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学園編
閑話 私の秘密
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Side シャルティ
私はシャルティ.サングイス
この国の伯爵家で生まれ、母様の再婚で公爵令嬢となったごく普通の令嬢の一人
でも、私には秘密がある…誰にも言えない秘密
私は昔から時々、夢を見るの…その夢の中では私は私じゃない、姿かたちは一緒なのに、私じゃない誰かの夢…でも髪の色とか目の色とか…まるで鏡でみたような気持ちになる不思議な夢
昔は夢が怖かった…ほとんど覚えていない筈なのに、その夢が時々現実に思えてしまって…例えば母様の弟とその家族が私と母様を虐めたりすることとか…何故か夢と一緒な気がして、初めてに思えなくて怖かった
そう強く思うようになったのはあの日…本当の父様を失った日、その時に言われた言葉が怖かったの…だから私はこの秘密を誰にも言えない…
幼い頃病で亡くなった本当の父様…寝たきりになって話もろくにできなくなった頃、本当の父様は私を抱き締めてこう言ったわ…
『変えてあげることが出来なかった、私はやはりここまでだ…すまないシャルティ』
………………と
波を流しながら、私をやつれた腕で撫でながら…
何を変えたかったの?父様がここまでなのはどういう意味?どうして謝るの?
たくさん聞きたいことがあった…でも、もう父様は話せなくて、聞けなかった…
変えてあげれなかった事、それが時々見る夢の世界の事かもしれないと思い始めたのもその頃…
わずかに覚えてる夢で私は泣いている
わずかに覚えてる夢で私は心を殺している
わずかに覚えてる夢で私は拒絶されるの
誰かに話してしまうと父様のように他の誰かも消えてしまいそうで…だから私はこれを秘密にした
私だけの秘密、私だけの悪夢…
でも、そのほとんど覚えてない夢で、たぶん私を大嫌いだったお義兄様が、私を大好きだと受け入れてくれた時からその夢はほとんど見なくなった
公爵様に顔合わせだよと連れて行かれた日、ベッドに横になっていたお義兄様と初めてのあった
けど、時々見る夢のお義兄様とは違ってて…
ルディヴィスお義兄様が私を抱き締め、一緒に公爵家で暮らそうと言ってくれた日から…変わったの
夢の中の私じゃない私も救われた気がしたからなのかもしれない、
でも、この夢を口に出したらまた夢が近づいてきて…現実になりそうな気がして誰にも言えない…言ったらダメ
ねぇ、お義兄様…ほとんど見なくなったあの夢で、本当に時々見る夢で、私はたぶんレオンハルト殿下やマイズ様、ヘルリにイグニス様とそっくりな違う人に会ってるの
夢の世界の皆は私を嫌って恨んで悲しい顔をしていた気がする…ちゃんと見たわけじゃない、覚えてるわけじゃない、けど何故かそう思うわ…
そしてきっと夢のお義兄様も同じ顔をしていたはずなのに…現実のお義兄様はすごく優しい笑顔で私を受け入れ…守ってくれる…
夢が夢だと思うほど、皆…お義兄様に出会ってから見たこともないくらい幸せな顔をしていると思えるのは何故なのかしら
私を、シャルティを救ってくれていると感じてしまうのはどうして…?分からないけど、とても不思議な気持ちになるの
だから私はお義兄様が言う全てを疑わない
あんなにもお義兄様を愛しているレオンハルト殿下が他の誰かに恋をする…生涯の忠誠を捧げたヘルリが他の誰かを主とする…マイズ様もイグニス様も…
その可能性の話しと聖女様の話しをされた時、心の何処かで気付いたの、感じていたお義兄様の秘密に触れた気がしたわ
お義兄様も私と同じ…何か人に話せない秘密を持っている…けど、それは悪いことじゃない…皆を大切に思うから内緒にしているの
それがわかるから、素直に受け入れられる
来年、何が起こるのだろう…でも全て受け入れてみせるわ
お義兄様が不安に思う事には聖女様が深く関わっていそうなのはわかったから
レルム伯爵家…母様の実家、そして本当の父様の亡くなった場所…
変えてあげられなかった私の何かがあったあの家に聖女様は居る…それが何を意味するのかわからない
もしかしたらレルム伯爵が私や母様の事を悪く聖女様に吹き込むかもしれない…その可能性は十分考えられる
お義兄様はこの事も想定してきっと忠告をしてくれているのね…?
そして、私にそれを伝えてくれる時、お義兄様は涙を流していたわ…美しい少しくすんだ赤の瞳から溢れる悲しみよりも寂しさを感じる涙
大丈夫よお義兄様、みんな想像を超えるくらいお義兄様が大好きなの…知らないのは本人くらいだと思うわ
もしも聖女様に恋をしてみんないなくなったら私がお義兄様を独り占めして幸せにしてあげるの、幸せそうなお義兄様を見て恋しくなっても知らないんだから…って
未来は暗くないと信じられるのはお義兄様がいるから
そう言えば、もう一つ内緒にしてあること、もうすぐ種明かし出来るのが嬉しい、驚いた顔を見るのが楽しみ…
大好きなルディヴィスお義兄様、あなたの未来が幸福である事を、誰よりも義妹である私が祈っています
いつの日か、夢のが現実になる恐怖が消えた時、お義兄様の心が晴れた時…互いに秘密を打ち明けられる日が来たらいいな…と、そう願っているの
私はシャルティ.サングイス
この国の伯爵家で生まれ、母様の再婚で公爵令嬢となったごく普通の令嬢の一人
でも、私には秘密がある…誰にも言えない秘密
私は昔から時々、夢を見るの…その夢の中では私は私じゃない、姿かたちは一緒なのに、私じゃない誰かの夢…でも髪の色とか目の色とか…まるで鏡でみたような気持ちになる不思議な夢
昔は夢が怖かった…ほとんど覚えていない筈なのに、その夢が時々現実に思えてしまって…例えば母様の弟とその家族が私と母様を虐めたりすることとか…何故か夢と一緒な気がして、初めてに思えなくて怖かった
そう強く思うようになったのはあの日…本当の父様を失った日、その時に言われた言葉が怖かったの…だから私はこの秘密を誰にも言えない…
幼い頃病で亡くなった本当の父様…寝たきりになって話もろくにできなくなった頃、本当の父様は私を抱き締めてこう言ったわ…
『変えてあげることが出来なかった、私はやはりここまでだ…すまないシャルティ』
………………と
波を流しながら、私をやつれた腕で撫でながら…
何を変えたかったの?父様がここまでなのはどういう意味?どうして謝るの?
たくさん聞きたいことがあった…でも、もう父様は話せなくて、聞けなかった…
変えてあげれなかった事、それが時々見る夢の世界の事かもしれないと思い始めたのもその頃…
わずかに覚えてる夢で私は泣いている
わずかに覚えてる夢で私は心を殺している
わずかに覚えてる夢で私は拒絶されるの
誰かに話してしまうと父様のように他の誰かも消えてしまいそうで…だから私はこれを秘密にした
私だけの秘密、私だけの悪夢…
でも、そのほとんど覚えてない夢で、たぶん私を大嫌いだったお義兄様が、私を大好きだと受け入れてくれた時からその夢はほとんど見なくなった
公爵様に顔合わせだよと連れて行かれた日、ベッドに横になっていたお義兄様と初めてのあった
けど、時々見る夢のお義兄様とは違ってて…
ルディヴィスお義兄様が私を抱き締め、一緒に公爵家で暮らそうと言ってくれた日から…変わったの
夢の中の私じゃない私も救われた気がしたからなのかもしれない、
でも、この夢を口に出したらまた夢が近づいてきて…現実になりそうな気がして誰にも言えない…言ったらダメ
ねぇ、お義兄様…ほとんど見なくなったあの夢で、本当に時々見る夢で、私はたぶんレオンハルト殿下やマイズ様、ヘルリにイグニス様とそっくりな違う人に会ってるの
夢の世界の皆は私を嫌って恨んで悲しい顔をしていた気がする…ちゃんと見たわけじゃない、覚えてるわけじゃない、けど何故かそう思うわ…
そしてきっと夢のお義兄様も同じ顔をしていたはずなのに…現実のお義兄様はすごく優しい笑顔で私を受け入れ…守ってくれる…
夢が夢だと思うほど、皆…お義兄様に出会ってから見たこともないくらい幸せな顔をしていると思えるのは何故なのかしら
私を、シャルティを救ってくれていると感じてしまうのはどうして…?分からないけど、とても不思議な気持ちになるの
だから私はお義兄様が言う全てを疑わない
あんなにもお義兄様を愛しているレオンハルト殿下が他の誰かに恋をする…生涯の忠誠を捧げたヘルリが他の誰かを主とする…マイズ様もイグニス様も…
その可能性の話しと聖女様の話しをされた時、心の何処かで気付いたの、感じていたお義兄様の秘密に触れた気がしたわ
お義兄様も私と同じ…何か人に話せない秘密を持っている…けど、それは悪いことじゃない…皆を大切に思うから内緒にしているの
それがわかるから、素直に受け入れられる
来年、何が起こるのだろう…でも全て受け入れてみせるわ
お義兄様が不安に思う事には聖女様が深く関わっていそうなのはわかったから
レルム伯爵家…母様の実家、そして本当の父様の亡くなった場所…
変えてあげられなかった私の何かがあったあの家に聖女様は居る…それが何を意味するのかわからない
もしかしたらレルム伯爵が私や母様の事を悪く聖女様に吹き込むかもしれない…その可能性は十分考えられる
お義兄様はこの事も想定してきっと忠告をしてくれているのね…?
そして、私にそれを伝えてくれる時、お義兄様は涙を流していたわ…美しい少しくすんだ赤の瞳から溢れる悲しみよりも寂しさを感じる涙
大丈夫よお義兄様、みんな想像を超えるくらいお義兄様が大好きなの…知らないのは本人くらいだと思うわ
もしも聖女様に恋をしてみんないなくなったら私がお義兄様を独り占めして幸せにしてあげるの、幸せそうなお義兄様を見て恋しくなっても知らないんだから…って
未来は暗くないと信じられるのはお義兄様がいるから
そう言えば、もう一つ内緒にしてあること、もうすぐ種明かし出来るのが嬉しい、驚いた顔を見るのが楽しみ…
大好きなルディヴィスお義兄様、あなたの未来が幸福である事を、誰よりも義妹である私が祈っています
いつの日か、夢のが現実になる恐怖が消えた時、お義兄様の心が晴れた時…互いに秘密を打ち明けられる日が来たらいいな…と、そう願っているの
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