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幼少期編
魔力の遺伝と
しおりを挟む「魔力属性が判明しましたので、明日からはルディヴィス様の魔法教育を行うことが出来ます
いやはやサングイス公爵家からは火属性が多く生まれておりましたが…それに当てはまらない三つ、しかも副属性持ち…素晴らしい日に立ち会えました、ルディヴィス様の今後の活躍を期待しております」
ロドイ大司教様はとても優しい微笑みでおれを褒めてくれる…3つっていい感じなの?珍しい感じ?それはちょっと嬉しいけど、サングイス公爵家やっぱり火属性が多いって事実が少し引っかかった…
乙女ゲームの悪役令嬢は火属性だ…それも血濡れのと言われるほど真っ赤に辺りを染め上げ、生きているように火を操るとかそんな描写があったと思う
火属性が多く生まれるサングイス公爵家
火属性の父様…火属性の悪役令嬢…何故か違う属性だった悪役令嬢の兄…
ゾワリと嫌な予感がした…魔力属性は遺伝しやすい傾向にあるとしたら…?火属性からは火属性の子が生まれやすい事実があったら
悪役令嬢の兄であった乙女ゲームでのぼくは…父が不倫の末連れてきたと思い込んでいる義妹を受け入れることが出来ただろうか…
そして周囲はシャルティという存在をどう見たのか
この違和感は乙女ゲームで悪役令嬢を作り上げた要因の1つだと何故かそう思う
だがしかし、おれは自分が水と土とおまけってわかって正直嬉しい…この属性が汎用性の塊にしか感じないからだ
安心しろシャルティ、おれはお前が超優秀な火属性だとしてもめちゃめちゃ喜ぶよ!!!義兄妹でなんか出来そうじゃん?
あ、水と土…なんか作れそう…!ジャンクフード食べたいんだよ!おれがピザ釜作ってシャルティ着火しちゃう?出来そうじゃない?
そのくらい自分の魔力に満足しているんだ
「ルディヴィス、適性検査は緊張しただろう?素晴らしい副属性持ちで父様は鼻が高いよ
少し不安な顔もしてたから言っておくが、魔力は遺伝しやすいが確実では無いんだ
個人個人、全く違う事が前提、それが本来の魔力の性質…だから火属性で無くとも心配はいらない
お前はちゃんと私の優秀な息子だよ」
父様はやさしく笑ってぼくの頭を撫でてくれる…やっぱり父様いい人だよな…大丈夫、わかってるよ父様
今、ここにいるおれはシャルティを愛くしむシスコンに片足突っ込んだ義兄だから大丈夫だよ
「父様が驚くすごい魔法、ぼく、いっぱい勉強してたくさん覚えますね!」
笑顔でそう素直に答えられるくらいには、父様もペトラ母様もシャルティも…おれはみんなが大切で信頼してるんだ
………………………
………………
…………
おれの魔力属性が判明し、このまま公爵邸に帰る予定だったがそうはいかなかった
さすが父様、この国の宰相…とても忙しいお方だ
馬車に戻る途中、職場の同僚みたいな人に呼ばれてしまい、護衛におれを任せて少し離れると立ち去っていった
あれだな、お留守番ってやつだ
先に帰宅して父様に馬車の迎えを出してやってもありだとは思う、しかし教会って場所には中々来ない…観光して待ってても全然楽しい
本日の護衛はマイケルくん28歳独身…ちらりと見上げると微笑んでくれる…乙女ゲーム、モブまでもイケメンか
「父様が戻るまで教会の観………中を見学してもいい?」
「公爵様、お忙しいお立場の方ですからね…勿論ですルディヴィス様、俺が案内しますよ」
イケメンスマイルでおれの望みを叶えてくれるマイケルくん………絶対にモテるだろ?なんかそんな気がした
この国一番の教会、ここは礼拝堂もそうだがとても大きい…観光地って感じの外観から素晴らしい建物に内装も美しくスマホがあったら撮影しまくっていたと思うまるで海外の光景…
そこをゆっくり見て回るのは楽しい以外の何物でもない、マイケルくんは博識なのか色々知っていて、巨大な建物で移動距離もやばい事からおれを縦抱きにして運んでくれる…優しいな?
疲れることもなく観光できる素晴らしい体験をしている…大聖堂のある教会なのにちゃんと孤児院も併設していたのは驚いた…そういうのは地方に任せたり子供の声がどうのって校外にある事が多いと学んで居たから
楽しそうに遊ぶ子ども達…その中で小さい子がヘルリと同じ髪色をしていて、モフりたい…とちょっぴり家が恋しくなった
ヘルリの耳を撫でたくて、父様いつ仕事終わるだろうか…そんな事を考え始めてしまった頃、マイケルに抱っこされて移動するおれたちの耳に泣き声?の様な声が聞こえてきた
マイケルと顔を見合わせる…おれだけが聞こえている訳ではない様子…
「マイケル、とりあえず声のする方を確認してみよう?迷子かもしれない」
おれの言葉にマイケルも頷きそのまま移動してくれる、図書館のようなスペースの奥から聞こえる?すすり泣くような泣き声…それが段々と近くなる…
一度地面に下ろしてもらい何が泣いてるのかと若干隠れながらマイケルと一緒に進んだ先…
本棚が立ち並ぶ室内の一番奥、壁際にしゃがみ込み泣いている小さな存在…おれたちの足音に気づいたのか、こちらを振り向き目から涙を零した子…
そこには真っ白な髪に赤い瞳の色を持った、超絶かわいい美少女がおりました
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