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本編
10月 ②
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やっと体育祭が終わったと思ったら、翌々週には中間テストが待っていた。
1週間以上の猶予があったのはある意味優しさだと思いたい。
中間テストも3日間に分けられた。
中間テストを来週に控えた週末に発情期を迎えたオレは、その1週間後、1人保健室で受けることになった。
3日目のテストが終わるまでオレは教室に行くことはできないため、1日目と2日目はテストが終わっても保健室から出ることは許されなかった。
ちなみに、他の生徒より1週間猶予をもらった訳だが、発情期中は身体の疼きが酷く勉強する余裕なんて全然なかった。
発情期明けてから土日に掛けて必死に勉強して今臨んでいる。
テストに集中しつつ思うのは、出される課題と、また授業に置いていかれる不安だ。
担任に相談たら、また皇貴先輩、見てくれるか……
バシンッ!
「えっ⁈何?どうしたの?」
「あ、いえ…か、蚊がいたみたいで…あはは」
自分で叩いた左頬をさする。
今、当たり前のように考えてしまった。
しかも、妄想レベルの具体的に考えた。
夏休み最終日の皇貴先輩とのことを思い出すと今も恥ずかしい限りだけど、先月の体育祭の練習で一緒にいた時間は意外に居心地が良かった。
だから、体育祭当日見つけることが出来なくて、とてつもなく不安に駆られた。
結局、家から連絡があって帰っていただけだと教えられて安心した自分がいた。
そういえば、生徒会長に預けたタオル受け取ってくれたかな?
気に入らなかったらどうしよう。
やはり、自分で買いに行くべきだったかな。
「ーーくん。如月くん?」
「ふぇっ?」
「どうしたの百面相して?あと10分だけど、見直しは大丈夫?」
「えっ……」
答案用紙を見る。
三分の一が真っ白だった。
慌てて問題に取り掛かってなんとか埋めたが見直す時間はもうなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「えっ、学園祭?」
「そう、11月の第3土曜日と日曜日にあるんだよ。結季くん、知らなかったの?」
「初耳デス」
3日目のテストを終え教室に行くと、既に学園祭でのクラスの出し物が決まったようで異様に盛り上がっていた。
「来月、ボク発情期だけど、学園祭はその後だから参加できるんだー」
瑠可はすごく嬉しそうだ。
お祭りはやっぱり楽しいものだからな。
オレもちょっと楽しくなってきた。
「で、うちのクラスは何やんの?」
「喫茶店だよ」
「喫茶店かぁ」
意外に普通だなと思った数秒後。
「うん。コスプレ喫茶」
「………ん?」
「あ、ボク達はメイドさんだよ。頑張ろうねー」
ふ、普通じゃなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
学園祭での喫茶店は各学年1クラスまでと決まっていて、出し物はAクラスから優先的に決められるから1-Aの『コスプレ喫茶』は確定だ。
衣装はレンタル、提供する食べ物や教室のレイアウトは外注のため、オレたちがすることはメニューを決めて、当日使う機器の使い方をマスターすること、そして接客だ。
メニューは早々に決まったが、衣装がなかなか決まらなかった。
特にオレ達の。
「ボクは中華風のミニがいいな。あ、でも、ウサミミも可愛いー。結季くんはどれにするの?」
瑠可はタブレットで衣装を見て、あれが良い、これが良いと楽しそうだ。
「オレは…露出が少ないやつが……」
「「却下!」」
「お前ら聞いてんじゃねぇよ!」
クラスの奴らは、各々の好きなアニメやゲームのキャラクターのコスプレをするのを春から決めていたようで、専らオレと瑠可の衣装決めがメインになっていた。
「1日目と2日目で衣装変えてもいいよ。交換とかしても良いし」
「お揃いとかも良いよな」
「ケモ耳付けようぜ」
好き勝手言ってくれる。
瑠可は横で楽しそうに衣装見てるし。
「ボクたち胸ないから胸を主張する服は着れないね。うーん、難しいねぇ」
「あー、オレ着るのめんどくさいのは嫌かも」
結局、1日目と2日目と違う衣装を着ることになり、それぞれ2着衣装を決めた。
その衣装はどれもオレの希望を反映したものではなかった。
イヤ、可愛いんだけどね。
服は…。
1週間以上の猶予があったのはある意味優しさだと思いたい。
中間テストも3日間に分けられた。
中間テストを来週に控えた週末に発情期を迎えたオレは、その1週間後、1人保健室で受けることになった。
3日目のテストが終わるまでオレは教室に行くことはできないため、1日目と2日目はテストが終わっても保健室から出ることは許されなかった。
ちなみに、他の生徒より1週間猶予をもらった訳だが、発情期中は身体の疼きが酷く勉強する余裕なんて全然なかった。
発情期明けてから土日に掛けて必死に勉強して今臨んでいる。
テストに集中しつつ思うのは、出される課題と、また授業に置いていかれる不安だ。
担任に相談たら、また皇貴先輩、見てくれるか……
バシンッ!
「えっ⁈何?どうしたの?」
「あ、いえ…か、蚊がいたみたいで…あはは」
自分で叩いた左頬をさする。
今、当たり前のように考えてしまった。
しかも、妄想レベルの具体的に考えた。
夏休み最終日の皇貴先輩とのことを思い出すと今も恥ずかしい限りだけど、先月の体育祭の練習で一緒にいた時間は意外に居心地が良かった。
だから、体育祭当日見つけることが出来なくて、とてつもなく不安に駆られた。
結局、家から連絡があって帰っていただけだと教えられて安心した自分がいた。
そういえば、生徒会長に預けたタオル受け取ってくれたかな?
気に入らなかったらどうしよう。
やはり、自分で買いに行くべきだったかな。
「ーーくん。如月くん?」
「ふぇっ?」
「どうしたの百面相して?あと10分だけど、見直しは大丈夫?」
「えっ……」
答案用紙を見る。
三分の一が真っ白だった。
慌てて問題に取り掛かってなんとか埋めたが見直す時間はもうなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「えっ、学園祭?」
「そう、11月の第3土曜日と日曜日にあるんだよ。結季くん、知らなかったの?」
「初耳デス」
3日目のテストを終え教室に行くと、既に学園祭でのクラスの出し物が決まったようで異様に盛り上がっていた。
「来月、ボク発情期だけど、学園祭はその後だから参加できるんだー」
瑠可はすごく嬉しそうだ。
お祭りはやっぱり楽しいものだからな。
オレもちょっと楽しくなってきた。
「で、うちのクラスは何やんの?」
「喫茶店だよ」
「喫茶店かぁ」
意外に普通だなと思った数秒後。
「うん。コスプレ喫茶」
「………ん?」
「あ、ボク達はメイドさんだよ。頑張ろうねー」
ふ、普通じゃなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
学園祭での喫茶店は各学年1クラスまでと決まっていて、出し物はAクラスから優先的に決められるから1-Aの『コスプレ喫茶』は確定だ。
衣装はレンタル、提供する食べ物や教室のレイアウトは外注のため、オレたちがすることはメニューを決めて、当日使う機器の使い方をマスターすること、そして接客だ。
メニューは早々に決まったが、衣装がなかなか決まらなかった。
特にオレ達の。
「ボクは中華風のミニがいいな。あ、でも、ウサミミも可愛いー。結季くんはどれにするの?」
瑠可はタブレットで衣装を見て、あれが良い、これが良いと楽しそうだ。
「オレは…露出が少ないやつが……」
「「却下!」」
「お前ら聞いてんじゃねぇよ!」
クラスの奴らは、各々の好きなアニメやゲームのキャラクターのコスプレをするのを春から決めていたようで、専らオレと瑠可の衣装決めがメインになっていた。
「1日目と2日目で衣装変えてもいいよ。交換とかしても良いし」
「お揃いとかも良いよな」
「ケモ耳付けようぜ」
好き勝手言ってくれる。
瑠可は横で楽しそうに衣装見てるし。
「ボクたち胸ないから胸を主張する服は着れないね。うーん、難しいねぇ」
「あー、オレ着るのめんどくさいのは嫌かも」
結局、1日目と2日目と違う衣装を着ることになり、それぞれ2着衣装を決めた。
その衣装はどれもオレの希望を反映したものではなかった。
イヤ、可愛いんだけどね。
服は…。
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