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第五話 婚約者とお仕置き

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「私と婚約してくださいな」
「・・・・・」
「私と婚約してくださいな」

突然の申し出に脳内パニックの俺が答えないでいると彼女は再度同じ言葉をいい俺の返答を待った
え?婚約?いきなり?
どうする?
俺はチラッと彼女、クラリス・フォン・ランバート公爵令嬢を見る。すると彼女はニコリと笑いかけてきたがその笑みからは強い圧力を感じる
どんな圧力?
こんな圧力

さぁ、答えなさい?
答えは決まっているでしょ?
・・まさか断らないよね?
断ったらどうなるかわかってますか?
イエス?分かりました?よろしくお願いします?
君を幸せにします?
さぁ、どれでもいいよ?
・・早く答えなさい?
YESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYES

みたいな感じだ・・・こわい

「・・・よろしくお願いします」 
「はい、よろしくお願いしますね」

こうして俺に可愛い怖い婚約者ができました

なぜこうなった?


★★★

あの後、二人でそれぞれの両親が待つ応接間に行き婚約の報告をした。
俺は縛られたままで・・・
おかしくない!?
誰も質問は愚かリアクションすらなかったよ!?
予め縛った事を兄ちゃんが説明していたとしてもだよ?
両親への挨拶までその格好で来てノーリアクションってぜっったいおかしいよ!?
間違ってないよね?

挨拶後、婚約契約書を書いてからランバート公爵家の方々は馬車でお帰りになりました。
俺は結局馬車が見えなくなるまでずっと縛られていました
はぁ、家出したい

婚約発表は半年後となりそれまではお互いの理解を深めるため週一で互いの家を行き来することになった
行きたくなーい!!

そしてとにかく一段落した後俺がしたことは

「待ちやがれー!!!!」
「いーやーでーす!!!!」

そう、シリルへのお仕置きだ
あの野郎
俺を縛った時ちゃっかり俺の背中を足でぐりぐりするわ
俺が助けを求めたらざまあみろって笑みを浮かべるわ
挙げ句、俺の縄を外す際わざと失敗して俺を転ばせるわ
と、散々なことをやりやがった
これはいじめじゃない、躾だ!!

俺は身体強化魔法を発動しシリルを追い抜いた後両手を広げて

「お・い・で♪」
「ぎゃあああ!!!」

シリルは急に目の前に現れた俺に驚くも急には止まることができずそのまま俺の腕の中へ、俺はシリルを受け止め優しく、そう、まるで果物から果汁を絞るようにぎゅぅぅっとシリルを抱きしめた


「あがぁぁぁっ!!!!」

シリルは俺より3つ上の18歳、体格の違いはあるもシリルは身体強化魔法を使えないため俺の拘束から逃れる事ができず、主に抱きしめられ嬉しい悲鳴を上げていた。

うんうん
心地いい悲鳴だ

ちなみに家族や外の使用人達はいつもの事だと笑っていたとか・・・

「だずげでー!!!!」


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