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第4章 背中合わせの答え
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「俺にはあいつのそばにいる資格なんかない。だから、ちゃんと結婚とかそういう先のことも考えてくれてる彼氏がいるなら、俺はいつだって身を引いていいと思ってたんだ。だけど、お前は雪子を置き去りにして逃げた。結局お前も、自分のことばっかりだ。どいつもこいつも…!」
坂井さんがそう言いかけると、翔平はそんな坂井さんを見つめて、
「俺の彼女のことを『雪子、雪子』と呼び捨てにしないでもらえますか?」
と冷静に怒鳴ると、坂井さんは翔平を睨みつけた。
「そういうあなたは、雪ちゃんのなんですか?彼女のこと、好きなんですか?奪いたいんですか?」
「俺は…」
「そんな勇気も覚悟もない人に、そんなこと言われたくないです!あとは、俺たち2人の問題ですから」
翔平が珍しく怒ってそう言うと、坂井さんは何も言い返せないのか、俯いて黙り込んでしまった。私はキュッと下唇を噛むと、2人の前に飛び出していくと、
「翔平。帰る」
と短く言うと、2人は同時に私を見た。
「雪子」
「そこまで言ってくれたのに、その先の答えは、出てないの?坂井さん」
「えっ」
私の言葉に、坂井さんは驚いて目を丸く見開いて私を見つめていた。私はため息を吐き出すと、翔平は私に歩み寄って肩を抱いた。
「怖い思いさせてごめん。せっかくのプロポーズも、失敗だね。今度やり直すよ」
「そんなことはどうでもいいの」
「えっ?」
坂井さんがそう言いかけると、翔平はそんな坂井さんを見つめて、
「俺の彼女のことを『雪子、雪子』と呼び捨てにしないでもらえますか?」
と冷静に怒鳴ると、坂井さんは翔平を睨みつけた。
「そういうあなたは、雪ちゃんのなんですか?彼女のこと、好きなんですか?奪いたいんですか?」
「俺は…」
「そんな勇気も覚悟もない人に、そんなこと言われたくないです!あとは、俺たち2人の問題ですから」
翔平が珍しく怒ってそう言うと、坂井さんは何も言い返せないのか、俯いて黙り込んでしまった。私はキュッと下唇を噛むと、2人の前に飛び出していくと、
「翔平。帰る」
と短く言うと、2人は同時に私を見た。
「雪子」
「そこまで言ってくれたのに、その先の答えは、出てないの?坂井さん」
「えっ」
私の言葉に、坂井さんは驚いて目を丸く見開いて私を見つめていた。私はため息を吐き出すと、翔平は私に歩み寄って肩を抱いた。
「怖い思いさせてごめん。せっかくのプロポーズも、失敗だね。今度やり直すよ」
「そんなことはどうでもいいの」
「えっ?」
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