45 / 78
番外編 瑠可/楓
番外編 Luka-1
しおりを挟む
ボクは最近おかしい。
ボクがというより、ボクに関わってくる楓兄がおかしいのかもしれない。
皇貴先輩に振られた時、楓兄が慰めてくれた。
それは偶然だった。
それから何度か街中で楓兄と遭遇した。
ボクのお気に入りのカフェで、尽くボクのデートの邪魔をした。
デートの相手はみんなベータのセフレで、最近はエッチのないデートしかしてない。
なんでか分からないけど、楓兄に慰めてもらった日から、ボクは誰ともする気にはなれなくなった。
だから連絡が来た人に「エッチなしのデートでいい?」て返信して、それでもいいと言ってくれた人とばかりデートした。
ただ、カフェで休憩していると「次、ホテルに行こう」ってしつこく言う人もいた。
そんな時、楓兄が現れて追い払ってくれた。
それが不思議でならなかった。
「楓兄はなんでボクを助けてくれるの?」
ある日、聞いてみた。
「なんでだと思う?」
「質問してるのはボクだよ」
「んー、瑠可のことが好きだからって言ったらどうする?」
射抜くように真っ直ぐな目で見られて、思わず目を逸らしてしまった。
「じょ、冗談だよね?」
「瑠可がそう思うなら、そうかもな……まだ」
ボクの胸がズシンと重くなった。
それからは、エッチなしのデートもしなくなった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
5月の後半。
発情期も終わったから、外出許可をもらって週末出かけた。
お気に入りのカフェに行ったら、また楓兄に会えるかなってちょっとだけ期待した。
けど、カフェに着く前、ボクは二度と会いたくない男ー田幡ーと遭遇し、人気のないビルの裏に連れ込まれた。
「なんで会ってくれないんだ。俺、瑠可のこと本気で好きなんだよっ……」
「は、離してください。……今更、何言ってるの?」
ボクの腕を掴む手は強くて痛い。
アルファの圧が怖くて逃げたいのに、身体が竦み上がって思うように動けない。
震えるボクを気遣うことなく、田幡さんは迫ってくる。
「あの頃とは違う。お前のこと本気でーー」
「やめてっ!……今も…前も、ボクはあなたのことは好きじゃない」
「っ……アイツか。最近、瑠可の周りをウロチョロしてる奴。何、アイツの番になる約束したのか?………ならやっぱり、お前もそういう奴じゃねぇかよ」
田幡はボクの服を捲り上げた。
剥き出しになった肌を荒っぽく撫でる手が気持ち悪くて、すごく怖い。
「やだって。ほ、本当に止めてよっ」
「……これで本当に最後にしてやるから、させろよ。瑠可の中にたっぷり注いでやる」
ベルトに手を掛けられたその時。
「そこで何をしてる」
「!」
そこに現れたのは楓兄じゃなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
彼は篠崎春樹さん。
会社勤めの32歳のアルファ。
20代と言われたら信じちゃうくらい若くてカッコいい。
偶々通りかかったら揉めてる声が聞こえて行った先にボクたちがいた。
田幡さんは篠崎さんの迫力に圧倒されて逃げだ。
篠崎さんは震えるボクの手を優しく取ってくれ頭を撫でてくれた。
少しだけ恐怖心が薄まった気がした。
だからボクは篠崎さんに助けてくれたお礼をさせて欲しいと言ったけど断られた。
その代わり、お茶に付き合って欲しいと言われたから、お気に入りのカフェに案内した。
篠崎さんはやることなすことスマートで、「僕は社会人だからね」とボクの分のお茶代も払ってくれた。
お店を出て別れる時、ボクは篠崎さんと連絡先を交換した。
その日、楓兄には会えなかった。
____________________
瑠可と楓の話になります。
約2週間お付き合い、よろしくお願いします。
ボクがというより、ボクに関わってくる楓兄がおかしいのかもしれない。
皇貴先輩に振られた時、楓兄が慰めてくれた。
それは偶然だった。
それから何度か街中で楓兄と遭遇した。
ボクのお気に入りのカフェで、尽くボクのデートの邪魔をした。
デートの相手はみんなベータのセフレで、最近はエッチのないデートしかしてない。
なんでか分からないけど、楓兄に慰めてもらった日から、ボクは誰ともする気にはなれなくなった。
だから連絡が来た人に「エッチなしのデートでいい?」て返信して、それでもいいと言ってくれた人とばかりデートした。
ただ、カフェで休憩していると「次、ホテルに行こう」ってしつこく言う人もいた。
そんな時、楓兄が現れて追い払ってくれた。
それが不思議でならなかった。
「楓兄はなんでボクを助けてくれるの?」
ある日、聞いてみた。
「なんでだと思う?」
「質問してるのはボクだよ」
「んー、瑠可のことが好きだからって言ったらどうする?」
射抜くように真っ直ぐな目で見られて、思わず目を逸らしてしまった。
「じょ、冗談だよね?」
「瑠可がそう思うなら、そうかもな……まだ」
ボクの胸がズシンと重くなった。
それからは、エッチなしのデートもしなくなった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
5月の後半。
発情期も終わったから、外出許可をもらって週末出かけた。
お気に入りのカフェに行ったら、また楓兄に会えるかなってちょっとだけ期待した。
けど、カフェに着く前、ボクは二度と会いたくない男ー田幡ーと遭遇し、人気のないビルの裏に連れ込まれた。
「なんで会ってくれないんだ。俺、瑠可のこと本気で好きなんだよっ……」
「は、離してください。……今更、何言ってるの?」
ボクの腕を掴む手は強くて痛い。
アルファの圧が怖くて逃げたいのに、身体が竦み上がって思うように動けない。
震えるボクを気遣うことなく、田幡さんは迫ってくる。
「あの頃とは違う。お前のこと本気でーー」
「やめてっ!……今も…前も、ボクはあなたのことは好きじゃない」
「っ……アイツか。最近、瑠可の周りをウロチョロしてる奴。何、アイツの番になる約束したのか?………ならやっぱり、お前もそういう奴じゃねぇかよ」
田幡はボクの服を捲り上げた。
剥き出しになった肌を荒っぽく撫でる手が気持ち悪くて、すごく怖い。
「やだって。ほ、本当に止めてよっ」
「……これで本当に最後にしてやるから、させろよ。瑠可の中にたっぷり注いでやる」
ベルトに手を掛けられたその時。
「そこで何をしてる」
「!」
そこに現れたのは楓兄じゃなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
彼は篠崎春樹さん。
会社勤めの32歳のアルファ。
20代と言われたら信じちゃうくらい若くてカッコいい。
偶々通りかかったら揉めてる声が聞こえて行った先にボクたちがいた。
田幡さんは篠崎さんの迫力に圧倒されて逃げだ。
篠崎さんは震えるボクの手を優しく取ってくれ頭を撫でてくれた。
少しだけ恐怖心が薄まった気がした。
だからボクは篠崎さんに助けてくれたお礼をさせて欲しいと言ったけど断られた。
その代わり、お茶に付き合って欲しいと言われたから、お気に入りのカフェに案内した。
篠崎さんはやることなすことスマートで、「僕は社会人だからね」とボクの分のお茶代も払ってくれた。
お店を出て別れる時、ボクは篠崎さんと連絡先を交換した。
その日、楓兄には会えなかった。
____________________
瑠可と楓の話になります。
約2週間お付き合い、よろしくお願いします。
13
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
白銀の城の俺と僕
片海 鏡
BL
絶海の孤島。水の医神エンディリアムを祀る医療神殿ルエンカーナ。島全体が白銀の建物の集合体《神殿》によって形作られ、彼らの高度かつ不可思議な医療技術による治療を願う者達が日々海を渡ってやって来る。白銀の髪と紺色の目を持って生まれた子供は聖徒として神殿に召し上げられる。オメガの青年エンティーは不遇を受けながらも懸命に神殿で働いていた。ある出来事をきっかけに島を統治する皇族のαの青年シャングアと共に日々を過ごし始める。 *独自の設定ありのオメガバースです。恋愛ありきのエンティーとシャングアの成長物語です。下の話(セクハラ的なもの)は話しますが、性行為の様なものは一切ありません。マイペースな更新です。*
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。
ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。
幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。
逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。
見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。
何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。
しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。
お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。
主人公楓目線の、片思いBL。
プラトニックラブ。
いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。
2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。
最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。
(この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。)
番外編は、2人の高校時代のお話。
【完結】選ばれない僕の生きる道
谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。
選ばれない僕が幸せを選ぶ話。
※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです
※設定は独自のものです
※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。
【完結】幼馴染に告白されたけれど、実は俺の方がずっと前から好きだったんです 〜初恋のあわい~
上杉
BL
ずっとお前のことが好きだったんだ。
ある日、突然告白された西脇新汰(にしわきあらた)は驚いた。何故ならその相手は幼馴染の清宮理久(きよみやりく)だったから。思わずパニックになり新汰が返答できずにいると、理久はこう続ける。
「驚いていると思う。だけど少しずつ意識してほしい」
そう言って普段から次々とアプローチを繰り返してくるようになったが、実は新汰の方が昔から理久のことが好きで、それは今も続いている初恋だった。
完全に返答のタイミングを失ってしまった新汰が、気持ちを伝え完全な両想いになる日はやって来るのか?
初めから好き同士の高校生が送る青春小説です!お楽しみ下さい。
僕たちの世界は、こんなにも眩しかったんだね
舞々
BL
「お前以外にも番がいるんだ」
Ωである花村蒼汰(はなむらそうた)は、よりにもよって二十歳の誕生日に恋人からそう告げられる。一人になることに強い不安を感じたものの、「αのたった一人の番」になりたいと願う蒼汰は、恋人との別れを決意した。
恋人を失った悲しみから、蒼汰はカーテンを閉め切り、自分の殻へと引き籠ってしまう。そんな彼の前に、ある日突然イケメンのαが押しかけてきた。彼の名前は神木怜音(かみきれお)。
蒼汰と怜音は幼い頃に「お互いが二十歳の誕生日を迎えたら番になろう」と約束をしていたのだった。
そんな怜音に溺愛され、少しずつ失恋から立ち直っていく蒼汰。いつからか、優しくて頼りになる怜音に惹かれていくが、引きこもり生活からはなかなか抜け出せないでいて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる