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2 海の国の聖人候補
260 準備は怠りなきように
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260
「それじゃタイチ。まず、私の案内人として専属契約をしましょう。契約料として500ポル前払いします。
それに、ご挨拶の品を持っていきたいから、港の皆さんに必要な品物をこれで買ってきて頂戴」
私は更に1000ポルをタイチに渡す。
「こ、こんなに頂けません!!俺が港で1日働いても1ポルと少しなんです!これは、いくらなんでも多すぎます、メイロードさま!」
慌てて返そうとするタイチに苦笑しながら私は諭す。
「タイチへのお金は1日分でもないし、日当でもないわ〝専属料〟なの。
これから貴方には私の指示に従って、しばらくの間一生懸命働いてもらうことになる。
すごく大変なことを頼むことになるかもしれない。
その大切な仕事をずっとしてもらうために支払うお金なのよ。だから、遠慮は無用!堂々と貰って頂戴。
ご挨拶品の方は、とにかく現状皆さんに必要なものを持っていきたいの。よろしくね」
ボロ泣きのタイチは、何度も頷きながらお金を握りしめた。
「なんでもします!一生でもお仕え致します!これだけのお金があったら、貧しい子供達にも食事がさせられます。ありがとう、ありがとうございます」
だいぶ背の高いタイチが小さな私の前でボロ泣きしている図は、なんだかちょっと滑稽だが、彼にとっては〝希望の涙〟なのだろうし、悲しい涙でないなら、むしろさっぱりしていいのかもしれない。
私はタイチにハンカチを渡し、落ち着くまで少しの間、買っていきたい土産のことや必要とされる物資について話した。
落ち着いたタイチに、私は手持ちの軽トラサイズの容量のマジックバッグを持たせ、物資の買い出しと、船のチャーターを頼んだ。
「マジックバッグは、この国では帝国とは比べ物にならない貴重品らしいから、見つからないよう気をつけて使ってね。この家にも小さな台車があったから、それと併用するといいわ。
個人で買うには多すぎる量だから、疑われたらマリス商会のお使いだと言ってね。商人ギルドにはちゃんと登録済みだから、どんな量でも必ず売ってくれるはずよ」
「はい、任せて下さい!しっかり値切って買えるだけ買ってきます!」
「頼もしいわ。お願いね」
涙を拭いて、真剣な顔になったタイチは、早速台車を引いて市場へと向かって行った。
〔セーヤ、ソーヤ 。そちらの様子はどう?〕
〔タイチの言葉は概ね正しいようございます。小さな領地ですので焦げ付いた借り入れ額も微々たるものでした。
ですが、原因になった急激な不漁に今後の回復見通しがありませんから、資金の貸し手はどこも手を引いてしまい、自転車操業すら出来ずに破綻に至ったようです。税金の支払いの見込みが立たないことも、かなり国の心証が悪いようでした〕
〔メイロードさま、ご依頼のヤツ見つけましたけど、アレは使い物にはならないと思いますよ。どうします?〕
〔そちらは現地へ行って諸々確認してからの状況次第かな……今は場所が分かれば充分なので、戻ってね。ありがとう、2人とも〕
〔了解です〕
〔了解です〕
相変わらず、2人の調査力半端なし。必要な情報は半日でほぼ揃ってしまった。
どうやら領主側の緊急に解決すべき問題は、短期的な資金のショートのようだ。
帳簿で確認は必要だが、亡くなった領主は有能で実直な方だったそうだし、大きな借財はないと見ていいだろう。
ならば、今のうちに手が打てれば、まだバンダッタにはチャンスがある。
……となると、頂いた時には迷惑としか思わず〝過保護〟と笑ってしまったおじさまたちのご威光を、早速使うことになるだろう。私が表に出ないように全てを進めるには、コレを使うしかない。
(みなさんのお心遣い、ありがたく使わせて頂きます!)
私は商業ギルド発行の身分証明カードを押し頂き、早速マホロ商業ギルドのタスカ幹事にアポイントを取るため《伝令》を放った。
《伝令》は30分も経たないで戻ってきて、
(いつでも時間はお作り致します。早い方がよろしいのでしたら、1時間後で如何でしょう?)
とのことだったので、お礼と了解の《伝令》を返した。
交渉がまとまれば、午後には船で出発する。
港町の再生が、私にできるのか、それは行ってみなければ分からないが、できる準備はした。
(タイチ、頑張ろうね!)
