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死亡遊戯?
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「誰か捕まえて!泥棒!」
メリアンが風のように駆け抜けていく中で、女性の悲鳴が聞こえた。振り返ってみると、身重の女性が地面に膝をつき手を伸ばしたその先に、大きなツボを抱えた男が走り込んでくる。ツボの中にはギー(バターオイル)が入っているようだ。おそらくは市場で売る商品なのだろう。
メリアンはぐっと口を一文字にして、立ち止まり風魔法を解いた。そして指先を泥棒に差し出して唱える。
「<施錠>!」
突然、男の右足が地面に固定された。走っていたせいもあって勢いあまり、上体は前につんのめり、男は思わずツボを投げ出してしまう。
「やった!これも成功…!」
図式や方程式だけなら自信がある。今までは使えなかったけれど、どうやら魔力詰まりは解消されたように見える。覚えている魔法を思わず使ってみたが、それで倒れる様子もない。
嬉々として固まった男を見て、気がついた。
あっと思った時にはすでに遅く、壺は綺麗に放物線を描き、地面に叩きつけられた壷の中身がぶちまけられ、騒ぎを聞きつけて走ってきた衛兵がギーに足を取られてすっ転び、その拍子に掲げていた剣が放り出されて、それが近くにいた馬が引いていた荷台の樽に刺さり、荷を下ろしていた人が悲鳴を上げて腰を抜かした拍子に、樽が荷台から転がり落ちた。それを見ていた子供達が、地面に落ちて割れた樽からこぼれ落ちた果実を拾おうと飛び出したのだが、それに驚いた馬が立ち上がり、慌てた子供達がギーで滑って転び、走り出した馬が一直線にメリアンに向かって蹄を上げた。
「嘘…っ」
スローモーションで蹄に踏みしだかれる前に、漠然と自分の死を覚えた。
(また…っ!?)
顔面を抑えて固まり、クワっと目を見開くと、ジャックにタックルを喰らわされ、路地に転がり、頭を打ちつけて「大丈夫か?」と尋ねられていた。
グヌゥゥッと淑女らしからぬ唸り声をあげ、メリアンはガバッと起き上がりジャックにしがみついた。
「ジャック!わたくしもあなたと一緒に王宮へ行きます!モタモタしているとあの元凶が降りてきてしまいますわ!行きましょう!さあ!さあっ!」
「え?え?!」
訳がわからないうちに、メリアンは立ち上がり、ジャックの魔導士のローブについた埃をはたきぐいっと手を取り王宮に向かって歩き出した。
狼狽えたジャックは慌ててメリアンの手を振り払おうとしたがポッと頬を染めて、とりあえず手を引かれるがまま歩き始めた。
「頭を打ったんじゃないのか?大丈夫か?」
「ちゃんと身体強化をかけましたから、大丈夫です。それより、これから妊婦さんがギーの入った壺を抱えていますの。それを盗もうと目を光らせている男がいるので、盗む前に捕まえなければなりませんの」
「なんだって?」
「ハンチングキャップを目深かに被った背の高い男ですわ。妊婦から商品を盗もうなんて!なんて不届きものなのかしら!絶対に許さない」
「妊婦からギーの入った壺を?なぜそんなことを…」
「いましたわ!あの男!ジャックは妊婦さんを守ってくださいまし!」
「え?ちょっ…」
いきなり走り出したメリアンを呆然と見つめたが、咄嗟に状況判断をすると、確かに妊婦がギーの入ったツボを両手で抱えて荷台から下ろそうとしているのを、ハンチングキャップを被った男が脇から覗き、今にも妊婦に向かって走り出しそうになっていた。数十メートル先には憲兵が二人、周囲には手伝いの子供が数人、馬車に積まれた2台から果実の入った樽を下ろそうとしている男が一人、あとは歩行者が数人だ。メリアンは一目散に男を目指して手を振り上げた。
「<捕縛>!<施錠>!」
途端に男は拘束魔法をかけられ、足元は地面に縫い付けられた。突然動けなくなった男がギョッとして辺りを見渡した。メリアンがほっとして立ち止まったところで、別の男とぶつかり、男が胸に抱えていた鞄を地面にぶちまけてしまった。ギーの入った壺を抱えて地面が見えなかった妊婦が、男が落とした書類を踏んで足を滑らせ、ギーが宙を舞う。ジャックは唖然としてその様子をスローモーションのように見送ってしまう。恐ろしい偶然が偶然を呼び、メリアンはまたしても馬の蹄の犠牲になった。
ループ再び。
「ジャック!お願い!何も言わずにわたくしを王宮に連れて行ってちょうだい!」
「うわ!?え?な、何をっ!?」
がばりと起き上がったメリアンは、発狂しそうになる気持ちを辛うじて抑え、がしりとジャックの両肩を掴み、潤んだ瞳を通り越して、血走った目をジャックに向けて叫んだ。
「わたくしはメリアン、ガーラント侯爵の長女!わたくしにはあなたが必要なんですの!」
そこまで言い切りジャックの顔を見ると、ジャックは顔を真っ赤にしてメリアンを見つめていた。
「えっ?お、俺が必要?メリー、俺を覚えて…?」
メリアンは自分が何を言ったのか、なぜジャックが顔を赤らめているのか、全く気が付いていない。メリーと呼ばれたことは頭の片隅に引っ掛かったけれども、今はそれどころではない。
「覚えていますとも!前世で4度ほど!いえ、5度かしら!?王宮で断罪され、殺されるところ……いえ、死にましたわ!あなたもわたくしと一緒に死んだんですのよ!覚えてない?ええ、覚えていらっしゃらないでしょうね!でもあなたも晴れて死に戻りですのよ!おめでとうございます!幸せですわね、覚えていないって!」
「え…?ちょ、落ち着いて!打ちどころが、わるかっ」
「空から落ちて来たのは、悪夢の元凶ティアリア!この国に厄災をもたらす聖女ですわ!このままだとわたくしはこの最悪のループ地獄から抜けられませんし、あなたも何度も何度も何度も何度も!わたくしにタックルをすることになりますの!ですから、わたくしを王宮に速攻で連れて行ってくださいまし!!聖女と認定される前にティアリアは危険人物だと王家に伝えなければなりません!」
「悪夢の元凶?ループ地獄?聖女?誰が?」
「今!まさに!空から落ちてくるあの少女!ですわ!」
メリアンはビシッと空を指差し、ゆっくりと下降する素っ裸の少女を睨みつけ、またジャックに視線を戻した。
「あの方はおそらく魅了魔法を持っていらっしゃるか、何らかの方法でこれから半年の間に王太子殿下をはじめとした高位貴族子息の方々を悉く誘惑し、篭絡するのです。最終的に王太子殿下の誕生祭で公爵令嬢を含め、ほとんどのご令嬢は婚約破棄をされてしまいます。その上慈愛の雨とは名ばかりの攻撃魔法を使って神々の雷を空中に出し、集団殺戮を試みるような方なのです!この国始まって以来、いえ、数百年前の魔王到来以来の大惨事案件ですわ!」
メリアンが一気に言い切ると、魅了魔法のあたりでジャックの顔色が変わり、神々の雷の言葉で視線を鋭くし、メリアンを見た。
「待ってくれ。一体誰の話をしてるんだ?神聖魔法で集団殺戮って、謀反人がいるのか?そもそも神聖魔法を使える人間がこの国にいるとは聞いたことがないが」
「そ……」
そこで初めてメリアンは自分を取り戻し、しまったと口を噤む。ジャックは初めの経験を覚えてはいないし、前回話したことも忘れてしまっている、というか無かったことになっている。
今メリアンが話したことは、一年後の未来に起こることで、ここにいるジャックはまだ経験をしていない。それを伝えると未来にどう影響するのかは想像もつかないが、経験をしていない未来を告げることは、神託でもない限り無理なこと。神の存在を信じているならばの話だが。
「……それが本当だとして、君はどこでその情報を手に入れたんだ?」
「え、ええと。あの、その、これはですね」
「その犯人が君ではないと言う証拠はあるか?」
わたくしではない。断じて。
でも証拠はない。
もしかして、わたくし詰んだ?
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突然、男の右足が地面に固定された。走っていたせいもあって勢いあまり、上体は前につんのめり、男は思わずツボを投げ出してしまう。
「やった!これも成功…!」
図式や方程式だけなら自信がある。今までは使えなかったけれど、どうやら魔力詰まりは解消されたように見える。覚えている魔法を思わず使ってみたが、それで倒れる様子もない。
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「嘘…っ」
スローモーションで蹄に踏みしだかれる前に、漠然と自分の死を覚えた。
(また…っ!?)
顔面を抑えて固まり、クワっと目を見開くと、ジャックにタックルを喰らわされ、路地に転がり、頭を打ちつけて「大丈夫か?」と尋ねられていた。
グヌゥゥッと淑女らしからぬ唸り声をあげ、メリアンはガバッと起き上がりジャックにしがみついた。
「ジャック!わたくしもあなたと一緒に王宮へ行きます!モタモタしているとあの元凶が降りてきてしまいますわ!行きましょう!さあ!さあっ!」
「え?え?!」
訳がわからないうちに、メリアンは立ち上がり、ジャックの魔導士のローブについた埃をはたきぐいっと手を取り王宮に向かって歩き出した。
狼狽えたジャックは慌ててメリアンの手を振り払おうとしたがポッと頬を染めて、とりあえず手を引かれるがまま歩き始めた。
「頭を打ったんじゃないのか?大丈夫か?」
「ちゃんと身体強化をかけましたから、大丈夫です。それより、これから妊婦さんがギーの入った壺を抱えていますの。それを盗もうと目を光らせている男がいるので、盗む前に捕まえなければなりませんの」
「なんだって?」
「ハンチングキャップを目深かに被った背の高い男ですわ。妊婦から商品を盗もうなんて!なんて不届きものなのかしら!絶対に許さない」
「妊婦からギーの入った壺を?なぜそんなことを…」
「いましたわ!あの男!ジャックは妊婦さんを守ってくださいまし!」
「え?ちょっ…」
いきなり走り出したメリアンを呆然と見つめたが、咄嗟に状況判断をすると、確かに妊婦がギーの入ったツボを両手で抱えて荷台から下ろそうとしているのを、ハンチングキャップを被った男が脇から覗き、今にも妊婦に向かって走り出しそうになっていた。数十メートル先には憲兵が二人、周囲には手伝いの子供が数人、馬車に積まれた2台から果実の入った樽を下ろそうとしている男が一人、あとは歩行者が数人だ。メリアンは一目散に男を目指して手を振り上げた。
「<捕縛>!<施錠>!」
途端に男は拘束魔法をかけられ、足元は地面に縫い付けられた。突然動けなくなった男がギョッとして辺りを見渡した。メリアンがほっとして立ち止まったところで、別の男とぶつかり、男が胸に抱えていた鞄を地面にぶちまけてしまった。ギーの入った壺を抱えて地面が見えなかった妊婦が、男が落とした書類を踏んで足を滑らせ、ギーが宙を舞う。ジャックは唖然としてその様子をスローモーションのように見送ってしまう。恐ろしい偶然が偶然を呼び、メリアンはまたしても馬の蹄の犠牲になった。
ループ再び。
「ジャック!お願い!何も言わずにわたくしを王宮に連れて行ってちょうだい!」
「うわ!?え?な、何をっ!?」
がばりと起き上がったメリアンは、発狂しそうになる気持ちを辛うじて抑え、がしりとジャックの両肩を掴み、潤んだ瞳を通り越して、血走った目をジャックに向けて叫んだ。
「わたくしはメリアン、ガーラント侯爵の長女!わたくしにはあなたが必要なんですの!」
そこまで言い切りジャックの顔を見ると、ジャックは顔を真っ赤にしてメリアンを見つめていた。
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メリアンは自分が何を言ったのか、なぜジャックが顔を赤らめているのか、全く気が付いていない。メリーと呼ばれたことは頭の片隅に引っ掛かったけれども、今はそれどころではない。
「覚えていますとも!前世で4度ほど!いえ、5度かしら!?王宮で断罪され、殺されるところ……いえ、死にましたわ!あなたもわたくしと一緒に死んだんですのよ!覚えてない?ええ、覚えていらっしゃらないでしょうね!でもあなたも晴れて死に戻りですのよ!おめでとうございます!幸せですわね、覚えていないって!」
「え…?ちょ、落ち着いて!打ちどころが、わるかっ」
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「あの方はおそらく魅了魔法を持っていらっしゃるか、何らかの方法でこれから半年の間に王太子殿下をはじめとした高位貴族子息の方々を悉く誘惑し、篭絡するのです。最終的に王太子殿下の誕生祭で公爵令嬢を含め、ほとんどのご令嬢は婚約破棄をされてしまいます。その上慈愛の雨とは名ばかりの攻撃魔法を使って神々の雷を空中に出し、集団殺戮を試みるような方なのです!この国始まって以来、いえ、数百年前の魔王到来以来の大惨事案件ですわ!」
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