8 / 115
見習い騎士はダンジョンで運命と出会う(メルトSIDE)
8※
しおりを挟む
「はあ…はあ…」
肩で息をしてると、ヒューの浄化の魔法が、身体をすっきりさせていく。気持ち悪くなったりしない。むしろ、心地いい。不思議だ。
「じゃあ、ご飯食べようか?今仕度する。」
ヒューはどこかに木剣をしまうと、何もなかったテーブルに料理を並べる。スープは湯気が出ていて今作ったばかりに見える。
え、確か、打ち合いになって相当時間が経っていたけど。なんで、出来たてなんだろうか。
「いただきます。」
聞いたことのない食前の祈りをしてから、ヒューは料理に手を付ける。
自分も、目の前の料理に舌包みを打つ。スープは不思議な味がした。琥珀色のスープで、卵が浮かんでた。
メインは鶏の肉だと思うが、まず見た目が黒いというか、茶色に染まっていて、味付けが、しょっぱいのに甘かった。
香辛料など、胡椒くらいで、胡椒は高級品でほとんど庶民は口にしない。贅沢といわれてるレストランで食事をした時くらいしか、口にできないのだ。
でもこの味は何だろう。食べたことのない味だが、美味しい。パンも出されていてスライスされていた。柔らかい白いパン。それに挟んで食べた。物凄く美味しかった。
ヒューを持ち帰りたい。騎士団で料理番してくれないだろうか。無理だな。香辛料をふんだんに使えるということは金持ちか、貴族だ。少なくともラーン王国では庶民のレベルにはいない。それとも冒険者はもうかるのだろうか。
色々考えてても手と口は動いていて、あっというまに食べてしまった。
「美味しかった…」
とうっとりとしていったら、ヒューは嬉しそうに笑った。
「嬉しいよ。喜んでもらえたなら作った甲斐がある。」
片付けながら、ヒューはそう言って、終わって立ち上がると俺の手を引いてテントへ向かった。
「お風呂入って寝ようか。」
ヒューは笑顔でそういった。
そうして俺はまた、ヒューと一緒にお風呂に入ったのだった。
とりあえず手順はわかっていたのでヒューに任せた。自分で洗いたかったのだが、手を出す暇がなかった。
前と同じように一緒に湯船に身を沈めると、やっぱりヒューの股間が気になった。さすがに視線に気がついたのか、何とも言えない顔でヒューは俺を見た。
「あの、メルト君?どうして俺の股間をじっと見てるのかな?」
と困ったように言ってきた。
「…大きいなあ、と思って。こんな太くて長いの見たことないかもって思って」
うん。俺の2倍はある、それ。触ってみたくて手を伸ばして握った。手の中でびくっと震えた。
「メ、メル、ト?」
戸惑った声が上から降ってきた。握って太さと感触を確かめる。質感は、そんなに変わらない気がしたけど…あ、なんだか堅くなってきた。え?なんか太く長くなってきた?
「メルト、そういうことは誘ってるように思われちゃうから恋人以外のメイルにはしないようにしなさい。」
ヒューの言葉に首を傾げる。ちょっと焦った顔をしてるヒューと視線が合う。
「誘う?」
更に首を傾げた俺にヒューは手で目を覆った。
「俺は、その、誰でも彼でも、ベッドに誘うことはしないけど、誤解する奴はいるし、はっきり言ってあまりよくないメイルは、すぐフィメルを襲ったりするし、その場限りのセックスをする奴は多い。メルトは不用意にそういうことしちゃダメだよ?好きな人とそういうことはしないとね?」
ヒューはおかしなことを言う。俺の国では恋人じゃなくてもセックスをすることはあるって聞いた。
伴侶になる前のお試しだって聞いた。それってダメなのか?
俺は眉を寄せて考え込んでいたらしい。手にヒューのアレを握りこんだままで。それは完全に堅くなって上を向いていた。
「触っちゃだめなのか?」
なんだか離したくなくて少しがっかりした顔をした。
「…メルト…」
なんだか、ヒューの声と目に熱があるような気がする。胸がドキドキする。ヒューとなら、してもいいかもって思ってる。でも、どうやってするか、詳細はわからないんだけど。
いまいち皆に聞いても想像できなかったっていうか。
「ヒュー、俺してもいい。でも、俺初めてだからよくわからない。」
言ったら、ヒューは、あーっと唸っているような声を出してガシガシと髪を乱した。
「俺だって、メイルだからな。可愛いフィメルに誘われて、その気にならないわけがない。でも、メルトと会ってまだ一日だ。俺はセックスするなら、まず恋人になりたい。ちゃんとメルトを大切にしたい。だから、今はしない。だけど、メルトが触りたいなら、触っていい。今はこれで勘弁してくれ…」
恋人じゃないとヒューはしないのか…?なら恋人になればいいのか?
「ヒュー俺、ヒューの恋人になってもいい…」
言ったとたんヒューが思い切り目をまん丸にして両手で顔を覆った。
しばらくそうして何かに耐えるような様子で、ぷるぷる震えていた。その間も俺はヒューのそれを握っていて、堅くなったままでいた。
「メルト…俺、伴侶がいたんだ。死に別れて、今は伴侶も恋人もいない。だから、その…メルトは俺の物凄い好みだし、その好きになると思う。だけど、今、その、恋人ってことになるとちょっと違うと思う。メルトも、違うだろう?まずその、手順を踏んでからにしないか?」
真剣な顔で言うヒューに俺は黙って言葉を聞いていた。でも、違うっていうことはないと思う。
俺は首を傾げて言葉を待った。
「まずはお互いを知って告白するところから!ね?」
告白。告白か…。
「俺はヒューと恋人になってもいいくらいヒューを気に入ってる。特に料理。剣の腕も凄い。側にいたい。…でいいのか?」
またヒューは目を見開いて俺を見た。ヒューは表情筋が豊かだな。俺は表情筋が死んでると言われているが。
「まあ、俺はそういうのには疎いし、話し下手で愛想がないからヒューが断るのも仕方ないが…」
そういいかけるとヒューはがしっと俺の手を握った。
「いえ、ぜひお願いします!!」
思い切り、首を縦にヒューは振ったのだった。なんで敬語?
肩で息をしてると、ヒューの浄化の魔法が、身体をすっきりさせていく。気持ち悪くなったりしない。むしろ、心地いい。不思議だ。
「じゃあ、ご飯食べようか?今仕度する。」
ヒューはどこかに木剣をしまうと、何もなかったテーブルに料理を並べる。スープは湯気が出ていて今作ったばかりに見える。
え、確か、打ち合いになって相当時間が経っていたけど。なんで、出来たてなんだろうか。
「いただきます。」
聞いたことのない食前の祈りをしてから、ヒューは料理に手を付ける。
自分も、目の前の料理に舌包みを打つ。スープは不思議な味がした。琥珀色のスープで、卵が浮かんでた。
メインは鶏の肉だと思うが、まず見た目が黒いというか、茶色に染まっていて、味付けが、しょっぱいのに甘かった。
香辛料など、胡椒くらいで、胡椒は高級品でほとんど庶民は口にしない。贅沢といわれてるレストランで食事をした時くらいしか、口にできないのだ。
でもこの味は何だろう。食べたことのない味だが、美味しい。パンも出されていてスライスされていた。柔らかい白いパン。それに挟んで食べた。物凄く美味しかった。
ヒューを持ち帰りたい。騎士団で料理番してくれないだろうか。無理だな。香辛料をふんだんに使えるということは金持ちか、貴族だ。少なくともラーン王国では庶民のレベルにはいない。それとも冒険者はもうかるのだろうか。
色々考えてても手と口は動いていて、あっというまに食べてしまった。
「美味しかった…」
とうっとりとしていったら、ヒューは嬉しそうに笑った。
「嬉しいよ。喜んでもらえたなら作った甲斐がある。」
片付けながら、ヒューはそう言って、終わって立ち上がると俺の手を引いてテントへ向かった。
「お風呂入って寝ようか。」
ヒューは笑顔でそういった。
そうして俺はまた、ヒューと一緒にお風呂に入ったのだった。
とりあえず手順はわかっていたのでヒューに任せた。自分で洗いたかったのだが、手を出す暇がなかった。
前と同じように一緒に湯船に身を沈めると、やっぱりヒューの股間が気になった。さすがに視線に気がついたのか、何とも言えない顔でヒューは俺を見た。
「あの、メルト君?どうして俺の股間をじっと見てるのかな?」
と困ったように言ってきた。
「…大きいなあ、と思って。こんな太くて長いの見たことないかもって思って」
うん。俺の2倍はある、それ。触ってみたくて手を伸ばして握った。手の中でびくっと震えた。
「メ、メル、ト?」
戸惑った声が上から降ってきた。握って太さと感触を確かめる。質感は、そんなに変わらない気がしたけど…あ、なんだか堅くなってきた。え?なんか太く長くなってきた?
