111 / 147
陽動編
ある種の洗脳?
しおりを挟むプチイベントなんて言葉も状況もおれは知らなかった、ステータス画面で使うアイテムの事も
クソ妹が見せてきたのは基本、スチルがでているパートだけ…『見て!早く!お兄ちゃん!』って言って無理矢理見せられたのは全て物語が進む場面だけだ
その場面に移るまで聖女がどうやって好感度を上げていたかなんて…分かるわけが無い、シーンの会話の中に現れる選択肢で好感度アップって表記が出ていた事くらいしか知らない…
少しの怪我を治癒されて好感度アップ?ステータス欄のアイテムで好感度アップ?
なんだよそれ…そんなのって聖女を知ることで惹かれて好きになるんじゃなくて、強制的に好きを植えつけられてる見たいじゃないか…
でも、臭い香水以上に思い当たる節があるから怖い
ヘルリの人狼化魔法が暴走した時…聖女が図書館でヘルリに接触した瞬間ってもしかしてって…
あの場面、本来、常日頃からゲーム内で悪役令嬢シャルティがヘルリを言う事を聞け、役立たずって鞭打ちしている状況があった上での隷属の首輪を外す展開だ
人狼化したヘルリを怖がらず、怯えずに触れ合う聖女は怪我をしているヘルリをそのままにはしない、ちゃんと見てたわけじゃないし、スチルではわからなかったがあの抱き締め合う瞬間も癒しの力を施してたんじゃ無いかって
あの日、聖女に触れられチョーカーを壊されたヘルリは温かくおぞましい優しい力が身体に入ってきたって言ってた…それが聖光魔法…癒しの力だとしたら
それは救いでも恋愛でもなくある種の洗脳なんじゃないか?
「あ、ルディヴィスさん…その好感度あげるやつ洗脳とかとは違うみたいですよ!一種の救済措置ではあるんですけど…
あの乙女ゲーム自分で最初からやらないと難易度設定とかあるのも分からないと思うんですが
今話したのは難易度イージー、時間がなくてサクサク攻略してプレイしたい人向けの話です
ハードになると、攻略対象との会話で選択肢ミスったらやばいくらいの難易度です
いや、うーん…イージーは確かに洗脳って言われれば洗脳みたいですよね…なんかあの癒やしの力で好きになるみたいな感じします…
ヘルリさん…あの乙女ゲームとは似ても似つかないくらい変化してますけど何かあったんですね?」
おれの思ってること、全部口に出ていたみたいでルイ王子が補足説明までしてくれた
そしてヘルリの方を見て問いかける
「ありました…あの日、何も救われなくていい程すでに幸せなのに、急に知らない女が居たと思ったら助けてあげるって…そんな事を言われて、大切なチョーカーに触れられた時が…
その時自分は、よくわからない温かい気味の悪い力が流れ込んできて…人狼化を制御できず暴走してしまったんです…
そんな自分を止めてくれたのも、救ってくれているのも聖女では無くルディヴィス様です」
「おおお……それは…なんとも言えない状況ですね…
でも、そこで暴走したのを止めたのがルディヴィスさん………いい!主従ですよね!?お二人!主従もいい!!好き!
…………んんんっ、失礼………まぁ僕自身、この世界に転生して本気で逃げまくってたので、ふわふわキラキラな顔面の聖女っていうくらいしか知らないし…その話でここがイージーな世界なのかどうなのか、洗脳に部類されちゃうのかどうか…証明のしようがないのですね…」
少し俯くようにヘルリが図書館であった事を答える
気味の悪い力って表現されるのが聖女の使う素晴らしい聖光魔法の力なのだろうか?って不安そうに…
けどルイ王子も、異世界あるあるステータスオープンとか出来るわけでもないし、イージーモードかわからない…聖女が異世界転生者なのかあやふやな状況で決めつけていくのは良くないかもしれないと話してくれた
主従が好きとかはよくわからなかったが…
それからも色々な事を教えてもらう
もしかしたら重要になるであろう、あの乙女ゲームのイージーモードでの好感度上昇の仕組みについては詳しく
結論から言えば、聖女の力で治癒を受けると好感度のパラメーターがランダムに上がる、それがイージーモードにはあったと言う
救済措置らしく上がり幅はそこそこ大きい物が…
どうしてそれが分かるか、それは乙女ゲームの画面から「好感度UP」って表記で出るからだ、けど現実世界でそんなの出るわけが無い
しかし、ラッジ先生や1年生の後輩が言うように聖女の力で救われた家族がいる、その奇跡を見ている、更には少しの怪我でも優しく癒してくれる…
それで信仰している可能性も無いわけでは無いが、異常好感を持つのは怪しい…
でもゲームでは一応攻略対象だけに反映していた救済措置…
関係はあるようだけど、決めつけは良くないからもう少し詳しく調べてみようと言う事になった
他にも学園に留学以外に感じた強制力はあったのか?とか、遠目で見て感じたヒロインである聖女についてとか…おれが知らないシナリオ分岐、イベントの数々等など色々聞けることを聞く
三人目の転生者って何!?どうしようとか思ってたけど自分以外にあの乙女ゲームを知ってて話せる相手がいるって心強いと思う
2,132
お気に入りに追加
6,644
あなたにおすすめの小説
妹を侮辱した馬鹿の兄を嫁に貰います
ひづき
BL
妹のべルティシアが馬鹿王子ラグナルに婚約破棄を言い渡された。
フェルベードが怒りを露わにすると、馬鹿王子の兄アンセルが命を持って償うと言う。
「よし。お前が俺に嫁げ」
息の仕方を教えてよ。
15
BL
コポコポ、コポコポ。
海の中から空を見上げる。
ああ、やっと終わるんだと思っていた。
人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。
そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。
いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚?
そんなことを沈みながら考えていた。
そしてそのまま目を閉じる。
次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。
話自体は書き終えています。
12日まで一日一話短いですが更新されます。
ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
彼の至宝
まめ
BL
十五歳の誕生日を迎えた主人公が、突如として思い出した前世の記憶を、本当にこれって前世なの、どうなのとあれこれ悩みながら、自分の中で色々と折り合いをつけ、それぞれの幸せを見つける話。
弟は僕の名前を知らないらしい。
いちの瀬
BL
ずっと、居ないものとして扱われてきた。
父にも、母にも、弟にさえも。
そう思っていたけど、まず弟は僕の存在を知らなかったみたいだ。
シリアスかと思いきやガチガチのただのほのぼの男子高校生の戯れです。
BLなのかもわからないような男子高校生のふざけあいが苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる