23 / 115
作戦会議
しおりを挟む
予定通り、午前9時半頃バッテルム遺跡に到着。ダンジョン付近に辿りついた後、搭乗していた大型ビークルはキャンプモードに変形する。それに伴い乗員へあれこれと指示を出す役人たち。皆、慌ただしく動きはじめる。そしてボクら雇われパーティーのメンバーは担当の役人に連れられて、州兵の隊長に引き合わされる事となった。
州兵たちはダンジョンの入り口を守るのに加え、浅層部の巡回職務も担っている。万が一、未踏破の深層部から新たな魔物の類が大量発生する可能性を考えての事なのだろう。
穏やかな顔つきをした四十代であろう州兵の隊長が、現在のダンジョン内の様子を伝えてくれる。州兵と冒険者、命を懸けて戦うという共通点があるからか、話の通りが早い。役人が後々の責任逃れのために行う、非常にわかりづらい説明とは雲泥の差だ。
そのあとパーティーメンバーは、昼食時まで自由行動ととなる。ザレドスは隊長と引き続き情報交換をし、ビークルで窮屈な思いをしていたゲルドーシュは体を伸ばしてストレス発散、ポピッカはその様子を眉をひそめて一べつしたあと、ダンジョン近くの遺跡を見て回ると去って行った。
このバッテルム遺跡は彼女の信奉するフォラシム教と、それに対抗するバリゾラント教が、かつて激突した有名な古戦場である。ポピッカとしても、何がしかの思い入れがあるのだろう。
ボクはといえば、ビークルへ戻って持参したアイテムの点検をする。探索に必要な物の圧縮魔法を解き、間近に迫った任務に向けて思いを馳せる。
午前11時頃、ビークル内で早めの昼食をとる。場所は移動時の座席ではなく、変形後に設けられた、くつろげる雰囲気の仮設ラウンジだ。さすがに乗り物内とあってそれほど広くはないものの、パーティーメンバー四人が集まり、これから始まる探索について話し合いをしながらの食事となった。
州兵の待機所に残って、色々と情報収集をしていたザレドスが口を開く。
「隊長さんの話では、もう何日もダンジョン内にはこれといった変化はないようですね。時々、獣や魔物の類に遭遇する事はあるらしいのですが、殆どの場合向こうが逃げ出してしまうらしいです。
ただ一つ気になる点がありまして……」
くつろいでいた他のメンバーが、一斉に緊張の色を見せる。ダンジョン突入の時間が差し迫っている事もあり、多少のピリピリ感があるようだ。
「何だい、何だい。もったいぶらずに早く教えてくれよ、ザレドスさんよ」
手持無沙汰にしているゲルドーシュがせっつく。
「それがですね、最近、時たまではあるらしいのですが、今までダンジョン内では見た事がない種類の魔物と遭遇するらしいのですよ。もっとも、特に強力な類のものではないので、大抵は逃げ出していくそうなんですけどね」
ザレドスの説明に、ポピッカが反応する。
「それは、気になりますわね。入り口を州兵が固めているわけですから、外から侵入する事は不可能でしょう。そうなると既にダンジョン内にいた事になりますが、州付きのパーティーが報告した中にそういった魔物がいないとなると、”どこからか”湧いて出て来た事になってしまいますわね」
もっともな話だと思う。ザレドスが言わんとする事も、恐らくはそうなのであろう。報告に反する魔物がいるとなると、提供された資料を鵜呑みにする事は出来ない。今のところ州兵が遭遇したのは下位の魔物らしいが、高位の魔物が潜んでいる可能性も考慮しなくてはなるまい。
「まぁ、細かい事は気にしないでいいんじゃねぇか!? どんな奴らがいようともさ、ブッ倒せば問題ないだろうがよ」
ゲルドーシュが、面倒くさそうに口を挟む。
その通り、その通りさ。ただしブッ倒す事が出来ればの話だがな! 奴としては孕ませた彼女の借金返済の為に、任務の成功が第一だとしても、やっぱり群がる敵をなぎ倒したいという戦士の性を抑える事は出来ないらしい。
「 まぁ、脳みそが筋肉で出来ている御仁には、そう思えるのでしょうね」
ポピッカが鼻をフンとならす。
「何だとコラ! 出てくる奴をみんな倒せば問題ないだろうが。どこが間違ってるっていうんだよ! そうだろリンシードの旦那」
「いやまぁ、理屈ではそうなんだろうけど……」
おい、こっちに振って来るんじゃない。これから助け合っていかなくちゃならない仲なんだぞ。今からこんなんでどうすんだよ。目線をザレドスの方にやり、それとなく救援を求めるものの、ここはそれぞれの自己責任と言わんばかりに、穏やかな微笑みで返されてしまう。
こうして凸凹な会議がしばらく続いた後、探索時に恒例となっている、ある取り決めについて話し合われる事となった。それは任務中における各々の呼び方である。
ダンジョンに限らず危険が伴う任務の場合、もしくは危険かどうかすら不明な状況の場合、素早い伝達や意志疎通が重要となる。相手に呼び掛けたり指示を出す際、長ったらしい名前や呼びづらい名前だと、その分、時間が掛かってしまう事になるわけだ。
その為、任務中に呼ぶ名前を簡略化するのが一般的となっている。時間にすればほんの僅かな差であっても、それが生死を分ける事が珍しくはないからだ。
もちろん敬称を略すなんてのは当たり前の話であり、それこそ相手が王族でもない限り、年齢差や経験差に関係なく呼び捨て御免となる。仲間の命と自分の命を守るため、この慣習に文句を言う者はまずいない。
また任務中は、タメ口が許されている。
もしこれらの事に不快感を示すような輩がいれば、その冒険者は”ど素人”と見なされるだろう。
冒険者の仕事とは、それだけ危険と隣り合わせなのだ。
州兵たちはダンジョンの入り口を守るのに加え、浅層部の巡回職務も担っている。万が一、未踏破の深層部から新たな魔物の類が大量発生する可能性を考えての事なのだろう。
穏やかな顔つきをした四十代であろう州兵の隊長が、現在のダンジョン内の様子を伝えてくれる。州兵と冒険者、命を懸けて戦うという共通点があるからか、話の通りが早い。役人が後々の責任逃れのために行う、非常にわかりづらい説明とは雲泥の差だ。
そのあとパーティーメンバーは、昼食時まで自由行動ととなる。ザレドスは隊長と引き続き情報交換をし、ビークルで窮屈な思いをしていたゲルドーシュは体を伸ばしてストレス発散、ポピッカはその様子を眉をひそめて一べつしたあと、ダンジョン近くの遺跡を見て回ると去って行った。
このバッテルム遺跡は彼女の信奉するフォラシム教と、それに対抗するバリゾラント教が、かつて激突した有名な古戦場である。ポピッカとしても、何がしかの思い入れがあるのだろう。
ボクはといえば、ビークルへ戻って持参したアイテムの点検をする。探索に必要な物の圧縮魔法を解き、間近に迫った任務に向けて思いを馳せる。
午前11時頃、ビークル内で早めの昼食をとる。場所は移動時の座席ではなく、変形後に設けられた、くつろげる雰囲気の仮設ラウンジだ。さすがに乗り物内とあってそれほど広くはないものの、パーティーメンバー四人が集まり、これから始まる探索について話し合いをしながらの食事となった。
州兵の待機所に残って、色々と情報収集をしていたザレドスが口を開く。
「隊長さんの話では、もう何日もダンジョン内にはこれといった変化はないようですね。時々、獣や魔物の類に遭遇する事はあるらしいのですが、殆どの場合向こうが逃げ出してしまうらしいです。
ただ一つ気になる点がありまして……」
くつろいでいた他のメンバーが、一斉に緊張の色を見せる。ダンジョン突入の時間が差し迫っている事もあり、多少のピリピリ感があるようだ。
「何だい、何だい。もったいぶらずに早く教えてくれよ、ザレドスさんよ」
手持無沙汰にしているゲルドーシュがせっつく。
「それがですね、最近、時たまではあるらしいのですが、今までダンジョン内では見た事がない種類の魔物と遭遇するらしいのですよ。もっとも、特に強力な類のものではないので、大抵は逃げ出していくそうなんですけどね」
ザレドスの説明に、ポピッカが反応する。
「それは、気になりますわね。入り口を州兵が固めているわけですから、外から侵入する事は不可能でしょう。そうなると既にダンジョン内にいた事になりますが、州付きのパーティーが報告した中にそういった魔物がいないとなると、”どこからか”湧いて出て来た事になってしまいますわね」
もっともな話だと思う。ザレドスが言わんとする事も、恐らくはそうなのであろう。報告に反する魔物がいるとなると、提供された資料を鵜呑みにする事は出来ない。今のところ州兵が遭遇したのは下位の魔物らしいが、高位の魔物が潜んでいる可能性も考慮しなくてはなるまい。
「まぁ、細かい事は気にしないでいいんじゃねぇか!? どんな奴らがいようともさ、ブッ倒せば問題ないだろうがよ」
ゲルドーシュが、面倒くさそうに口を挟む。
その通り、その通りさ。ただしブッ倒す事が出来ればの話だがな! 奴としては孕ませた彼女の借金返済の為に、任務の成功が第一だとしても、やっぱり群がる敵をなぎ倒したいという戦士の性を抑える事は出来ないらしい。
「 まぁ、脳みそが筋肉で出来ている御仁には、そう思えるのでしょうね」