「メルト、そういうことは誘ってるように思われちゃうから恋人以外のメイルにはしないようにしなさい。」
ヒューの言葉に首を傾げる。ちょっと焦った顔をしてるヒューと視線が合う。
「誘う?」
更に首を傾げた俺にヒューは手で目を覆った。
「俺は、その、誰でも彼でも、ベッドに誘うことはしないけど、誤解する奴はいるし、はっきり言ってあまりよくないメイルは、すぐフィメルを襲ったりするし、その場限りのセックスをする奴は多い。メルトは不用意にそういうことしちゃダメだよ?好きな人とそういうことはしないとね?」
ヒューはおかしなことを言う。俺の国では恋人じゃなくてもセックスをすることはあるって聞いた。
伴侶になる前のお試しだって聞いた。それってダメなのか?
俺は眉を寄せて考え込んでいたらしい。手にヒューのアレを握りこんだままで。それは完全に堅くなって上を向いていた。
「触っちゃだめなのか?」
なんだか離したくなくて少しがっかりした顔をした。
「…メルト…」
なんだか、ヒューの声と目に熱があるような気がする。胸がドキドキする。ヒューとなら、してもいいかもって思ってる。でも、どうやってするか、詳細はわからないんだけど。
いまいち皆に聞いても想像できなかったっていうか。
「ヒュー、俺してもいい。でも、俺初めてだからよくわからない。」
言ったら、ヒューは、あーっと唸っているような声を出してガシガシと髪を乱した。
「俺だって、メイルだからな。可愛いフィメルに誘われて、その気にならないわけがない。でも、メルトと会ってまだ一日だ。俺はセックスするなら、まず恋人になりたい。ちゃんとメルトを大切にしたい。だから、今はしない。だけど、メルトが触りたいなら、触っていい。今はこれで勘弁してくれ…」
恋人じゃないとヒューはしないのか…?なら恋人になればいいのか?
「ヒュー俺、ヒューの恋人になってもいい…」
言ったとたんヒューが思い切り目をまん丸にして両手で顔を覆った。
しばらくそうして何かに耐えるような様子で、ぷるぷる震えていた。その間も俺はヒューのそれを握っていて、堅くなったままでいた。
「メルト…俺、伴侶がいたんだ。死に別れて、今は伴侶も恋人もいない。だから、その…メルトは俺の物凄い好みだし、その好きになると思う。だけど、今、その、恋人ってことになるとちょっと違うと思う。メルトも、違うだろう?まずその、手順を踏んでからにしないか?」
真剣な顔で言うヒューに俺は黙って言葉を聞いていた。でも、違うっていうことはないと思う。
俺は首を傾げて言葉を待った。
「まずはお互いを知って告白するところから!ね?」
告白。告白か…。
「俺はヒューと恋人になってもいいくらいヒューを気に入ってる。特に料理。剣の腕も凄い。側にいたい。…でいいのか?」
またヒューは目を見開いて俺を見た。ヒューは表情筋が豊かだな。俺は表情筋が死んでると言われているが。
「まあ、俺はそういうのには疎いし、話し下手で愛想がないからヒューが断るのも仕方ないが…」
そういいかけるとヒューはがしっと俺の手を握った。
「いえ、ぜひお願いします!!」
思い切り、首を縦にヒューは振ったのだった。なんで敬語?
40
お気に入りに追加
1,107
あなたにおすすめの小説
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる