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大賢者はダンジョンで運命と出会う(ヒューSIDE)
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アイテムボックスから簡易テーブルと椅子(木製)を出して並べる。魔石を使った自作のIHコンロを出して、ストックしてある調理済みのスープの鍋を出す。
確かこれは(前世でいう)玉ねぎ、人参、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、じゃがいも、ベーコンのブロック、鶏肉、粗引き胡椒、コンソメスープ、だったな。よし、あっためてと。まあ、時間経過なしだからあったかいはあったかいんだけど、気分の問題かな。
パンもあった方がいいか。カンパーニュとかどうだろう。この世界は基本黒いパンだからな。こっちの方が味に馴染みがあるだろう。すぐに出られなかったら好みを探っていけばいい。
食材のストックは10年分くらいあるし。
アレ?なんだか目を丸くしたまま固まってるぞ?メルト君…。あ、このコンロって売りだしてないかな?
「このコンロは魔道具で、自信作で持ち歩きも出来てダンジョンで使っても酸欠にならないから超便利なんだ。魔石もちっちゃいので動くようにしたし。冬はテーブルの上で鍋もできるよ?」
俺は魔道具職人だから、色々便利グッズ(前世であったような道具)を再現して使用感を試して、商会で売っている。ハディーに許されてないのは俺のアイテムボックスで死蔵中だけど。
メルトはよくわからないって顔をして頷いていた。
スープ皿とスプーン(木製)をメルトの前において、パンは対面に座っている俺との間におく。スライスして、一応バターも脇に小皿に盛っておいてある。コップに入れた水も用意した。
じっと眺めて手をつけないから警戒してるのかなと思った。
「どうした?毒なんか入ってないぜ?」
だから俺はスープの入った器を持ち上げてスープを、スプーンで掬って口に入れて食べて見せた。
笑って見せると、メルトは視線を器に落とし、恐る恐る口にした。
そうして目を見開いた。火傷でもしたのかと思って聞くと美味しいと答えが返ってきた。ほっとして食事を再開すると、メルトはお代わりをして幸せそうな顔をした。
口に合ってよかったとそう思った。それによく食べる子だ。それならよかった。
さて、もう今日は寝てしまおう。
疲れは判断力を鈍らせるからな。あの子にも説明をして納得してもらった。
そこで龍の寝床で活躍したテントの出番だ。
出したらびっくりしてた。そうか、びっくりするのか…。
『ヒュー、君はもう少し自分の行動の意味を考えた方がいい。他人からどう見えるかも。といっても止まらないのはわかっているけどね?』
そう言ったのは、ハディーだったか。
まあ、反省はしたけど、後悔はしてない。俺は俺だ。前世含めて今の俺(ヒュー)だから、好きなようにする。こんな極限の場面で、身バレが、とか、機密とか、くそくらえ、だ。ハディーの前では怖くて言えないけど、心の中で叫ぶのは自由だ。
へたれじゃない。
へたれじゃないんだ。
「なんだこれ!?」
メルトが叫んだ。あー、これってこの世界の非常識?まあ、見かけの3倍は中の空間あるもんなあ…。
俺は開き直って説明した。
「あ。そうか、初めて見る人は驚くんだったっけ。その前にセキュリティの起動しないとなあ。メルト、ここに魔力流してくれる?」
魔力といった時にメルトの目が泳いだ。
ん?魔力の扱いが苦手なのか?魔力はないわけじゃないだろう?かなり多い方だと思うが。
何やら地雷の気がしたので、そこは次善策を提案した。
体液には魔力が宿っている。だから魔力認証に使うなら、何でもいい。唾でも、涙でも、血液でも。一番濃いのは精液だが。
言われたとおりに唾を付けた。テントの結界作動の除外人物にメルトを登録する。これで、俺とメルトしかこのテントは使えないし、侵入できない。簡単にシステムをメルトに説明して休むことにする。
「とにかく中で休もう。先にお風呂でいいかな?これは俺がこだわって作ったお風呂でね…」
「作った!?」
メルトは思わずといった声をあげた。
「ああ、このテントは俺の自慢の魔道具でね。一から作り上げた世界に一つしかないテントだよ。多分?」
「なんで多分?」
「うーん、世界は広いから俺みたいなやつがいるかもしれないし。これ作ったのずいぶん前だから俺が知らないだけでどこかで流通してるかもしれないかなって。最近までずっと外に出てなかったからね。」
「ヒューが二つ作ってないなら世界に一つでいいと思う。」
メルトは素直に凄いという目で俺を見て、微笑む。そうか、ハンドメイド品は確かに、自分が作った物しか世界にないよな。たとえ似たようなものがあったとしても。
目から鱗だ。
思わず俺はメルトを凝視して、なんとなく嬉しくなって笑った。
「うん。そういえばそうだ。じゃあ、お風呂行こうか。」
自慢のお風呂を披露しよう。
「シャワーで身体を流してからそこにある液体せっけんで身体を洗って、そこの湯船にお湯を張ってゆっくりあったまるといいよ。俺はメルトの次に使うから。」
さすがにフィメル(と思われる)メルトと一緒にお風呂はまずいだろうと思って、浴室をを出て行こうとする俺のローブが引かれた。えっと思って振り返ると、困った顔したメルトがいた。
「俺、魔道具、使えないんだけど…」
「あ!」
そうだった。魔力流せないんだ!
うーん。一緒に入って使い方説明して出ちゃっても、シャワー止める時困るなあ。でもなあ。裸で二人一緒っていうのは俺がまずいけど。
よし、俺の理性、がんばれ。
「一緒に入ろうか?使い方も説明するよ。」
洗面所兼脱衣所で服を脱いで入るということを説明し、籐に似た植物で編んだ籠に服を入れるように説明し、お互いに裸になった。
意外とメルトは思い切りよく脱いでいった。
俺、メイルなんだけどなあ。警戒心は?なんだかすごく心配しちゃうな。
悪いメイルに食われそう。
メルトは細身だが所謂細マッチョだった。無駄な脂肪はなにもついてなくて、細い腰に、引き締まった臀部の筋肉。シックスパックがうっすらと浮かび、胸板はそれほど厚くはないけれど、実用的な筋肉がついていて、薄いピンク色の飾りが白い肌に映えていた。
股間の物は身体相当の大きさで、強いていうなら日本人の平均的なものだった。小さくはなくフィメルであるなら平均だった。
ついちらちらと盗み見てしまった。すっごく触りたくてドキドキした。
俺を疑いもしないメルトの視線に罪悪感を抱きつつ、浴室への扉をひらいてメルトを招き入れた。
中を見たメルトは零れそうな瞳をめいっぱい見開いて、また、なんだこれ!?と叫んだ。
浴室は魔法陣を付与してあって出た後自動的に乾燥するようになっている。壁材はシックなダークブラウンの石。吸湿性と乾燥性に優れたダンジョン産の石材だ。
グレーの床は滑りにくいよう加工してあるが、排水しやすいようにしてある。保温性がある石材を使用していて、クッション性もある。
浴槽は温泉の大浴場を小型化してあるタイプで、床からつるつるした縁が10センチほど高くなっているだけで、中は身体を沈めると肩が出るくらいの深さ。
スイッチになる魔石はお湯が赤、水が青。自動的に満タンになったら止まって、浴槽に保温と浄化、排水の魔法陣が付与してあって、中にあるお湯は常に浄化され、排水したお湯はシャワーのと一緒に気化して乾かしてしまうので外に排水する必要はない。
浴室全体は出た後に浄化されて乾燥する魔法陣が付与してあって、入口の照明のスイッチの下に作動スイッチを設けてある。
椅子は檜に似た木材。シャンプー、コンディショナー、ボディーソープは柑橘系の香り。俺お手製の物だ。ポンプ式で前世の物に似せてあるが、ガラス製で、中のパイプはスライム由来、ポンプの吹き出口は金属製だ。これは貴族には販売してるらしい。浄化魔法じゃ髪の艶は出ないとかいってたな。フィメルに人気があるようだ。
スポンジは海綿に似た物を探して加工した。
毒気を抜かれたメルトは、俺に洗われている間、修行僧のような顔になっていた。
メルトは浄化魔法が使えないから、お風呂は必要なんじゃないかと思う。
お互いさっぱりした後、浴槽に身体を沈めた。俺は髪が長いので髪ゴムで括った。もちろん自作だ。
はー生き返る。
並んで座って、メルトの顔を見る。気持ちいいのか、表情が少し緩んでいる。
ああ、可愛いな。理性、仕事しろよ~。
「どう?初めて入った“お風呂”は。」
問いかけると俺を見たメルトの視線が、俺の股間に行ったのがわかった。
まあ、興味あるよね。年頃だしね。俺のはメイルの中でもでかい方だと言われてるし。
「…気持ち、いい…」
ほんとに気持ちよさそうな声で、やばいと思った。誤魔化すように何度も頷いた。特にメルトは色が白いのでお湯に浸かって赤くなった肌と白い肌のコントラストが色っぽい。緩んでる表情の頬は上気して、色気がある。
理性、仕事しろ!!
「そろそろでようか。顔が真っ赤だ。色が白いから余計赤くなるんだろうなあ…」
つい言って視線がメルトを撫でた。あ、気付かれたな。俺もやばいし、さっさと出よう。浴槽を出て、手を伸ばす。首を傾げているメルトの手をとって、促した。
浴室を出ると、魔法で水気を飛ばして、髪はドライヤー魔法で乾かした。髪が痛まないよう調整済みです。
洗面台の棚からブラシを出して髪を整えて、アイテムボックスから、新品のパジャマと下着を出した。メルトには黒が似合うと思って黒のパジャマだ。俺は紺。
お揃いだ。
驚いてるメルトを主寝室に引き入れて、ベッドに強引に引っ張りこんだ。
はっきり言おう。理性は仕事を放棄した。
細い体を抱き込むと柑橘系の甘い香りがする。メイルを誘うような香り。
メルトと俺の相性は最高だった。
多分、俺からもメルトを誘う香りが出ているんだろう。
魔力の相性のいいものは、こういうフェロモンみたいなものが作用する。発情期は強力なそれがフィメルから出る。メイルはそれに反応して自分もフェロモンを出す。
魔力がお互いを巡って、混じり合う。それは強烈な快感を伴う。
魔力の相性がいい者が与えてくれる魔力は媚薬に似ているのだ。
逆に悪い者が与えると吐き気や頭痛、酷いと倒れるくらいの拒否反応が出る。
メルトは大人しく俺の腕に収まっているから、多分メルトも感じてるのだろう。ほんのり熱い体温が心地いい。
俺はスリープの魔法を使って、メルトを寝かせた。
これでしばらくは起きない。8時間後に目が覚めるようにかけた。
はあと息を吐くと、魔法を解いて元の身体に戻る。最初から、こっちの姿で会えば警戒もされなかっただろうなと思うけど、よかったのかもしれない。
若いメルトは頼れるくらいの大人がいた方がいいだろう。
あの姿は魔力がいるからこうして夜は解かないといけないけど。
俺はメルトとほぼ同じくらいの体型になって、メルトを抱き抱えた。いや、少し俺の方が細い??
抱きかかえた目を閉じているメルトの額にキスした。
「おやすみ、メルト」
夢で、勇者が笑っていた気がした。
『素晴らしいパートナーを見つけて、幸せになって老衰で亡くなって欲しい。あ、ヒューの子供もみたいかな。これは俺の遺言だよ。』
見つけたみたいだと、夢の中で思った。
確かこれは(前世でいう)玉ねぎ、人参、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、じゃがいも、ベーコンのブロック、鶏肉、粗引き胡椒、コンソメスープ、だったな。よし、あっためてと。まあ、時間経過なしだからあったかいはあったかいんだけど、気分の問題かな。
パンもあった方がいいか。カンパーニュとかどうだろう。この世界は基本黒いパンだからな。こっちの方が味に馴染みがあるだろう。すぐに出られなかったら好みを探っていけばいい。
食材のストックは10年分くらいあるし。
アレ?なんだか目を丸くしたまま固まってるぞ?メルト君…。あ、このコンロって売りだしてないかな?
「このコンロは魔道具で、自信作で持ち歩きも出来てダンジョンで使っても酸欠にならないから超便利なんだ。魔石もちっちゃいので動くようにしたし。冬はテーブルの上で鍋もできるよ?」
俺は魔道具職人だから、色々便利グッズ(前世であったような道具)を再現して使用感を試して、商会で売っている。ハディーに許されてないのは俺のアイテムボックスで死蔵中だけど。
メルトはよくわからないって顔をして頷いていた。
スープ皿とスプーン(木製)をメルトの前において、パンは対面に座っている俺との間におく。スライスして、一応バターも脇に小皿に盛っておいてある。コップに入れた水も用意した。
じっと眺めて手をつけないから警戒してるのかなと思った。
「どうした?毒なんか入ってないぜ?」
だから俺はスープの入った器を持ち上げてスープを、スプーンで掬って口に入れて食べて見せた。
笑って見せると、メルトは視線を器に落とし、恐る恐る口にした。
そうして目を見開いた。火傷でもしたのかと思って聞くと美味しいと答えが返ってきた。ほっとして食事を再開すると、メルトはお代わりをして幸せそうな顔をした。
口に合ってよかったとそう思った。それによく食べる子だ。それならよかった。
さて、もう今日は寝てしまおう。
疲れは判断力を鈍らせるからな。あの子にも説明をして納得してもらった。
そこで龍の寝床で活躍したテントの出番だ。
出したらびっくりしてた。そうか、びっくりするのか…。
『ヒュー、君はもう少し自分の行動の意味を考えた方がいい。他人からどう見えるかも。といっても止まらないのはわかっているけどね?』
そう言ったのは、ハディーだったか。
まあ、反省はしたけど、後悔はしてない。俺は俺だ。前世含めて今の俺(ヒュー)だから、好きなようにする。こんな極限の場面で、身バレが、とか、機密とか、くそくらえ、だ。ハディーの前では怖くて言えないけど、心の中で叫ぶのは自由だ。
へたれじゃない。
へたれじゃないんだ。
「なんだこれ!?」
メルトが叫んだ。あー、これってこの世界の非常識?まあ、見かけの3倍は中の空間あるもんなあ…。
俺は開き直って説明した。
「あ。そうか、初めて見る人は驚くんだったっけ。その前にセキュリティの起動しないとなあ。メルト、ここに魔力流してくれる?」
魔力といった時にメルトの目が泳いだ。
ん?魔力の扱いが苦手なのか?魔力はないわけじゃないだろう?かなり多い方だと思うが。
何やら地雷の気がしたので、そこは次善策を提案した。
体液には魔力が宿っている。だから魔力認証に使うなら、何でもいい。唾でも、涙でも、血液でも。一番濃いのは精液だが。
言われたとおりに唾を付けた。テントの結界作動の除外人物にメルトを登録する。これで、俺とメルトしかこのテントは使えないし、侵入できない。簡単にシステムをメルトに説明して休むことにする。
「とにかく中で休もう。先にお風呂でいいかな?これは俺がこだわって作ったお風呂でね…」
「作った!?」
メルトは思わずといった声をあげた。
「ああ、このテントは俺の自慢の魔道具でね。一から作り上げた世界に一つしかないテントだよ。多分?」
「なんで多分?」
「うーん、世界は広いから俺みたいなやつがいるかもしれないし。これ作ったのずいぶん前だから俺が知らないだけでどこかで流通してるかもしれないかなって。最近までずっと外に出てなかったからね。」
「ヒューが二つ作ってないなら世界に一つでいいと思う。」
メルトは素直に凄いという目で俺を見て、微笑む。そうか、ハンドメイド品は確かに、自分が作った物しか世界にないよな。たとえ似たようなものがあったとしても。
目から鱗だ。
思わず俺はメルトを凝視して、なんとなく嬉しくなって笑った。
「うん。そういえばそうだ。じゃあ、お風呂行こうか。」
自慢のお風呂を披露しよう。
「シャワーで身体を流してからそこにある液体せっけんで身体を洗って、そこの湯船にお湯を張ってゆっくりあったまるといいよ。俺はメルトの次に使うから。」
さすがにフィメル(と思われる)メルトと一緒にお風呂はまずいだろうと思って、浴室をを出て行こうとする俺のローブが引かれた。えっと思って振り返ると、困った顔したメルトがいた。
「俺、魔道具、使えないんだけど…」
「あ!」
そうだった。魔力流せないんだ!
うーん。一緒に入って使い方説明して出ちゃっても、シャワー止める時困るなあ。でもなあ。裸で二人一緒っていうのは俺がまずいけど。
よし、俺の理性、がんばれ。
「一緒に入ろうか?使い方も説明するよ。」
洗面所兼脱衣所で服を脱いで入るということを説明し、籐に似た植物で編んだ籠に服を入れるように説明し、お互いに裸になった。
意外とメルトは思い切りよく脱いでいった。
俺、メイルなんだけどなあ。警戒心は?なんだかすごく心配しちゃうな。
悪いメイルに食われそう。
メルトは細身だが所謂細マッチョだった。無駄な脂肪はなにもついてなくて、細い腰に、引き締まった臀部の筋肉。シックスパックがうっすらと浮かび、胸板はそれほど厚くはないけれど、実用的な筋肉がついていて、薄いピンク色の飾りが白い肌に映えていた。
股間の物は身体相当の大きさで、強いていうなら日本人の平均的なものだった。小さくはなくフィメルであるなら平均だった。
ついちらちらと盗み見てしまった。すっごく触りたくてドキドキした。
俺を疑いもしないメルトの視線に罪悪感を抱きつつ、浴室への扉をひらいてメルトを招き入れた。
中を見たメルトは零れそうな瞳をめいっぱい見開いて、また、なんだこれ!?と叫んだ。
浴室は魔法陣を付与してあって出た後自動的に乾燥するようになっている。壁材はシックなダークブラウンの石。吸湿性と乾燥性に優れたダンジョン産の石材だ。
グレーの床は滑りにくいよう加工してあるが、排水しやすいようにしてある。保温性がある石材を使用していて、クッション性もある。
浴槽は温泉の大浴場を小型化してあるタイプで、床からつるつるした縁が10センチほど高くなっているだけで、中は身体を沈めると肩が出るくらいの深さ。
スイッチになる魔石はお湯が赤、水が青。自動的に満タンになったら止まって、浴槽に保温と浄化、排水の魔法陣が付与してあって、中にあるお湯は常に浄化され、排水したお湯はシャワーのと一緒に気化して乾かしてしまうので外に排水する必要はない。
浴室全体は出た後に浄化されて乾燥する魔法陣が付与してあって、入口の照明のスイッチの下に作動スイッチを設けてある。
椅子は檜に似た木材。シャンプー、コンディショナー、ボディーソープは柑橘系の香り。俺お手製の物だ。ポンプ式で前世の物に似せてあるが、ガラス製で、中のパイプはスライム由来、ポンプの吹き出口は金属製だ。これは貴族には販売してるらしい。浄化魔法じゃ髪の艶は出ないとかいってたな。フィメルに人気があるようだ。
スポンジは海綿に似た物を探して加工した。
毒気を抜かれたメルトは、俺に洗われている間、修行僧のような顔になっていた。
メルトは浄化魔法が使えないから、お風呂は必要なんじゃないかと思う。
お互いさっぱりした後、浴槽に身体を沈めた。俺は髪が長いので髪ゴムで括った。もちろん自作だ。
はー生き返る。
並んで座って、メルトの顔を見る。気持ちいいのか、表情が少し緩んでいる。
ああ、可愛いな。理性、仕事しろよ~。
「どう?初めて入った“お風呂”は。」
問いかけると俺を見たメルトの視線が、俺の股間に行ったのがわかった。
まあ、興味あるよね。年頃だしね。俺のはメイルの中でもでかい方だと言われてるし。
「…気持ち、いい…」
ほんとに気持ちよさそうな声で、やばいと思った。誤魔化すように何度も頷いた。特にメルトは色が白いのでお湯に浸かって赤くなった肌と白い肌のコントラストが色っぽい。緩んでる表情の頬は上気して、色気がある。
理性、仕事しろ!!
「そろそろでようか。顔が真っ赤だ。色が白いから余計赤くなるんだろうなあ…」
つい言って視線がメルトを撫でた。あ、気付かれたな。俺もやばいし、さっさと出よう。浴槽を出て、手を伸ばす。首を傾げているメルトの手をとって、促した。
浴室を出ると、魔法で水気を飛ばして、髪はドライヤー魔法で乾かした。髪が痛まないよう調整済みです。
洗面台の棚からブラシを出して髪を整えて、アイテムボックスから、新品のパジャマと下着を出した。メルトには黒が似合うと思って黒のパジャマだ。俺は紺。
お揃いだ。
驚いてるメルトを主寝室に引き入れて、ベッドに強引に引っ張りこんだ。
はっきり言おう。理性は仕事を放棄した。
細い体を抱き込むと柑橘系の甘い香りがする。メイルを誘うような香り。
メルトと俺の相性は最高だった。
多分、俺からもメルトを誘う香りが出ているんだろう。
魔力の相性のいいものは、こういうフェロモンみたいなものが作用する。発情期は強力なそれがフィメルから出る。メイルはそれに反応して自分もフェロモンを出す。
魔力がお互いを巡って、混じり合う。それは強烈な快感を伴う。
魔力の相性がいい者が与えてくれる魔力は媚薬に似ているのだ。
逆に悪い者が与えると吐き気や頭痛、酷いと倒れるくらいの拒否反応が出る。
メルトは大人しく俺の腕に収まっているから、多分メルトも感じてるのだろう。ほんのり熱い体温が心地いい。
俺はスリープの魔法を使って、メルトを寝かせた。
これでしばらくは起きない。8時間後に目が覚めるようにかけた。
はあと息を吐くと、魔法を解いて元の身体に戻る。最初から、こっちの姿で会えば警戒もされなかっただろうなと思うけど、よかったのかもしれない。
若いメルトは頼れるくらいの大人がいた方がいいだろう。
あの姿は魔力がいるからこうして夜は解かないといけないけど。
俺はメルトとほぼ同じくらいの体型になって、メルトを抱き抱えた。いや、少し俺の方が細い??
抱きかかえた目を閉じているメルトの額にキスした。
「おやすみ、メルト」
夢で、勇者が笑っていた気がした。
『素晴らしいパートナーを見つけて、幸せになって老衰で亡くなって欲しい。あ、ヒューの子供もみたいかな。これは俺の遺言だよ。』
見つけたみたいだと、夢の中で思った。
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