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エピソード17
終わりなき行く末(4)
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ヴィンセントさんが驚いた表情を浮かべる。
「あなたは、セシルが自分の保護者になりえる相手を
探していると思っていたようですが、実際は違ったんですよ。
たぶん、セシルは……叔父――ハルにも、
同じことを言ったんでしょう。だから、断られた」
僕は上掛けの上で手を組むと、思いを巡らせた。
「叔父は根無し草というか……
1人を愛しているようなところがあって、
死徒がいるとも聞いたことがありません。
自由気ままに出かけるには、死徒は足手まといだと
考えているのかもしれない。
僕に会いに行ってみたら、と勧めたのは、
僕が屋敷を出ることがないからでしょう」
「……しかし、何故そんなことを」
「セシルは1人になるのが嫌だったんじゃないんです。
あなたとずっと一緒にいたかったんですよ」
僕の言葉に、ヴィンセントさんは小さく目を見開いた。
「あなたは、第一級処刑官……ですね。
以前、本で読んだことがあります。
一級処刑官は、倒した夜の眷属たちの憎しみを
己の体内に『呪い』として蓄積している。
それは次第に体を蝕み……やがては死に至る。
普通の人よりも、ずっと寿命は短くなってしまうと」
一緒にいたい相手を、失う恐怖。
それがどれほど、まともな思考を奪うかを……僕はよく知っている。
「それで、セシルは焦って相談を……
でも、僕は断りました。
『ヴィンセントさんの気持ちはどうなるんですか』なんて正論で
彼を突き放したんです。
その言葉が、セシルを傷つけると分かっていて、僕は……
だから、彼は獣と交わした約束に従った」
そう言うと、自嘲の笑みがこぼれた。
どの口が言うのだろう?……セシルは僕と同じだ。
ただ、彼は自分で出来なかったから失敗してしまっただけで。
「最後の最後まで、彼は躊躇っていました。
その一線を越えさせたのは、僕の無神経さだったんですよ」
「……いや」
ヴィンセントさんがかぶりを振る。
「だからと言って、お前のせいとはならない。
決めたのも、やったのも、セシルだ。
だが、そうか。アイツは……そんなことを考えていたのか」
誰にともなく呟かれた、最後の言葉。
ヴィンセントさんの眼差しが、柔らかさを帯びた。
「俺は、今までアイツの何を見てきたんだろうな。
お前に聞かなければ、俺は……死ぬまで気付きもしなかった」
――翌日の夜。
僕が目を覚ましたこともあり、
セシルとヴィンセントさんは屋敷を出ることになった。
「あなたは、セシルが自分の保護者になりえる相手を
探していると思っていたようですが、実際は違ったんですよ。
たぶん、セシルは……叔父――ハルにも、
同じことを言ったんでしょう。だから、断られた」
僕は上掛けの上で手を組むと、思いを巡らせた。
「叔父は根無し草というか……
1人を愛しているようなところがあって、
死徒がいるとも聞いたことがありません。
自由気ままに出かけるには、死徒は足手まといだと
考えているのかもしれない。
僕に会いに行ってみたら、と勧めたのは、
僕が屋敷を出ることがないからでしょう」
「……しかし、何故そんなことを」
「セシルは1人になるのが嫌だったんじゃないんです。
あなたとずっと一緒にいたかったんですよ」
僕の言葉に、ヴィンセントさんは小さく目を見開いた。
「あなたは、第一級処刑官……ですね。
以前、本で読んだことがあります。
一級処刑官は、倒した夜の眷属たちの憎しみを
己の体内に『呪い』として蓄積している。
それは次第に体を蝕み……やがては死に至る。
普通の人よりも、ずっと寿命は短くなってしまうと」
一緒にいたい相手を、失う恐怖。
それがどれほど、まともな思考を奪うかを……僕はよく知っている。
「それで、セシルは焦って相談を……
でも、僕は断りました。
『ヴィンセントさんの気持ちはどうなるんですか』なんて正論で
彼を突き放したんです。
その言葉が、セシルを傷つけると分かっていて、僕は……
だから、彼は獣と交わした約束に従った」
そう言うと、自嘲の笑みがこぼれた。
どの口が言うのだろう?……セシルは僕と同じだ。
ただ、彼は自分で出来なかったから失敗してしまっただけで。
「最後の最後まで、彼は躊躇っていました。
その一線を越えさせたのは、僕の無神経さだったんですよ」
「……いや」
ヴィンセントさんがかぶりを振る。
「だからと言って、お前のせいとはならない。
決めたのも、やったのも、セシルだ。
だが、そうか。アイツは……そんなことを考えていたのか」
誰にともなく呟かれた、最後の言葉。
ヴィンセントさんの眼差しが、柔らかさを帯びた。
「俺は、今までアイツの何を見てきたんだろうな。
お前に聞かなければ、俺は……死ぬまで気付きもしなかった」
――翌日の夜。
僕が目を覚ましたこともあり、
セシルとヴィンセントさんは屋敷を出ることになった。
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