獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま

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アレスの失敗2

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なんとか街に入る事ができ、遠くにつがいの小さな背中が見えた時は世界が、周りが一気に明るく輝いた。急いでつがいを腕の中に囲ってしまいたいが、今度こそ慎重にせねば、これ以上の失敗は避けたい。どう声をかけるか、人族はつがいを感じる事が出来ないというからどうしたらいいんだ?人族のつがいを手に入れた者達の話をちゃんと聞いておけばよかった。

急に抱きしめるて警戒され、その後苦労したと聞いたな。

まずは…声を掛けて、自己紹介か?
獣人だと説明して、人族はつがいの事は知っているのか?
つがいの説明をして、そしたら抱きしめてもいいんだろうか?あの匂いを直に…
いやダメだ。つがいになる前に匂いを嗅いで嫌がられたと言っていたな…
確か人族の騎士は女性の手の甲に口付けをしてたな。…少し位なら舐めてもいいかな…。

近づく背中に声を掛けようとした瞬間、魔法陣を見落としていた事をこの先ずっと後悔していくことになる。

あと少しでというところで転移魔法でつがいは消えてしまった。


街に獣人の絶望と苦痛に満ちた叫び声が長く響き渡った。
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