「それじゃタイチ。まず、私の案内人として専属契約をしましょう。契約料として500ポル前払いします。
それに、ご挨拶の品を持っていきたいから、港の皆さんに必要な品物をこれで買ってきて頂戴」
私は更に1000ポルをタイチに渡す。
「こ、こんなに頂けません!!俺が港で1日働いても1ポルと少しなんです!これは、いくらなんでも多すぎます、メイロードさま!」
慌てて返そうとするタイチに苦笑しながら私は諭す。
「タイチへのお金は1日分でもないし、日当でもないわ〝専属料〟なの。
これから貴方には私の指示に従って、しばらくの間一生懸命働いてもらうことになる。
すごく大変なことを頼むことになるかもしれない。
その大切な仕事をずっとしてもらうために支払うお金なのよ。だから、遠慮は無用!堂々と貰って頂戴。
ご挨拶品の方は、とにかく現状皆さんに必要なものを持っていきたいの。よろしくね」
ボロ泣きのタイチは、何度も頷きながらお金を握りしめた。
「なんでもします!一生でもお仕え致します!これだけのお金があったら、貧しい子供達にも食事がさせられます。ありがとう、ありがとうございます」
だいぶ背の高いタイチが小さな私の前でボロ泣きしている図は、なんだかちょっと滑稽だが、彼にとっては〝希望の涙〟なのだろうし、悲しい涙でないなら、むしろさっぱりしていいのかもしれない。
私はタイチにハンカチを渡し、落ち着くまで少しの間、買っていきたい土産のことや必要とされる物資について話した。
落ち着いたタイチに、私は手持ちの軽トラサイズの容量のマジックバッグを持たせ、物資の買い出しと、船のチャーターを頼んだ。
「マジックバッグは、この国では帝国とは比べ物にならない貴重品らしいから、見つからないよう気をつけて使ってね。この家にも小さな台車があったから、それと併用するといいわ。
個人で買うには多すぎる量だから、疑われたらマリス商会のお使いだと言ってね。商人ギルドにはちゃんと登録済みだから、どんな量でも必ず売ってくれるはずよ」
「はい、任せて下さい!しっかり値切って買えるだけ買ってきます!」
「頼もしいわ。お願いね」
涙を拭いて、真剣な顔になったタイチは、早速台車を引いて市場へと向かって行った。
〔セーヤ、ソーヤ 。そちらの様子はどう?〕
〔タイチの言葉は概ね正しいようございます。小さな領地ですので焦げ付いた借り入れ額も微々たるものでした。
ですが、原因になった急激な不漁に今後の回復見通しがありませんから、資金の貸し手はどこも手を引いてしまい、自転車操業すら出来ずに破綻に至ったようです。税金の支払いの見込みが立たないことも、かなり国の心証が悪いようでした〕
〔メイロードさま、ご依頼のヤツ見つけましたけど、アレは使い物にはならないと思いますよ。どうします?〕
〔そちらは現地へ行って諸々確認してからの状況次第かな……今は場所が分かれば充分なので、戻ってね。ありがとう、2人とも〕
〔了解です〕
〔了解です〕
相変わらず、2人の調査力半端なし。必要な情報は半日でほぼ揃ってしまった。
どうやら領主側の緊急に解決すべき問題は、短期的な資金のショートのようだ。
帳簿で確認は必要だが、亡くなった領主は有能で実直な方だったそうだし、大きな借財はないと見ていいだろう。
ならば、今のうちに手が打てれば、まだバンダッタにはチャンスがある。
……となると、頂いた時には迷惑としか思わず〝過保護〟と笑ってしまったおじさまたちのご威光を、早速使うことになるだろう。私が表に出ないように全てを進めるには、コレを使うしかない。
(みなさんのお心遣い、ありがたく使わせて頂きます!)
私は商業ギルド発行の身分証明カードを押し頂き、早速マホロ商業ギルドのタスカ幹事にアポイントを取るため《伝令》を放った。
《伝令》は30分も経たないで戻ってきて、
(いつでも時間はお作り致します。早い方がよろしいのでしたら、1時間後で如何でしょう?)
とのことだったので、お礼と了解の《伝令》を返した。
交渉がまとまれば、午後には船で出発する。
港町の再生が、私にできるのか、それは行ってみなければ分からないが、できる準備はした。
(タイチ、頑張ろうね!)
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