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冷遇妻編
鼠と狼と磯野
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うさ耳メイドであるメアリーが最近、別邸がおかしいのだと俺に報告してくる
あの日、寂しいのが辛いと、庭で花を愛でたいと言った可愛い番に商人を呼んで園芸の許可を出し10日ほど過ぎた頃だろうか?
まさか人国の裏庭で花を愛でるという意味が開拓で畑を作り上げることだったのには驚いたが…
野菜や花を作り自分で料理して食べているのだと涙ながらにメアリーから教えてもらい心臓が痛くなった
実際に気配を消し姿を見に行くと、本当に楽しそうに土いじりをするリデンは可愛らしく、穴を掘ることや土いじりが実は好きな狼族の俺としてはとても嬉しくもなる光景だった
番として愛を育んだら将来的に子と穴掘りを一緒にしてくれるかもしれない…
例え別邸裏の森が大きく開拓されようが俺はリデンの個性だと受け入れよう、開拓するなという冷遇方法は聞いたことがないのだからセーフだセーフ
通常の領地運営と同時に、我が家のとんでもないモノへの対応を含め、脳筋皇帝達になんとかリデンへ向かう怒りの矛先を収めては貰えないかと画策しているが…脳筋は人の話を聞きにくいため難航している
もう少し耐えてくれ…思った以上に第二王子を愛していたメニラ姫が悲しみから復活すればまだ光はあるだろうから…
リデンが冷遇されつつも少しでも過ごしやすいようにと考えていた…そんな中で別邸がおかしいと言うのはどういう事なのだろうか…?
詳しく聞くと気配が増えているのだと言う、しかし姿は見えず…だが確実にリデンに接触しているモノがいると報告するメアリー…
兎族のメアリーの聴覚は確かなものだ、皇帝からの密偵はまさかリデンに接触などしないはず…なら誰がリデンに接触しているというのだ?
俺が必死に愛し尽くしたい気持ちを抑え付け耐えているのに誰が…?そんな事をする存在を許すことなど出来るはずがない
俺の姿では密偵に不審に思われるかもしれないと、獣化し別邸に忍び込むことにした
………………………
チュウ太くんとのルームシェア生活にもそこそこ慣れたある日
芋も薄くスライスし揚げた例のアレを食べたいと朝から床でゴロゴロ転がり強請ってくる獣耳ショタをかわいいな~と思いつつ、揚げ物は危ないからソファに居てねと伝えて厨房で芋を揚げていた時、その瞬間は訪れた
「ふぎゃー!!」
カリカリに揚げた芋を皿に上げていた時に聞こえた図太いまるでおっさんのような声、おれはこんな声知らない
もしやショタを狙ったとんでもない変質者かと思いつつ、何事かと急いでソファのある恐らく応接室に向かう
そんなおれの目に映ったのは…おっさんでも不審者でもなく、獣耳鼠ショタを壁際に追い詰める…巨大な犬…ではなく巨大な狼だった
え、おっさんみたいな声狼が出したの!?!
いやいやいや、重要なのはそこじゃない…!この別邸大丈夫?狼までもが迷子なの!?他人のお家の室内で迷子しちゃうの!?
じりじりと鼠ショタを追い詰める巨大な狼を見つめながらそんな事を考えたが、この展開をどうしていいかわからなかった
どう見ても犬ではなく狼が室内にいるのだ、鼠を狩りに来たの!?獣人の国って本気の弱肉強食!?こわっ…………!
てかおれはどうしたらいい!?手に網じゃくししか持ってないんですけど!?狼相手におれはショタを救えるのか…!いや、無理!えっと………むり!
ううううっ…でも…ショタを見捨てるのは良心が痛む…
ここは磯野司である時の記憶をフル活用し…………ても犬情報しかでてこねぇ!!!あの国に狼なんていません!ワンちゃんしかいねぇんだよ前世…
どうしよう…狼も巨大な狼も実質犬って事でいい?あ、そうだ…流石に辺境伯に嫁いだ妻(男)が野生の狼に食べられてなんて展開になる前に旦那様かウサ耳メイド助けてくれる…?よな、きっと!
そんな気持ちを持ちつつ、おれは意を決して生前、遊んでた近所の犬を思い出しながら何か投げるもの、網じゃくししか持ってないのでそれを巨大な狼の足元に向かって投げる
カラン…カラカラ………みたいな滑稽な音、これに遊び方面で反応してくれなかったらもうおしまいだ…バイバイショタ、おれも直ぐ胃の中に行くよ展開
さぁ、どうなる?
結果は斜め上に何故か巨大狼がおれに懐いてくれました
網じゃくし?床に落ちたままです
鼠ショタ?この巨大狼魔法も使えるとんでもない優秀な迷子だったらしく氷の檻の中に入れられております…寒そう
そして、おれは…巨大狼が座る腹に包まれているのです…絶妙なフィット感…説明しにくいがこう…横に座ってる犬の腹スペースに人がいる感じだ
どうしよう…なにこれ幸せ過ぎる…なんでこうなったかなどわからないが幸せ過ぎる…
この世界に来て一番幸せな気持ちを感じつつ、盛大に狼の腹をもふもふしている…
狼ってこんなもふもふなの?短い毛だからもっふもふじゃないけどサラもふというか…スベモフというか!?なんかもう至福
網じゃくしを投げたらこっち向いた迷子な巨大狼は、何故かよくわからないが、寂しがりな犬みたいにくーんって鳴いておれに甘えてきたのです…え、なに?超かわいい
どうしてこうなったかわからないが久々のモフモフに心が癒されまくっておれはショタが檻の中なのにも関わらず、そのまま寝落ちしてしまうのだった………
うさ耳メイドであるメアリーが最近、別邸がおかしいのだと俺に報告してくる
あの日、寂しいのが辛いと、庭で花を愛でたいと言った可愛い番に商人を呼んで園芸の許可を出し10日ほど過ぎた頃だろうか?
まさか人国の裏庭で花を愛でるという意味が開拓で畑を作り上げることだったのには驚いたが…
野菜や花を作り自分で料理して食べているのだと涙ながらにメアリーから教えてもらい心臓が痛くなった
実際に気配を消し姿を見に行くと、本当に楽しそうに土いじりをするリデンは可愛らしく、穴を掘ることや土いじりが実は好きな狼族の俺としてはとても嬉しくもなる光景だった
番として愛を育んだら将来的に子と穴掘りを一緒にしてくれるかもしれない…
例え別邸裏の森が大きく開拓されようが俺はリデンの個性だと受け入れよう、開拓するなという冷遇方法は聞いたことがないのだからセーフだセーフ
通常の領地運営と同時に、我が家のとんでもないモノへの対応を含め、脳筋皇帝達になんとかリデンへ向かう怒りの矛先を収めては貰えないかと画策しているが…脳筋は人の話を聞きにくいため難航している
もう少し耐えてくれ…思った以上に第二王子を愛していたメニラ姫が悲しみから復活すればまだ光はあるだろうから…
リデンが冷遇されつつも少しでも過ごしやすいようにと考えていた…そんな中で別邸がおかしいと言うのはどういう事なのだろうか…?
詳しく聞くと気配が増えているのだと言う、しかし姿は見えず…だが確実にリデンに接触しているモノがいると報告するメアリー…
兎族のメアリーの聴覚は確かなものだ、皇帝からの密偵はまさかリデンに接触などしないはず…なら誰がリデンに接触しているというのだ?
俺が必死に愛し尽くしたい気持ちを抑え付け耐えているのに誰が…?そんな事をする存在を許すことなど出来るはずがない
俺の姿では密偵に不審に思われるかもしれないと、獣化し別邸に忍び込むことにした
………………………
チュウ太くんとのルームシェア生活にもそこそこ慣れたある日
芋も薄くスライスし揚げた例のアレを食べたいと朝から床でゴロゴロ転がり強請ってくる獣耳ショタをかわいいな~と思いつつ、揚げ物は危ないからソファに居てねと伝えて厨房で芋を揚げていた時、その瞬間は訪れた
「ふぎゃー!!」
カリカリに揚げた芋を皿に上げていた時に聞こえた図太いまるでおっさんのような声、おれはこんな声知らない
もしやショタを狙ったとんでもない変質者かと思いつつ、何事かと急いでソファのある恐らく応接室に向かう
そんなおれの目に映ったのは…おっさんでも不審者でもなく、獣耳鼠ショタを壁際に追い詰める…巨大な犬…ではなく巨大な狼だった
え、おっさんみたいな声狼が出したの!?!
いやいやいや、重要なのはそこじゃない…!この別邸大丈夫?狼までもが迷子なの!?他人のお家の室内で迷子しちゃうの!?
じりじりと鼠ショタを追い詰める巨大な狼を見つめながらそんな事を考えたが、この展開をどうしていいかわからなかった
どう見ても犬ではなく狼が室内にいるのだ、鼠を狩りに来たの!?獣人の国って本気の弱肉強食!?こわっ…………!
てかおれはどうしたらいい!?手に網じゃくししか持ってないんですけど!?狼相手におれはショタを救えるのか…!いや、無理!えっと………むり!
ううううっ…でも…ショタを見捨てるのは良心が痛む…
ここは磯野司である時の記憶をフル活用し…………ても犬情報しかでてこねぇ!!!あの国に狼なんていません!ワンちゃんしかいねぇんだよ前世…
どうしよう…狼も巨大な狼も実質犬って事でいい?あ、そうだ…流石に辺境伯に嫁いだ妻(男)が野生の狼に食べられてなんて展開になる前に旦那様かウサ耳メイド助けてくれる…?よな、きっと!
そんな気持ちを持ちつつ、おれは意を決して生前、遊んでた近所の犬を思い出しながら何か投げるもの、網じゃくししか持ってないのでそれを巨大な狼の足元に向かって投げる
カラン…カラカラ………みたいな滑稽な音、これに遊び方面で反応してくれなかったらもうおしまいだ…バイバイショタ、おれも直ぐ胃の中に行くよ展開
さぁ、どうなる?
結果は斜め上に何故か巨大狼がおれに懐いてくれました
網じゃくし?床に落ちたままです
鼠ショタ?この巨大狼魔法も使えるとんでもない優秀な迷子だったらしく氷の檻の中に入れられております…寒そう
そして、おれは…巨大狼が座る腹に包まれているのです…絶妙なフィット感…説明しにくいがこう…横に座ってる犬の腹スペースに人がいる感じだ
どうしよう…なにこれ幸せ過ぎる…なんでこうなったかなどわからないが幸せ過ぎる…
この世界に来て一番幸せな気持ちを感じつつ、盛大に狼の腹をもふもふしている…
狼ってこんなもふもふなの?短い毛だからもっふもふじゃないけどサラもふというか…スベモフというか!?なんかもう至福
網じゃくしを投げたらこっち向いた迷子な巨大狼は、何故かよくわからないが、寂しがりな犬みたいにくーんって鳴いておれに甘えてきたのです…え、なに?超かわいい
どうしてこうなったかわからないが久々のモフモフに心が癒されまくっておれはショタが檻の中なのにも関わらず、そのまま寝落ちしてしまうのだった………
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