり、国中から集まった布関係の店が、自慢の商品をあちこちで紹介するイベントが行われる。もちろん、趣向を凝らしたファッション・ショーもあちこちで開催され、本戦出場の決まっている女性たちは、そこでも妍を競う。
メインイベントの前哨戦とでもいうべき、このショーに〝セイ〟が登場しなかったことは、謎の美女を少しでも多く見たいと待ち構えていた観衆を大変がっかりさせた。
だが、そもそもランテルは今までこの祭りではショーを開いたこともなかったため準備不足。しかもランテルの美意識を体現する〝ラーヤ〟は、〝ランテルの舞姫〟プロジェクトにかかりきりで、とても手が回らない。
加えて、予選の連続、仮縫い、衣装合わせ、踊りの打ち合わせと馬車馬のように働かされたセイリュウがダメ出しをした。モデルがしたいわけじゃないので、そこまでは付き合いきれないし、最初の〝躰の不調〟設定を考えれば、今でも限界まで無理している、で言い訳も立つし……っと。
そういうわけで、今までに類を見ない祭りに全く姿を現さない〝謎の舞姫〟は、更に謎が謎を呼び、期待値だけが高まる結果になった。
そして、1週間の〝ヌノビキ大社〟の儀式と、お祭りムードに溢れた1週間が始まり、いよいよ今日は満月の日。
この日に合わせ、いつもランテルの街を鮮やかに彩っている沢山の旗は、全て新しいものに取り替えられるという。
空は青く澄み渡り雲ひとつない快晴。真っさらな旗たちも競い合うように美しく翻っていた。
今日は、ヌノビキの祭りの最終日、〝ヌノビキヒメ〟が決まる日だ。
この祭りでは、あくまで着ている着物や着こなしの審査がメインだが、もちろんそれを最高に素晴らしく見えるよう身に付ける、国中から選りすぐられた美女たちにも注目が集まるのは当然だ。本戦の審査とは別に、毎年勝手にミスコンのようなランキングをつけて楽しんでいる人たちもいて、そちらもかなりの盛り上がりだそうだ。
特に今年は〝ランテル参戦〟という大きなニュースがあったため、関心度が更に高まっており、予選から会場は常に満員。今日の本戦の観覧チケットは更に競争率が高く、ほとんどの人は手に入れられなかったそうだ。それでも観覧を諦めきれない人たちが少しでも見られないかと、会場を十重二十重に囲むような状態で、会場周辺は人で溢れかえっている。
本戦の開始時間が近づくにつれ、会場周辺は本当にハーラー中の人が集まったかのような密度で、私のような子供がウロウロしていたら潰されてしまいかねない雰囲気だったため、メインエントランスからの入場を諦めた。
(面白そうな屋台もたくさん出ているし、楽しそうだったのになぁ……残念!)
今回、私の代役を引き受けてしまったために、幸か不幸か八面六臂の大活躍になっている魔法使い〝セイ〟と違い、私は対外的には関係者登録もされていない部外者という立ち位置なのだが、ラーヤさんが気を使ってくれ、セイリュウたちと一緒に関係者入り口からコッソリ会場へ入れてもらった。
チケットも関係者割り当てだという、一番いい桟敷席のチケットをラーヤさんから頂いた。
「今日は大変な1日ですが、是非この瞬間だけは、本戦の舞を楽しんで下さいね」
やっぱり〝見立て〟の達人であるラーヤさんには、詳しいあれこれは何も伝えてはいなくとも、色々バレているようで、なんだか盛大に労われている気がする。
(まぁ、いい席に座れてよかった。落ち着いて見られそうだし、一生懸命応援しよっと!)
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