36 / 48
番外編01エルシーと猫
しおりを挟む
ライナスと思いが通じ合って、あれから数日が経った。契約ではなく、本当の婚約者になると決まったものの、未だエルシーは、候補の肩書きのまま。
なぜなら、教育課程を全て終え、最後の試験に合格しなければ、正式な婚約者として認められないからだ。
その試験を一月後に控えたエルシーは、今日も今日とて資料室にこもっていた。
ライナスからは、もうこれ以上の努力は必要ないと言われているものの、自分が納得するまで対策をしたい。そう思っていたのに。
これは反則だろうと、エルシーは膝の上にいる猫に目を向けた。
「君はどこからきたの……?」
猫はエルシーの質問に鳴き声で答え、丸くなる。すっかり膝の上がお気に入りになってしまったのか、退くつもりはないらしい。
「まあ、一日くらい、こんな日があってもいいかな……」
エルシーは机の上の勉強道具を片付けて、猫の首や体を優しく撫でる。
猫は目を細めて喉を鳴らし、エルシーの膝の上で器用に腹を見せた。
「すごく人慣れしてるのね、君」
求められるまま、しばらく腹を撫でていると、足音が聞こえる。顔を上げれば、ライナスが怪訝そうな顔をしていた。
「エルシー、その猫はどうしたんです?」
「急に入ってきたんです。迷子かもしれません」
エルシーの膝の上で気持ちよさそうにしていた猫が起き上がってライナスを見る。とうとう降りるのかと思ったが、猫はまたエルシーの膝の上で丸くなった。
「あら。ほんとに気に入ってるのね」
猫に懐かれて悪い気はしないエルシーは、小さく微笑みながら、体を撫でる。
それを見下ろしながら、ライナスはエルシーに気づかれないよう、猫に物言いたげな視線を送った。
猫はそれに気づいてまた鳴き声を上げる。
「なんだかこの子とっても可愛いですね。飼い主が見つからなかったら、屋敷に連れて帰ってもいいかしら……」
「飼い主が探しているかもしれませんよ。連れ帰るのはお勧めしません」
そう言いながら、ライナスはエルシーの隣へと腰掛ける。
「勉強は大丈夫ですか?」
「こんな調子では集中できないので、今日は諦めました」
「なるほど」
ライナスが来た時は話をしながらでも勉強の手を止めないのに、猫には負けたらしい。
ライナスはやはり面白くない気持ちになって、すぐに動物相手に何を拗ねているんだと思い直した。
「わっ……」
隣で急にエルシーが驚いた声を上げる。視線を向けると、猫がエルシーの肩に乗っていた。
「器用だねぇ、君は……」
「やけに人慣れした猫ですね……」
「……そうなんですよ。あは、くすぐったい」
猫が顔を近づけて、エルシーの頬や口元を舐める。エルシーは猫を落とさないように、くすぐったいのを我慢して肩にいる猫に手を添えた。
やはり前言撤回だとライナスの笑顔にヒビが入る。猫と戯れるエルシーもとても可愛いのだが、動物といえど、エルシーの唇にキスをするのは許せない。
ライナスだって、まだ額止まりなのだ。猫に目の前で先を越されるなんて、見過ごせなかった。
実は、婚約者候補期間中は、何か間違いがあってはいけないということで、二人きりになることはできない。
今だって、資料室にいる使用人が仕事をするふりをしながら、目を光らせている。
エルシーはそれを分かっているから、ライナスが今までうまくいい雰囲気をつくっても、恥ずかしさから理由をつくって逃げてしまっていた。
ライナスが本気を出せば、別にそんな退路などなくすこともできるが、エルシーの嫌がることはなるべくしないようにしようと、これまでずっと手加減してきたのだ。
ライナスは立ち上がり、エルシーの肩に乗る猫を持ち上げる。みょーんと伸びた猫がライナスを見つめて、また鳴いた。
と思ったら、素早い身のこなしでライナスの手から逃れ、床に降りて、そのまま歩き去って行く。
「行っちゃった……」
残念そうに呟くエルシーを見下ろすと、彼女はきょとんとした顔でライナスを見上げ、首を傾げた。
「殿下、何か怒ってませんか?」
「うーん、怒ってはいないよ」
言葉と共に、先ほどまで猫が舐めていたエルシーの頬に左手を伸ばす。添えた親指で、その柔らかな肌を撫でた。
エルシーはふるりと一瞬身を震わせ、ライナスから視線を逸らす。それに微笑みながら、身を少し屈め、手を添えた逆側の耳に囁いた。
「……エルシーに口付けたいと思ってしまいました」
エルシーの耳がみるみる内に赤くなる。心臓がうるさいくらいに音を立てているのがわかった。
ライナスは頬を撫でていた手を輪郭をなぞるように下におろし、顎に添える。そして、耳元から顔を離し、真っ直ぐエルシーを見つめた。
エルシーは、口元に自分の左手を当ててライナスを見上げる。瞳がだいぶ潤んでいるが、これ以上はさせないという意思が瞳に表れていた。
エルシーだってしたくないわけではないし、憧れもある。けれど、そういうことは本当に婚約者になってからがいい。
「あと一ヶ月……お待ちください……」
その弱々しい声に、ライナスは、自分を落ち着かせるように息を吐き出して、手を離した。
「仕方ないですね……。他でもないあなたのお願いですから、素直に聞き入れましょう」
一月後の試験に合格した暁には、晴れて候補は外れて、正真正銘の婚約者となる。そうなれば、いつ二人きりになっても問題はない。
それまで私が我慢すればいい話だとライナスは、艶めいた空気を払うように、またエルシーの隣に腰掛けた。
「殿下、あの、お渡ししたいものがあるんです」
急にエルシーが、ライナスの目の前にラッピングされた小さな包みを差し出した。ライナスは、ぱちくりと瞬きを一度する。
「プレゼントですか?」
「……プレゼントというか、なんというか」
今、差し出している包みの中身は、以前渡しそびれた青い花の刺繍をしたハンカチだった。
契約が終わる時にささやかすぎるお礼として渡そうと思っていたものだ。
けれど、エルシーが予測しなかった事態になり、それから渡すタイミングがなかなか見つからず、せっかくなのでラッピングまで済ませてしまった。
それを、ライナスがエルシーの願いのとおりに待ってくれた今、渡すべきだと思ったのだ。
「期待はしないでくださいね。大したものではないので……あの、開けてみてください」
「ありがとう」
ライナスは笑顔で包みを受け取り、丁寧にラッピングを開ける。
「これは……エルシーが刺したのかな?」
「いただいたイヤリングの青い花を模して刺したんです。その青い花は信じ合うという花言葉があるみたいで」
「とても上手だ」
「……ありがとうございます。殿下、私、絶対に一月後の試験、合格してみせます。だから――」
「もちろん、エルシーのことを信じて待っていますよ。これ、大切にしますね」
エルシーの言いたいことを理解したライナスは微笑み、エルシーを自分の腕の中に閉じ込めた。
なぜなら、教育課程を全て終え、最後の試験に合格しなければ、正式な婚約者として認められないからだ。
その試験を一月後に控えたエルシーは、今日も今日とて資料室にこもっていた。
ライナスからは、もうこれ以上の努力は必要ないと言われているものの、自分が納得するまで対策をしたい。そう思っていたのに。
これは反則だろうと、エルシーは膝の上にいる猫に目を向けた。
「君はどこからきたの……?」
猫はエルシーの質問に鳴き声で答え、丸くなる。すっかり膝の上がお気に入りになってしまったのか、退くつもりはないらしい。
「まあ、一日くらい、こんな日があってもいいかな……」
エルシーは机の上の勉強道具を片付けて、猫の首や体を優しく撫でる。
猫は目を細めて喉を鳴らし、エルシーの膝の上で器用に腹を見せた。
「すごく人慣れしてるのね、君」
求められるまま、しばらく腹を撫でていると、足音が聞こえる。顔を上げれば、ライナスが怪訝そうな顔をしていた。
「エルシー、その猫はどうしたんです?」
「急に入ってきたんです。迷子かもしれません」
エルシーの膝の上で気持ちよさそうにしていた猫が起き上がってライナスを見る。とうとう降りるのかと思ったが、猫はまたエルシーの膝の上で丸くなった。
「あら。ほんとに気に入ってるのね」
猫に懐かれて悪い気はしないエルシーは、小さく微笑みながら、体を撫でる。
それを見下ろしながら、ライナスはエルシーに気づかれないよう、猫に物言いたげな視線を送った。
猫はそれに気づいてまた鳴き声を上げる。
「なんだかこの子とっても可愛いですね。飼い主が見つからなかったら、屋敷に連れて帰ってもいいかしら……」
「飼い主が探しているかもしれませんよ。連れ帰るのはお勧めしません」
そう言いながら、ライナスはエルシーの隣へと腰掛ける。
「勉強は大丈夫ですか?」
「こんな調子では集中できないので、今日は諦めました」
「なるほど」
ライナスが来た時は話をしながらでも勉強の手を止めないのに、猫には負けたらしい。
ライナスはやはり面白くない気持ちになって、すぐに動物相手に何を拗ねているんだと思い直した。
「わっ……」
隣で急にエルシーが驚いた声を上げる。視線を向けると、猫がエルシーの肩に乗っていた。
「器用だねぇ、君は……」
「やけに人慣れした猫ですね……」
「……そうなんですよ。あは、くすぐったい」
猫が顔を近づけて、エルシーの頬や口元を舐める。エルシーは猫を落とさないように、くすぐったいのを我慢して肩にいる猫に手を添えた。
やはり前言撤回だとライナスの笑顔にヒビが入る。猫と戯れるエルシーもとても可愛いのだが、動物といえど、エルシーの唇にキスをするのは許せない。
ライナスだって、まだ額止まりなのだ。猫に目の前で先を越されるなんて、見過ごせなかった。
実は、婚約者候補期間中は、何か間違いがあってはいけないということで、二人きりになることはできない。
今だって、資料室にいる使用人が仕事をするふりをしながら、目を光らせている。
エルシーはそれを分かっているから、ライナスが今までうまくいい雰囲気をつくっても、恥ずかしさから理由をつくって逃げてしまっていた。
ライナスが本気を出せば、別にそんな退路などなくすこともできるが、エルシーの嫌がることはなるべくしないようにしようと、これまでずっと手加減してきたのだ。
ライナスは立ち上がり、エルシーの肩に乗る猫を持ち上げる。みょーんと伸びた猫がライナスを見つめて、また鳴いた。
と思ったら、素早い身のこなしでライナスの手から逃れ、床に降りて、そのまま歩き去って行く。
「行っちゃった……」
残念そうに呟くエルシーを見下ろすと、彼女はきょとんとした顔でライナスを見上げ、首を傾げた。
「殿下、何か怒ってませんか?」
「うーん、怒ってはいないよ」
言葉と共に、先ほどまで猫が舐めていたエルシーの頬に左手を伸ばす。添えた親指で、その柔らかな肌を撫でた。
エルシーはふるりと一瞬身を震わせ、ライナスから視線を逸らす。それに微笑みながら、身を少し屈め、手を添えた逆側の耳に囁いた。
「……エルシーに口付けたいと思ってしまいました」
エルシーの耳がみるみる内に赤くなる。心臓がうるさいくらいに音を立てているのがわかった。
ライナスは頬を撫でていた手を輪郭をなぞるように下におろし、顎に添える。そして、耳元から顔を離し、真っ直ぐエルシーを見つめた。
エルシーは、口元に自分の左手を当ててライナスを見上げる。瞳がだいぶ潤んでいるが、これ以上はさせないという意思が瞳に表れていた。
エルシーだってしたくないわけではないし、憧れもある。けれど、そういうことは本当に婚約者になってからがいい。
「あと一ヶ月……お待ちください……」
その弱々しい声に、ライナスは、自分を落ち着かせるように息を吐き出して、手を離した。
「仕方ないですね……。他でもないあなたのお願いですから、素直に聞き入れましょう」
一月後の試験に合格した暁には、晴れて候補は外れて、正真正銘の婚約者となる。そうなれば、いつ二人きりになっても問題はない。
それまで私が我慢すればいい話だとライナスは、艶めいた空気を払うように、またエルシーの隣に腰掛けた。
「殿下、あの、お渡ししたいものがあるんです」
急にエルシーが、ライナスの目の前にラッピングされた小さな包みを差し出した。ライナスは、ぱちくりと瞬きを一度する。
「プレゼントですか?」
「……プレゼントというか、なんというか」
今、差し出している包みの中身は、以前渡しそびれた青い花の刺繍をしたハンカチだった。
契約が終わる時にささやかすぎるお礼として渡そうと思っていたものだ。
けれど、エルシーが予測しなかった事態になり、それから渡すタイミングがなかなか見つからず、せっかくなのでラッピングまで済ませてしまった。
それを、ライナスがエルシーの願いのとおりに待ってくれた今、渡すべきだと思ったのだ。
「期待はしないでくださいね。大したものではないので……あの、開けてみてください」
「ありがとう」
ライナスは笑顔で包みを受け取り、丁寧にラッピングを開ける。
「これは……エルシーが刺したのかな?」
「いただいたイヤリングの青い花を模して刺したんです。その青い花は信じ合うという花言葉があるみたいで」
「とても上手だ」
「……ありがとうございます。殿下、私、絶対に一月後の試験、合格してみせます。だから――」
「もちろん、エルシーのことを信じて待っていますよ。これ、大切にしますね」
エルシーの言いたいことを理解したライナスは微笑み、エルシーを自分の腕の中に閉じ込めた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
あなたが望んだ、ただそれだけ
cyaru
恋愛
いつものように王城に妃教育に行ったカーメリアは王太子が侯爵令嬢と茶会をしているのを目にする。日に日に大きくなる次の教育が始まらない事に対する焦り。
国王夫妻に呼ばれ両親と共に登城すると婚約の解消を言い渡される。
カーメリアの両親はそれまでの所業が腹に据えかねていた事もあり、領地も売り払い夫人の実家のある隣国へ移住を決めた。
王太子イデオットの悪意なき本音はカーメリアの心を粉々に打ち砕いてしまった。
失意から寝込みがちになったカーメリアに追い打ちをかけるように見舞いに来た王太子イデオットとエンヴィー侯爵令嬢は更に悪意のない本音をカーメリアに浴びせた。
公爵はイデオットの態度に激昂し、処刑を覚悟で2人を叩きだしてしまった。
逃げるように移り住んだリアーノ国で静かに静養をしていたが、そこに1人の男性が現れた。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※胸糞展開ありますが、クールダウンお願いします。
心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。イラっとしたら現実に戻ってください。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる