7 / 78
本編
7月 ③
しおりを挟む
バンッ。
ガシャンッ。
引き戸が外れるのではないかというほどの勢いで開けられ、嵌め込まれていた硝子が割れた。
その凄まじい音に全員がビクリと肩が弾み、音がした方を見ようとするが押さえつけられていて見ることができない。
「く、九条……」
「……おい、その手を離せ」
オレの下着に手を掛けて止まっていたヤツの手がカタカタと震え出した。
そいつだけでなく、両サイドでオレを押さえつけていた2人も小刻みに震えていた。
「おい、離せってつってんの聞こえねえのか」
静かだが怒気を含んだ声に、3人は弾かれたようにオレから離れた。
視界が開けたその先には、来てくれるはずがないと思っていた皇貴先輩が居た。
「どけ」
その一言で3人は先を争って出て行った。
「結季」
名を呼ばれて、ハッと起き上がって乱れた服を整えようとしたが、直せたのは捲れたTシャツだけだった。
「結ーー」
「だ、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」
オレに伸ばされた手にビクついて避けてしまった。
シャツのボタンを掴むけど、留めるどころか小刻みに震える身体を抑えることができない。
そんなオレの身体がフワリと包まれる。
「ーー遅くなってごめん……無事でよかった」
さっきまでの張り詰めた空気は和らぎ、優しい薔薇の香りが鼻から肺に入る。
「……うっ……ふっ……ふぐっ……ふえっ…」
オレの震える手はオレを包み込む背中にしがみ付くようにその身体を引き寄せた。
背中をポンポンとされたら涙なんて止まらない。
皇貴先輩の肩口に顔を埋めて声を押し殺して泣いた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
どのくらいそうしていただろう。
気持ちが落ち着いて涙も止まったのに離れたくない。
この匂いをもう少しだけ嗅いでいたい。
ヒックヒックと止まらないしゃっくりの合間に自分から胸に顔を押し付けて匂いを嗅ぐと、皇貴先輩の身体がビクッと跳ねて固まった。
「お、おい……」
頭の上から聞こえた声に、オレの身体が一気に熱くなる。
「はっ……はっ……あれっ…?」
「やっぱり、発情期が来てたのか……」
「はつ…じょぉ…き?」
発情期なら緊急抑制剤を打たないといけないけど……。
「お前、緊急抑制剤は?」
「ぁ………」
オレの視線に気付いた皇貴先輩は振り返り目当てのものを見つける。
「チッ、あいつらか」
「…ご、ごめ……ごめん…な…さ…」
「謝んな」
そう言うと、オレのTシャツの襟を引き伸ばして肩を露わにする。
「ひっ…」
「少し我慢しろ」
剥き出しになった肩に唇を寄せて喋られ、その吐息にフルッと震えた。
「……ぁっ……」
ガリっという音と共に首の根元に痛みを感じ、噛まれたことに気づく。
「ーーこれで少し経てば落ち着くか……ら……ぇ……」
皇貴先輩に噛まれたオレの身体の熱が一気に膨れ上がった。
それと共にオレのフェロモンが強くなったのか、皇貴先輩の呼吸が急に荒くなった。
オメガのフェロモンに充てられるかもしれないから早く離れないとと思うのに、シャツを掴む手が離れない。
もっとピタッとしたい。
触れ合いたい。
脳内で訴えてくるもう1人のオレの声に、燃える様に熱い身体は期待と不安で震える。
「こ…き…せ…ぱい……こ、こわ、い…オレ……ど…うなっ…ちゃ…うの?」
「…くっ……チッ……」
皇貴先輩はオレを抱き上げると、教室の奥に向かった。
一番奥に積まれてあった暗幕を引き出し、勢いのまま広げると、そこにオレを下ろした。
「やっ…」
「大丈夫だ、離さないから」
そう言うと、触れるだけのキスを何度もオレの顔に落としながら着ているシャツを脱がし、裸になった上半身を撫でる。
「やっ…さっき、舐め…られ…から…きた…な」
「汚くない」
オレの耳元で囁くとそのままオレの耳を食み、首筋をなぞる様に下りてきて、さっき他の男に舐められた胸を舐め先端を喰んだ。
「んっ……はぁっ……ああっ」
先ほどとは違って快感しかない刺激に背中が仰け反り、ざらりと当たる舌の感触に更に快感が強くなる。
その間にもう片方の尖も弄られ、皇貴先輩のシャツを掴む手に力が入らなくなった。
その内、自分が発する厭らしい声に堪らなくなって、シャツから離した手で口を覆い声を抑えた。
「隠すな。声、聞かせろよ」
「…で、でも…」
「俺が聞きたいんだ」
「あっ……んぅっ……」
塞いでいた手を掴まれ、指を食まれ舐められた。
行き場を無くしたオレの手は背中に敷かれた暗幕を必死に掴んだ。
身体をなぞられる手がいつの間にかもっと下に移動した。
スルリとスラックスと一緒にボクサーパンツを脱がされた。
皇貴先輩の手は、愛液が溢れ出る後孔をなぞる。
「あっ…あっ…」
「大丈夫だ、最後までしないから」
目蓋にキスをされて見上げると、金色の優しい瞳がオレを見ていた。
「そ…そのめっ……ほし…みたい…キラ、キラ…きれ……」
「ーーっつ……おまっ…クソっ」
熱に浮かされ口走ったオレの唇を皇貴先輩が塞ぐ。
口腔内を蹂躙される気持ちよさに、オレは皇貴先輩の首の後ろに腕を回し引き寄せて、「もっと、もっと」と強請るように舌を突き出して絡めた。
「っ…ふっ…ふっ…あっ…」
後孔をなぞっていた手は前に移動しオレの中心にたどり着く。
皇貴先輩の大きな手で包まれなんとも言えない快感にポロポロと涙が出てきた。
「気持ちいいか?」
「あっ…あっ…きもちっい……せんぱ…は?」
「俺はいい。お前は何も考えずに感じていろ」
「んっ……ゃぁ……せ、んぱいも……いっ…しょじゃなきゃ……ゃっ」
オレの頭を撫でる皇貴先輩の手を掴んで頬擦りする。
「……くっ……」
皇貴先輩は声を漏らした後、自分のスラックスを寛げボクサーパンツから自分のものを取り出し、オレのものと一緒に握り込んで上下に動かす。
「あっ、あついっ……きもち…いぃ…」
自分のより熱く感じるものに擦られる快感がオレを絶頂に導く。
「あああっっーー」
生まれて初めて絶頂を迎えたオレは、そのまま意識を手放した。
__________________
ガシャンッ。
引き戸が外れるのではないかというほどの勢いで開けられ、嵌め込まれていた硝子が割れた。
その凄まじい音に全員がビクリと肩が弾み、音がした方を見ようとするが押さえつけられていて見ることができない。
「く、九条……」
「……おい、その手を離せ」
オレの下着に手を掛けて止まっていたヤツの手がカタカタと震え出した。
そいつだけでなく、両サイドでオレを押さえつけていた2人も小刻みに震えていた。
「おい、離せってつってんの聞こえねえのか」
静かだが怒気を含んだ声に、3人は弾かれたようにオレから離れた。
視界が開けたその先には、来てくれるはずがないと思っていた皇貴先輩が居た。
「どけ」
その一言で3人は先を争って出て行った。
「結季」
名を呼ばれて、ハッと起き上がって乱れた服を整えようとしたが、直せたのは捲れたTシャツだけだった。
「結ーー」
「だ、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」
オレに伸ばされた手にビクついて避けてしまった。
シャツのボタンを掴むけど、留めるどころか小刻みに震える身体を抑えることができない。
そんなオレの身体がフワリと包まれる。
「ーー遅くなってごめん……無事でよかった」
さっきまでの張り詰めた空気は和らぎ、優しい薔薇の香りが鼻から肺に入る。
「……うっ……ふっ……ふぐっ……ふえっ…」
オレの震える手はオレを包み込む背中にしがみ付くようにその身体を引き寄せた。
背中をポンポンとされたら涙なんて止まらない。
皇貴先輩の肩口に顔を埋めて声を押し殺して泣いた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
どのくらいそうしていただろう。
気持ちが落ち着いて涙も止まったのに離れたくない。
この匂いをもう少しだけ嗅いでいたい。
ヒックヒックと止まらないしゃっくりの合間に自分から胸に顔を押し付けて匂いを嗅ぐと、皇貴先輩の身体がビクッと跳ねて固まった。
「お、おい……」
頭の上から聞こえた声に、オレの身体が一気に熱くなる。
「はっ……はっ……あれっ…?」
「やっぱり、発情期が来てたのか……」
「はつ…じょぉ…き?」
発情期なら緊急抑制剤を打たないといけないけど……。
「お前、緊急抑制剤は?」
「ぁ………」
オレの視線に気付いた皇貴先輩は振り返り目当てのものを見つける。
「チッ、あいつらか」
「…ご、ごめ……ごめん…な…さ…」
「謝んな」
そう言うと、オレのTシャツの襟を引き伸ばして肩を露わにする。
「ひっ…」
「少し我慢しろ」
剥き出しになった肩に唇を寄せて喋られ、その吐息にフルッと震えた。
「……ぁっ……」
ガリっという音と共に首の根元に痛みを感じ、噛まれたことに気づく。
「ーーこれで少し経てば落ち着くか……ら……ぇ……」
皇貴先輩に噛まれたオレの身体の熱が一気に膨れ上がった。
それと共にオレのフェロモンが強くなったのか、皇貴先輩の呼吸が急に荒くなった。
オメガのフェロモンに充てられるかもしれないから早く離れないとと思うのに、シャツを掴む手が離れない。
もっとピタッとしたい。
触れ合いたい。
脳内で訴えてくるもう1人のオレの声に、燃える様に熱い身体は期待と不安で震える。
「こ…き…せ…ぱい……こ、こわ、い…オレ……ど…うなっ…ちゃ…うの?」
「…くっ……チッ……」
皇貴先輩はオレを抱き上げると、教室の奥に向かった。
一番奥に積まれてあった暗幕を引き出し、勢いのまま広げると、そこにオレを下ろした。
「やっ…」
「大丈夫だ、離さないから」
そう言うと、触れるだけのキスを何度もオレの顔に落としながら着ているシャツを脱がし、裸になった上半身を撫でる。
「やっ…さっき、舐め…られ…から…きた…な」
「汚くない」
オレの耳元で囁くとそのままオレの耳を食み、首筋をなぞる様に下りてきて、さっき他の男に舐められた胸を舐め先端を喰んだ。
「んっ……はぁっ……ああっ」
先ほどとは違って快感しかない刺激に背中が仰け反り、ざらりと当たる舌の感触に更に快感が強くなる。
その間にもう片方の尖も弄られ、皇貴先輩のシャツを掴む手に力が入らなくなった。
その内、自分が発する厭らしい声に堪らなくなって、シャツから離した手で口を覆い声を抑えた。
「隠すな。声、聞かせろよ」
「…で、でも…」
「俺が聞きたいんだ」
「あっ……んぅっ……」
塞いでいた手を掴まれ、指を食まれ舐められた。
行き場を無くしたオレの手は背中に敷かれた暗幕を必死に掴んだ。
身体をなぞられる手がいつの間にかもっと下に移動した。
スルリとスラックスと一緒にボクサーパンツを脱がされた。
皇貴先輩の手は、愛液が溢れ出る後孔をなぞる。
「あっ…あっ…」
「大丈夫だ、最後までしないから」
目蓋にキスをされて見上げると、金色の優しい瞳がオレを見ていた。
「そ…そのめっ……ほし…みたい…キラ、キラ…きれ……」
「ーーっつ……おまっ…クソっ」
熱に浮かされ口走ったオレの唇を皇貴先輩が塞ぐ。
口腔内を蹂躙される気持ちよさに、オレは皇貴先輩の首の後ろに腕を回し引き寄せて、「もっと、もっと」と強請るように舌を突き出して絡めた。
「っ…ふっ…ふっ…あっ…」
後孔をなぞっていた手は前に移動しオレの中心にたどり着く。
皇貴先輩の大きな手で包まれなんとも言えない快感にポロポロと涙が出てきた。
「気持ちいいか?」
「あっ…あっ…きもちっい……せんぱ…は?」
「俺はいい。お前は何も考えずに感じていろ」
「んっ……ゃぁ……せ、んぱいも……いっ…しょじゃなきゃ……ゃっ」
オレの頭を撫でる皇貴先輩の手を掴んで頬擦りする。
「……くっ……」
皇貴先輩は声を漏らした後、自分のスラックスを寛げボクサーパンツから自分のものを取り出し、オレのものと一緒に握り込んで上下に動かす。
「あっ、あついっ……きもち…いぃ…」
自分のより熱く感じるものに擦られる快感がオレを絶頂に導く。
「あああっっーー」
生まれて初めて絶頂を迎えたオレは、そのまま意識を手放した。
__________________
24
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
白銀の城の俺と僕
片海 鏡
BL
絶海の孤島。水の医神エンディリアムを祀る医療神殿ルエンカーナ。島全体が白銀の建物の集合体《神殿》によって形作られ、彼らの高度かつ不可思議な医療技術による治療を願う者達が日々海を渡ってやって来る。白銀の髪と紺色の目を持って生まれた子供は聖徒として神殿に召し上げられる。オメガの青年エンティーは不遇を受けながらも懸命に神殿で働いていた。ある出来事をきっかけに島を統治する皇族のαの青年シャングアと共に日々を過ごし始める。 *独自の設定ありのオメガバースです。恋愛ありきのエンティーとシャングアの成長物語です。下の話(セクハラ的なもの)は話しますが、性行為の様なものは一切ありません。マイペースな更新です。*
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年。
かつて自分を救った玲に再会した静は玲に対して同じ苦しみを味合わせようとする。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
【完結】選ばれない僕の生きる道
谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。
選ばれない僕が幸せを選ぶ話。
※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです
※設定は独自のものです
※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる