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灯籠祭
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先月のことである。
都心からは程遠い、まさに人里離れた山の中にひっそりと隠れるように八尾家はあった。
宗鷹が訪れた時、庭の草木は伸び放題。しかし、数年放置されていたとするには家屋の状態はしっかりと整って見えた。明らかに誰かが空気を入れ替え、手入れをしながら生活していた痕跡があるる。
玄田の本家に戻った時に、すでに八尾家についての調べはついていた。もちろん千隼には悟られぬように。
ここに来たのはその事実を確かめるためだった。八尾家の者は十年前に全員亡くなっている。不慮の事故だったようだ。跡取りである誠一郎とその両親と祖母。子供は誠一郎1人だけだった。
八尾家にはここしばらく異能は産まれておらず、宗鷹がこの家の名を認識していなかったのもそのせいである。
古めかしい木造の平屋。玄関の引き戸に触れると鍵はかかっていなかった。ガタガタと立て付けの悪いそれを開き、「失礼します」と一言添えて、宗鷹はその家に立ち入った。
息子が1人と聞いていた。しかし、部屋数があわない。祖母の部屋と思しき仏間を含んだ部屋、夫婦の寝室、勉強机とベッドが並んだ小さな部屋と、その隣にもう一つ、同じような装いの部屋があるる。子供が2人いた、と言われれば納得できる構成だった。
居間の棚のすぐ取り出せる位置に、何枚も写真があった。繰り返し手に取って眺めていたかのようだ。その上に目を向けると写真立てにも収まっている。仲睦まじい家族の写真だ。父母兄に囲まれて、見たこともない表情で笑んでいるのは、今と変わらぬ姿の旺仁郎である。
妖とはなにか、元は人であり生き物であり、はたまた草木である。その境界は曖昧であるが、旺仁郎の場合妖や人の気を喰らい、不自然な時を経ても姿を変えないその様は、否応もなく妖である。
旺仁郎は何代も前に八尾の家に生まれた子だった。異能を持ちながら報われないまま妖となった。
そして長く眠ったのち、数代後の八尾家の夫婦の前に現れた。
子宝に恵まれなかった夫婦は、擦り寄るその妖に心を許し、寄り添い愛した。その後に実子を授かってもそれは変わらなかった。
元は人であった妖が、人の感情に触れ学び、同じように愛情を返すことは容易かった。家族が旺仁郎に笑んだのと同じだけ、彼の表情は綻んだ。しかし、人と妖ではその生自体が似て異なるものである。
家族の生が失われて、一人行き場をなくした妖は、この寂しい八尾の家で十年もの間一人で過ごし、そして学んだはずの表情を失っていった。
宗鷹がその家を訪れた時、まるでままごとのように、家族分の箸や椀が食卓に並び、玄関に誰かいるかのように数人分の靴が揃えられていた。
十年が妖にとって長いか短いか、それはまだ人である宗鷹には計り知れない。
家族と暮らしたこの家を出て、八百万町に赴いた旺仁郎はどんな心持ちであっただろうか。
◇
灯籠祭の最終日宗鷹が館に戻ったのは、もうすぐ日の暮れる頃だった。
玄関先に旺仁郎の靴はなく、覗いた使用人の部屋にも荷物はなかった。当然であるがキッチンにその姿もない。
手紙の一つでも残ってはいないかとテーブルを見た自分に、あんなに冷たくしておいて何を今さらと、宗鷹は息を漏らした。
最後に顔が見たかったかというと、よくわからない。見たかった気もするし、どんな顔をされるか怖いような気もする。あの無表情な顔は時々恥ずかしそうに赤らんだが、結局笑んではくれなかったなと、宗鷹はテーブルの椅子を引き、座り込んだ。