ポピッカが鼻をフンとならす。
「何だとコラ! 出てくる奴をみんな倒せば問題ないだろうが。どこが間違ってるっていうんだよ! そうだろリンシードの旦那」
「いやまぁ、理屈ではそうなんだろうけど……」
おい、こっちに振って来るんじゃない。これから助け合っていかなくちゃならない仲なんだぞ。今からこんなんでどうすんだよ。目線をザレドスの方にやり、それとなく救援を求めるものの、ここはそれぞれの自己責任と言わんばかりに、穏やかな微笑みで返されてしまう。
こうして凸凹な会議がしばらく続いた後、探索時に恒例となっている、ある取り決めについて話し合われる事となった。それは任務中における各々の呼び方である。
ダンジョンに限らず危険が伴う任務の場合、もしくは危険かどうかすら不明な状況の場合、素早い伝達や意志疎通が重要となる。相手に呼び掛けたり指示を出す際、長ったらしい名前や呼びづらい名前だと、その分、時間が掛かってしまう事になるわけだ。
その為、任務中に呼ぶ名前を簡略化するのが一般的となっている。時間にすればほんの僅かな差であっても、それが生死を分ける事が珍しくはないからだ。
もちろん敬称を略すなんてのは当たり前の話であり、それこそ相手が王族でもない限り、年齢差や経験差に関係なく呼び捨て御免となる。仲間の命と自分の命を守るため、この慣習に文句を言う者はまずいない。
また任務中は、タメ口が許されている。
もしこれらの事に不快感を示すような輩がいれば、その冒険者は”ど素人”と見なされるだろう。
冒険者の仕事とは、それだけ危険と隣り合わせなのだ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。
騎士団長のお抱え薬師
衣更月
ファンタジー
辺境の町ハノンで暮らすイヴは、四大元素の火、風、水、土の属性から弾かれたハズレ属性、聖属性持ちだ。
聖属性持ちは意外と多く、ハズレ属性と言われるだけあって飽和状態。聖属性持ちの女性は結婚に逃げがちだが、イヴの年齢では結婚はできない。家業があれば良かったのだが、平民で天涯孤独となった身の上である。
後ろ盾は一切なく、自分の身は自分で守らなければならない。
なのに、求人依頼に聖属性は殆ど出ない。
そんな折、獣人の国が聖属性を募集していると話を聞き、出国を決意する。
場所は隣国。
しかもハノンの隣。
迎えに来たのは見上げるほど背の高い美丈夫で、なぜかイヴに威圧的な騎士団長だった。
大きな事件は起きないし、意外と獣人は優しい。なのに、団長だけは怖い。
イヴの団長克服の日々が始まる―ー―。
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~
ぐうのすけ
ファンタジー
赤目達也(アカメタツヤ)は少女を育てる為に冒険者を辞めた。
そして時が流れ少女が高校の寮に住む事になり冒険者に復帰した。
30代になった達也は更なる力を手に入れておりバズり散らかす。
カクヨムで先行投稿中
タイトル名が少し違います。
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は黒魔法と白魔法を覚え世界にただ1人のトリプルジョブに至る~
https://kakuyomu.jp/works/16818093076031328255
恋人以上、永遠の主人
那月
ファンタジー
転生を繰り返し鬼を討つ宿命を背負った2人の物語
平安時代に跋扈した魑魅魍魎、滅ばなかった鬼が現代にまで。
かの有名な安倍晴明は言った。
「人間では間に合わぬ。お前達2人に鬼の呪をかけるゆえ、戦い続けろ。鬼が滅ぶその時まで、お前達が死ぬことは許されない」
呪によって、死んでもすぐに前世の記憶を持ったまま生まれ変わるようになった2人。
生まれては死ぬまで鬼と戦い、死んではまた生まれ変わる。
鬼との戦いは千年を超え、現代。
鬼は減るどころか増えた、強力になった。
なぜ?何かの前兆なのか?
2人は現代の人間達と協力し、鬼を討つ。平和はもちろん、自分達の終のために。
ここ最近急激に増え知能が高くなった鬼。
1体しかいないはずの、過去に倒したはずの大型鬼の出現。
統率の取れた行動を見せる鬼。
様々な鬼に関する謎に立ち向かう2人が行きつく先にあるものとは?
終は必ず来る
そう信じて2人は前に進み続ける。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる