婚約破棄で終わらない! 策謀家王子と腕力家公爵令嬢 チートな二人のそれからはじまる物語り

此寺 美津己

文字の大きさ
32 / 248

第32話 魔道院の支配者

しおりを挟む
クローディア公爵はその晩、意外な人物の訪問をうけた。

知らぬ顔ではない。
今までも宮中で、何度かは戦場でも顔は合わせている。
だが、会話らしい会話はしたことがなかった。

名を魔道院総支配ボルテック卿という。

予約はなかった。あれば、多忙を理由に断っていたかもしれない。
突然の訪問であるが、一応の先触れはあった。

黒衣にすっぽりと身を包んだ人間(の形をしたもの)が正門の前に現れ、当番兵の誰何をうけて、これからボルテック卿の訪問があることだけ、告げると煙のように消え去った。

半刻も立たぬうちに、クローディア公爵の屋敷の前に、馬(に似せた何か)に引かせた馬車がしずしずと到着し、供回りも連れぬボルテック卿自身が自分自身で来訪を告げたのだ。

そこまでされてしまっては、面会を断る理由もない。

クローディア公爵は、ハルト王子の捜索のために、魔道院から何名かの魔導師の援助をもらっていた。
さらには、彼の愛娘フィオリナは迷宮内でエルマート王子ともども行方不明であり、こちらも早急に捜索の必要があった。

すでに、クローディアは、踏破級のパーティ「彷徨えるフェンリル」にフィオリナの愛剣をもたせて、先行させているが、首尾よくフィオリナが見つけられたかどうかは、未だに不明である。

迷宮攻略の任を命じられたボルテック卿とは、たしかにここらで打ち合わせをしておく必要はあった。

「先日の『魔王宮』では大変お世話になりました。」

それなりに豪奢な応接室に、特上の酒を用意したクローディアは、まず、そう礼を述べた。

「ボルテック卿があのタイミングで駆けつけていただかなかったら、冒険者たちにどのような被害がでたやもしれません。
おかげで、負傷者こそ多数出ましたが、死んだものはおりません。
負傷者も、ときがたち傷が瘉えればまた復帰が可能な者ばかりです。あのとき、卿が来ていただいたのはまさに天の采配です。」

「悪い知らせをもってきてやったわい。」

彼の若い頃から老人だった老人はいきなりそんなことを言って、クローディアを困惑させた。

「お聞きしましょう。」
と、クローディアが応えると、ボルテックは呵呵と笑って手を叩いた。

「見事だな、クローディア公。さすがはあれの舅じゃ。」

こんな人物だったか。
と、クローディアはボルテックの顔をあらためてみた。

皺ぶかい老人の顔。だが、フードをはずした頭部は、灰色になりかけているが、頭髪も充分に残り、姿勢も矍鑠としている。
記憶をたどったが、その姿はいつも同様であり、たしかに百歳を超えると言えば、そう受け取ることもできるだろうし、70代と言われてもそうかと思う。60代と言われても納得できる。
たしかに「老人」ではあるのだが、よくよく見ればその年齢は曖昧模糊として判別がつかない。

記録では、当代のシャインベルグ公爵の大叔父にあたるはずなので、百歳を2つ3つは越えているはずなのだが。

「ときに、クローディア公。あれをどうみる? クリュークとかいう燭乱天使のリーダーだ。」
「油断のできぬ人物と受け止めております。」

それなりに言葉を選ぶことは、クローディアは得意ではないにせよ、これも政治だ。上位貴族には必要なスキルだった。

「ふむ。やつは、わしとの迷宮攻略の打ち合わせもせず、一日ばかり王都を離れておった。」

ボルッテクは、酒のグラスを遠ざけて茶を所望した。

「もどってきたときは、3人になっておった。」
「つまり、燭乱天使の追加のメンバーを迎えに行っていたと?」
「ひとりは、のっぺり顔の若僧で、『絵師』ニコルという。」
「名は聞いています。
紋章を刺青として彫り込むことで、様々な能力を強化、付与する紋章師、彼はそれを筆1本で行うとか。」

「だが、へぼ、じゃ。
やつに紋章を描かれた者は、すべて己を失い、短時間で死に至るという。
ヴェイルの戦い以降、姿をくらましていたが、燭乱に、拾われておったか。」

「ヴェイル殲滅戦。」
クローディアは顔を歪めた。
それ以降、紋章師の取り扱いそのものが各国で変わった、と言われる。

紋章で強化されたひとりの兵士は、敵も味方も皆殺しにし、さらに戦場近くのヴェイルの町を襲った。

とある冒険者に倒されるまで、町の半分が灰燼と化し、犠牲者は数千とも言われている。

「その冒険者がクリュークで、紋章を施したのがニコル。」

「まったくなあ。」
ボルテックは、運ばれてきた茶をすすりながらしみじみ、ため息をついた。
「どうされたのです?」

「いや、さ。話しがこうもするすると出来るのはありがたいもんだ。
ほかの貴族どもでは、こうはいかん。」
「恐れ入ります。」
表現は妙だが、クローディアは一応、彼のおメガネにはかなったらしい。

「で。ここからが悪い知らせということになる。」
「お聞きします。」

クローディアは居住まいを正した。

「お主が、先行させた“彷徨えるフェンリル”だが、昨日迷宮から戻っておる。
ただし、リーダーの戦士は戻らず、代わりにリヨンというあの」
ボルテックは意味ありげな目でクローディアを見た。
「お主と仲の良い女が一緒だった。負傷しているらしく、これをクリュークのもとに届けたのだが。」

「わたしに報告するより先に、クリュークもとを訪れた、ということですか。」

「そうじゃな。リヨンを連れ帰ったことから見ても、御令嬢の一向と迷宮内で出会えたことは間違いない。
その報告をせずに、クリュークにリヨンを届けることを優先した。
リヨンが負傷していたからなどと言ってくれるなよ。
冒険者にとって、依頼を果たしたら褒賞をうけとることは、依頼を果たすことよりも重要なはずだ。」

「なかなかに真理をついた名言ですね。誰の言葉ですか?」

お主の婿じゃな、と言われて、クローディアは苦笑しながら言った。

「つまりは、“彷徨えるフェンリル”とクリュークは繋がっている?」

「踏破級のパーティでは、王都への到着も群を抜いて早い。もともとクリュークが別働隊として呼び寄せたのだろう。」

ふむ。

と言って、クローディアはソファに深く座り直した。

「卿の見解にはわたしも賛成です。ただし、それをもってクリュークが敵だと断言することはできない。」
「これは、完全に私見じゃが、クリュークの目的は、この国そのものかもしれんぞ?」
「それをもってクリュークが敵だとは断言できません。」

ううむ。

とボルテックが感心したように唸った。

「まったく同意見じゃ。」

頭の固い、例えば法務卿などが聞けば「叛逆の意思あり」と喚き出しかねないセリフを平然と口にする。
もっとも誰がいくら喚こうが、クローディア公爵にせよ、ボルテック卿にせよ、喚いた相手をひと睨みで黙らせる自信はあったが。

「ご令嬢のことだが。」
「あれは無茶をするようで堅実な娘です。愛剣が手元に届いた以上、それこそ階層主の首を持ち帰ろうなどと思わない限り、心配はしておりません。
殿下も無事に連れ帰るでしょう。」

本当は階層主の首を持ち帰ろうと言い出しかねないのが不安ではあったが、あえてそこには触れなかった。

「しかしな。エルマートの小僧だけならまだしも、駆け出し冒険者が二名。
足手まといが多いと思わぬところで足元を掬われるものじゃぞ。」

「ヨウィスがついております。
若いが腕のよい冒険者です。
魔道院にも所属しておりますが、卿はご存知ありませんか。」

「知っておる。奨学金の資格があるのに冒険者で稼いでおるかわりものだが、優秀な研究者だ。わしも注目しておった。
専門は魂の分離と統合じゃ。春先に仕上げた論文もいいできじゃった。

あとは、料理サークルの副部長で、“ヨウィスちゃんの銅貨三枚クッキング”というレシピ本を出版しておる。

収納魔法はとんでもなく優秀だが、攻撃魔法が得意とは聞いておらん。
案外、ひとつも知らないんじゃないのか。」

付き合いの長いクローディアも、ヨウィスのクッキングレシピの話は知らなかった。
確かに特定のパーティには所属していない彼女が、異様に人気の理由のひとつはそれなのだろう。

「あれは、鋼糸使いなのですよ。流派は羅刹流。
ギルド一、いや王都でも最高の使い手でしょうな。」

「元“彷徨えるフェンリル”の駆け出し冒険者が二名はどうじゃ?。」

「うちの一名、女性の新米冒険者は、光の矢を無詠唱で連射しておりました。間違っても足手まといにはなりますまい。
もうひとりの少年も頭が切れ、体術もなかなか。
うちのパーティメンバーから、ジャイアントスパイダーの爪をかい潜って、急所に短剣を刺したとの報告を受けております。」

ボルテックが、少し顔をしかめた。
しばらく沈黙したあと、やや言いにくそうにのろのろと呟くように問うた。

「わしが着いたのが、ご令嬢が転移で飛ばされた直後で、見てはおらん…が、その坊主の話しはほかからも聞いておる。
例えば、バルゴールやグランダからもな。

なあ、
その坊主は、ハルトじゃないのか。」

クローディアは、苦笑した。

「確かに背格好や顔立ちはよく似ていますよ。
名前をかえて、よそのパーティに潜り込むなんてやり方も、私の知る殿下ならやりそうですが、ね。
しかし、さすがにそうならそう、とわかりますよ。
少々の変装なら見破れますし、認識阻害の魔法は使われていればけっこう気が付きやすいものです。」


(と自信を持って言いきれるこの男を騙しおおせる認識阻害魔法か。)


ボルテックは心の中だけで呟いた。
なるほど、これはますます持ってその少年がハルトで間違いなさそうだ。

「もうひとつ情報を教えておこう。これはよくも悪くもない。
わしもどう解釈したらよいか判断に迷っている事象だ。」
「私のような武辺者に。卿が判断のつかぬような物事を話されても・・・・」
「腹の探り合いはなし、にしておこう。
お主と話しているうちに、わしも久しぶりに他人の意見や見解をきいてみたくなったものでな。

これは“魔王宮”そのものについての話じゃ。
五十年前、この国が当時の最高の戦力を集めて、第6層の階層主に挑んだのはなぜか、知っておるか?」

「欲、でしょう。」
とクローディアは端的に答えた。
「もともと、貴重な素材やアイテム、希少金属の宝庫として、王都の繁栄の一翼を担っていたのが“魔王宮”ときいております。
第7層を攻略できればさらなる富と知識が得られると・・・・当時の王がそのように判断したと聞いております。」

「うむ。それはその通りじゃ。だが、なぜ50年前のあのときだったのか? 100年前でも200年前でもなく、『あのとき』だったのか?」

「ふむ」
クローディアは顎髭を撫ぜて考え込んだ。
「確かに、当時、この国は他国との戦もなく、戦力を迷宮に投じ易い状況ではありました。
しかし、6層の階層主が何者か、その恐ろしさは、突破、ではなく対話、を試みた数少ない冒険者を通じて知れ渡っておりました。

第6層まででも充分に利益の出ている魔王宮。なぜ、階層主へ挑もうと考えたのか。」

「魔素、という考え方がある。」
ボルテックは言った。
初歩の初歩を教える教師の口調になっている。
「それ自体はみな、体内にもっている魔力の源だが過ぎれば、毒となる。
そんな代物だ。
迷宮の難易度を測るのにこの魔素の計測がひとつの目安になる。」

「魔王宮は?」

「もともと最高クラスの難易度だったはずじゃ。それが、50年前のあのとき急激に魔素が減少した。」

「つまりは、コアまたはマスターになにか異変があったと?」

「その通り。
迷宮の主に、死かそれに近いような弱体化があったと推測できた。

あくまで推測、なのだが、当時の魔道院ならびにこの国の上層部はそれを千載一遇の好機とみなした。」

「・・・・そしてかの惨劇・・・となったわけですか。」

ボルテックはソファに沈んだ。
いかん、この話をするとどうしても気が高ぶる。失われた友、弟子、部下たち。

「で、魔素の減少は? 現在はどうなっているのです?」

「減少が続いておる。」
ボルテックは、指先にオレンジの蛍光を灯して、空に図を描いた。
「50年前に急激な魔素の減少があった、あの時期を100とするなら、毎年2から3分。コンスタントに減り続けいている。
現在は、入口にあった瘴気溜まりを解消した結果、測定の限界を下回っている。

つまりは外界とほとんど変わらぬ、ということだな。」

「それにもかかわらず、階層主は従来のジャイアントスパイダーから大幅に格上げされている。」

「その通りじゃ。グランダが第6層を突破などと寝言をほざき出したのも、この数値が回り回って耳に入ったのかもしれぬ。
例の“夜会派”にも魔道院に属するお調子者が出入りしておるでな。」


「私からもひとつ」
とクローディアは言った。
「先ほど、名前の出たリヨンという女冒険者のことですが」

「お主をだいぶ、好いておるらしい。侍女に止められなければ、もっと深い仲になっていたかもしれぬ、と。」

そんなことになったら、その侍女に殺されていたかもしれない。

「・・・それはともかく・・・・」

大きく咳払いして先を続ける。

「あの娘の身体に施された虎の文様・・・あれは、『凶気の紋章師』ニコルの手によるものでは。」

ボルテックはちょっと考えてから言った。

「いや、それはないと思うぞ。あのニコルの筆を受けて正気を保てたものはきいたことがない。」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...