宗鷹は八尾の家に行った日から、言わねばならぬと思いつつ、どこかで隠してしまおうかと思っていた。現に自分を惑わし、蓮の気を倒れるまで食った旺仁郎は危険をはらんでいる。
しかし、宗鷹は冷徹になりきれなかった。生きたところを見た鳥を食えないように、その他大勢であれば躊躇わぬ妖も、一度近くで言葉を交わしたのなら、爪を立てることなど宗鷹には出来ぬのだ。
だが、千隼に旺仁郎の姿を見られた時。躊躇っていた気持ちを振り切った。千隼は旺仁郎が妖だと気付いたわけではないだろう。しかし、もし長きにわたり宗鷹の手元におけば、千隼はいつか旺仁郎に興味を示し、その秘密を暴くかもしれない。そうなった時、自分は千隼に逆らうことはおそらくできない。命がくだれば、その爪を立てるしかないのである。そうなる前に、去れと言った宗鷹の言葉は、伝えた通りに旺仁郎に対する情けであった。
「どうしたの、電気もつけないで」
相変わらず蓮は音もなく現れる。肩にかけた荷物を下ろすと、キッチンの電気をパチリとつけた。見まわしたその目はおそらく旺仁郎を探している。
案の定「旺仁郎は?」とすぐに尋ねてきた。
「ああ、蓮。おかえり、俺も今帰ってきたところで。旺仁郎は……わからないな。友人と出かけると言っていたような」
当面を凌ぐ言い訳くらい考えておけば良かったと宗鷹は思った。
旺仁郎を追い出したと言えば蓮はなんと言うだろうか。彼は恐らく、旺仁郎が妖だと気がついている。気がついていてもなお、蓮は旺仁郎を追い出した自分を咎めるだろうと、そう思った。
ほとんど間髪入れずに、玄関先でバタバタと音がした。
「うぃー! ただいまー! めっちゃ腹減ったー!」
大成がキッチンに顔を出す。彼もまた、きょろきょろとキッチンを見渡した。
「おーい、旺仁郎? お腹すいたー!」
そう言って、リビングやら、洗面所やら庭先やらをバタバタと行き来している。
「あんれ? 旺仁郎は?」
ようやくその不在に気がついたのか、大成はもう一度キッチンに顔を出した。
「友達と出掛けてるらしい」
蓮は静かにそう言いながら、冷蔵庫を開けた。
「友達? あいつ、友達なんていないと思うけど。学校でもだいたいぼっちだし」
大成は頭をかきながら首を傾げている。
「俺もそう思う」
と蓮が言う。
「宗鷹、千隼くん来たって聞いたけど……何か言われた?」
鋭いな、俺の幼馴染よ。と、宗鷹はほとんど投げやりな気持ちで息を吐いた。しかし、首を振り「いや、何も」と短く答える。
「お、なんか作り置きっぽいのがいっぱいあるな? これ、今日の夕飯かな?」
蓮の開けた冷蔵庫を覗き込み、大成が言った。彼の言葉通り、庫内にはびっしりと、作り置きと思われる器が詰め込まれていた。
「食べていいかな? めっちゃ腹減ったんだよね。二人とも食べる?」
大成の問いに、蓮は首を振った。
「俺は旺仁郎を待ってるよ」
と、そう言った視線は真っ直ぐに宗鷹を向いていた。
「そっか、じゃあ、俺も待つかな。先に風呂入ってくる」
大成がキッチンから出た後、蓮は徐に椅子にかかった旺仁郎のエプロンを手に取った。確かめるように何も付いていない肩紐を辿った後、ばさりと広げて身につけた。手を洗い、鍋に火をつけて湯を沸かしている。
「味噌汁ぐらい、作ろうかなって…たまには」
聞いてもいないのに、言い訳みたいに蓮の背中がそう言った。
宗鷹はついに居た堪れなくなり、キッチンを出て、電気のつかない薄暗いままのリビングに場所を移動した。ソファに腰を下ろし、沈むように背もたれに体を預けた。
庭の畑には、まだいくつか実が残っているのだろうか。視線の先の窓の外に目を向けるが、すでに薄暗い中でははっきりと確認することはできなかった。
ふと、視線を戻すと、斜向かいの一人がけソファの足元に何かが落ちている。それが何かすぐにわかった。見覚えがある。
腕を伸ばし拾い上げたそれは旺仁郎のメモである。
たびたびこれに文字を綴る姿を目にしていた。
俯きペンを走らせると、彼のつむじのあたりがよくみえたな、などと思い出しながら宗鷹はページをめくった。
旺仁郎は整った文字をかく。そして絵の方もなかなか上手いようだ。
前後の脈略はわからないが、宗鷹以外の、蓮や大成と交わしたと思しき言葉が見える。
どの苗を買うだとか、蛙がどうとか、そんな取り止めのない話である。ほんの少し覗き見をするような罪悪感を抱きながら、宗鷹の手は止まらなかった。そして、恐らく蓮と交わしたであろうその文字の上で、宗鷹の目が止まる。いつもは整っているはずだが、その文字は小さく震えているようだ。
『誰も、食べたくありません』
と、そう綴られている。
その言葉を見て、何かが宗鷹の胸のうちに落ちた。
鼻から息を吸い込んで、深く吐いて、その後右手で額を抱える。そこからなにかを拭うように、顎まで手を下ろした。
「あれ、まだ戻んない? 俺探してこようかな?」
キッチンで風呂から出たらしき大成の声がした。
宗鷹は立ち上がる。そして、蓮と大成がいるキッチンに顔を出した。
「俺も、探しに行こうかな?」
蓮がそう言いながら、火を止めてエプロンを外す。
宗鷹はそんな二人を交互に見ながら言った。
「俺が探してくる」
二人の視線が宗鷹に向く。
「俺が一番早く旺仁郎を見つけられる」
鷹はそう告げて、湿気をはらんだ夏の風、火点し頃の八百万町の暮れた空へ、その翼を翻すのだった。
◇
都心からは程遠い、まさに人里離れた山の中にひっそりと隠れるように八尾家はあった。
宗鷹が訪れた時、庭の草木は伸び放題。しかし、数年放置されていたとするには家屋の状態はしっかりと整って見えた。明らかに誰かが空気を入れ替え、手入れをしながら生活していた痕跡があるる。
玄田の本家に戻った時に、すでに八尾家についての調べはついていた。もちろん千隼には悟られぬように。
ここに来たのはその事実を確かめるためだった。八尾家の者は十年前に全員亡くなっている。不慮の事故だったようだ。跡取りである誠一郎とその両親と祖母。子供は誠一郎1人だけだった。
八尾家にはここしばらく異能は産まれておらず、宗鷹がこの家の名を認識していなかったのもそのせいである。
古めかしい木造の平屋。玄関の引き戸に触れると鍵はかかっていなかった。ガタガタと立て付けの悪いそれを開き、「失礼します」と一言添えて、宗鷹はその家に立ち入った。
息子が1人と聞いていた。しかし、部屋数があわない。祖母の部屋と思しき仏間を含んだ部屋、夫婦の寝室、勉強机とベッドが並んだ小さな部屋と、その隣にもう一つ、同じような装いの部屋があるる。子供が2人いた、と言われれば納得できる構成だった。
居間の棚のすぐ取り出せる位置に、何枚も写真があった。繰り返し手に取って眺めていたかのようだ。その上に目を向けると写真立てにも収まっている。仲睦まじい家族の写真だ。父母兄に囲まれて、見たこともない表情で笑んでいるのは、今と変わらぬ姿の旺仁郎である。
妖とはなにか、元は人であり生き物であり、はたまた草木である。その境界は曖昧であるが、旺仁郎の場合妖や人の気を喰らい、不自然な時を経ても姿を変えないその様は、否応もなく妖である。
旺仁郎は何代も前に八尾の家に生まれた子だった。異能を持ちながら報われないまま妖となった。
そして長く眠ったのち、数代後の八尾家の夫婦の前に現れた。
子宝に恵まれなかった夫婦は、擦り寄るその妖に心を許し、寄り添い愛した。その後に実子を授かってもそれは変わらなかった。
元は人であった妖が、人の感情に触れ学び、同じように愛情を返すことは容易かった。家族が旺仁郎に笑んだのと同じだけ、彼の表情は綻んだ。しかし、人と妖ではその生自体が似て異なるものである。
家族の生が失われて、一人行き場をなくした妖は、この寂しい八尾の家で十年もの間一人で過ごし、そして学んだはずの表情を失っていった。
宗鷹がその家を訪れた時、まるでままごとのように、家族分の箸や椀が食卓に並び、玄関に誰かいるかのように数人分の靴が揃えられていた。
十年が妖にとって長いか短いか、それはまだ人である宗鷹には計り知れない。
家族と暮らしたこの家を出て、八百万町に赴いた旺仁郎はどんな心持ちであっただろうか。
◇
灯籠祭の最終日宗鷹が館に戻ったのは、もうすぐ日の暮れる頃だった。
玄関先に旺仁郎の靴はなく、覗いた使用人の部屋にも荷物はなかった。当然であるがキッチンにその姿もない。
手紙の一つでも残ってはいないかとテーブルを見た自分に、あんなに冷たくしておいて何を今さらと、宗鷹は息を漏らした。
最後に顔が見たかったかというと、よくわからない。見たかった気もするし、どんな顔をされるか怖いような気もする。あの無表情な顔は時々恥ずかしそうに赤らんだが、結局笑んではくれなかったなと、宗鷹はテーブルの椅子を引き、座り込んだ。
宗鷹は八尾の家に行った日から、言わねばならぬと思いつつ、どこかで隠してしまおうかと思っていた。現に自分を惑わし、蓮の気を倒れるまで食った旺仁郎は危険をはらんでいる。
しかし、宗鷹は冷徹になりきれなかった。生きたところを見た鳥を食えないように、その他大勢であれば躊躇わぬ妖も、一度近くで言葉を交わしたのなら、爪を立てることなど宗鷹には出来ぬのだ。
だが、千隼に旺仁郎の姿を見られた時。躊躇っていた気持ちを振り切った。千隼は旺仁郎が妖だと気付いたわけではないだろう。しかし、もし長きにわたり宗鷹の手元におけば、千隼はいつか旺仁郎に興味を示し、その秘密を暴くかもしれない。そうなった時、自分は千隼に逆らうことはおそらくできない。命がくだれば、その爪を立てるしかないのである。そうなる前に、去れと言った宗鷹の言葉は、伝えた通りに旺仁郎に対する情けであった。
「どうしたの、電気もつけないで」
相変わらず蓮は音もなく現れる。肩にかけた荷物を下ろすと、キッチンの電気をパチリとつけた。見まわしたその目はおそらく旺仁郎を探している。
案の定「旺仁郎は?」とすぐに尋ねてきた。
「ああ、蓮。おかえり、俺も今帰ってきたところで。旺仁郎は……わからないな。友人と出かけると言っていたような」
当面を凌ぐ言い訳くらい考えておけば良かったと宗鷹は思った。
旺仁郎を追い出したと言えば蓮はなんと言うだろうか。彼は恐らく、旺仁郎が妖だと気がついている。気がついていてもなお、蓮は旺仁郎を追い出した自分を咎めるだろうと、そう思った。
ほとんど間髪入れずに、玄関先でバタバタと音がした。
「うぃー! ただいまー! めっちゃ腹減ったー!」
大成がキッチンに顔を出す。彼もまた、きょろきょろとキッチンを見渡した。
「おーい、旺仁郎? お腹すいたー!」
そう言って、リビングやら、洗面所やら庭先やらをバタバタと行き来している。
「あんれ? 旺仁郎は?」
ようやくその不在に気がついたのか、大成はもう一度キッチンに顔を出した。
「友達と出掛けてるらしい」
蓮は静かにそう言いながら、冷蔵庫を開けた。
「友達? あいつ、友達なんていないと思うけど。学校でもだいたいぼっちだし」
大成は頭をかきながら首を傾げている。
「俺もそう思う」
と蓮が言う。
「宗鷹、千隼くん来たって聞いたけど……何か言われた?」
鋭いな、俺の幼馴染よ。と、宗鷹はほとんど投げやりな気持ちで息を吐いた。しかし、首を振り「いや、何も」と短く答える。
「お、なんか作り置きっぽいのがいっぱいあるな? これ、今日の夕飯かな?」
蓮の開けた冷蔵庫を覗き込み、大成が言った。彼の言葉通り、庫内にはびっしりと、作り置きと思われる器が詰め込まれていた。
「食べていいかな? めっちゃ腹減ったんだよね。二人とも食べる?」
大成の問いに、蓮は首を振った。
「俺は旺仁郎を待ってるよ」
と、そう言った視線は真っ直ぐに宗鷹を向いていた。
「そっか、じゃあ、俺も待つかな。先に風呂入ってくる」
大成がキッチンから出た後、蓮は徐に椅子にかかった旺仁郎のエプロンを手に取った。確かめるように何も付いていない肩紐を辿った後、ばさりと広げて身につけた。手を洗い、鍋に火をつけて湯を沸かしている。
「味噌汁ぐらい、作ろうかなって…たまには」
聞いてもいないのに、言い訳みたいに蓮の背中がそう言った。
宗鷹はついに居た堪れなくなり、キッチンを出て、電気のつかない薄暗いままのリビングに場所を移動した。ソファに腰を下ろし、沈むように背もたれに体を預けた。
庭の畑には、まだいくつか実が残っているのだろうか。視線の先の窓の外に目を向けるが、すでに薄暗い中でははっきりと確認することはできなかった。
ふと、視線を戻すと、斜向かいの一人がけソファの足元に何かが落ちている。それが何かすぐにわかった。見覚えがある。
腕を伸ばし拾い上げたそれは旺仁郎のメモである。
たびたびこれに文字を綴る姿を目にしていた。
俯きペンを走らせると、彼のつむじのあたりがよくみえたな、などと思い出しながら宗鷹はページをめくった。
旺仁郎は整った文字をかく。そして絵の方もなかなか上手いようだ。
前後の脈略はわからないが、宗鷹以外の、蓮や大成と交わしたと思しき言葉が見える。
どの苗を買うだとか、蛙がどうとか、そんな取り止めのない話である。ほんの少し覗き見をするような罪悪感を抱きながら、宗鷹の手は止まらなかった。そして、恐らく蓮と交わしたであろうその文字の上で、宗鷹の目が止まる。いつもは整っているはずだが、その文字は小さく震えているようだ。
『誰も、食べたくありません』
と、そう綴られている。
その言葉を見て、何かが宗鷹の胸のうちに落ちた。
鼻から息を吸い込んで、深く吐いて、その後右手で額を抱える。そこからなにかを拭うように、顎まで手を下ろした。
「あれ、まだ戻んない? 俺探してこようかな?」
キッチンで風呂から出たらしき大成の声がした。
宗鷹は立ち上がる。そして、蓮と大成がいるキッチンに顔を出した。
「俺も、探しに行こうかな?」
蓮がそう言いながら、火を止めてエプロンを外す。
宗鷹はそんな二人を交互に見ながら言った。
「俺が探してくる」
二人の視線が宗鷹に向く。
「俺が一番早く旺仁郎を見つけられる」
鷹はそう告げて、湿気をはらんだ夏の風、火点し頃の八百万町の暮れた空へ、その翼を翻すのだった。
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