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隣国ヘーラクレール編
4 心強い同行者
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「俺も行く」
「アーサーは第二王子なのよ。レッセルバーグに残った方が……」
「嫌だ、絶対マーガレッタと一緒に行く!」
「でもアーサー……」
「これは譲れないよ、マーガレッタ。婚約者を一人で国外へ? 絶対に嫌だ」
「うむ、マーガレッタ。アーサーは腕が立つから絶対必須だ。それとカールを呼ぶぞい。ヘーラクレール王国が目的地ならば絶対に連れて行かねば許すわけにはいかん。カール達の給金は国庫から出そう。ラディアル、手配を」
「かしこまりました、お祖父様。マーガレッタ、イグリス様の不調の原因を調べに行くんですから当然ですよ。それにヘーラクレールはきな臭い」
私はロジーに「ヘーラクレール王国へ行きたい」と伝えただけなのに、ナリスニア家の皆にお叱りを受けていた。
「当家ご令嬢を一人で別の国へ出かけさせるわけがないでしょうっ」
「で、でも……」
「でもじゃありませんっ!」
「は、はい……」
そうして皆にお説教されてしまい、ヘーラクレール行きは大掛かりなものになってしまった。
「……マーガレッタのいう通り、ヘーラクレール王国での問題のようです。マーガレッタが行くと決めてから、例の声は小さくなってイグリスは眠れるようになっています……ありがとう、マーガレッタ。そして気を付けて行ってきて頂戴」
「分かりました、アルティナ様」
「アーサー、死んでもマーガレッタを守るのよ」
「当然」
「し、死なないでくださいー!」
ちょっと大袈裟にアルティナ様が激励してくれて、私達は早速ヘーラクレール王国へ向けて出発した。
「やっほーマーガレッタちゃん!」
「あっ!あなた方は……」
「すんげー給料が高いワリのいい仕事があるってカールさんに誘われちゃった」
「今回は楽しい旅になりそうだね!」
なんと用意して貰った馬車の中にはもう既に人が乗っていて、カールさんと私をリアム国からこのレッセルバーグまで連れてきてくれた魔法使いのメリンダさんと吟遊詩人のトリルさん、そしてカールさんがいた。
「やあ、マーガレッタさん。今回もよろしくお願いしますよ~」
「トリルさんも? お久しぶりです」
「うんうん~最近はマーガレッタさんの作ったハーブのど飴に良くお世話になってるよ~」
確かロジーさんが風邪をひいて喉が痛い時に作ったのど飴をアルティナ様に見せたら欲しいと言われて作った飴だった気がする。良く売れてるわよ、とアルティナ様から聞いていたけれど、風邪だけじゃなくて声のお仕事をしている人にも好評だったんだ。自分の作り出したものを使って貰ているととても嬉しい。それに見知った顔の人が一緒だととても心強い。
「あー最初に来た時に護衛してくれた人達だっけ」
「はい! とても心細かった時にたくさん励まして貰いました」
「そっか、よろしくな、俺はアーサー! メリンダにトリル」
「はーい、よろしくお願いします。アーサー王子。あと私はグラ爺ちゃんに定期連絡するという密命も帯びているのよ!」
「グラ爺心配しすぎだろ!」
メリンダさんが明るく「密命」を暴露してしまうものだから思わず笑ってしまった。密命なら内緒にしておかなければいけないのではないんだろうか!?
「何言ってるのよ~アーサー王子! マーガレッタちゃんはこんなに可愛いのよ~心配しすぎる気持ちわかるでしょー?」
「う、うん。そうだね!」
アーサーまで何を言っているのかしら!? ヘーラクレールまでの長い道のりは楽しく過ごすことができそうだった。
「アーサーは第二王子なのよ。レッセルバーグに残った方が……」
「嫌だ、絶対マーガレッタと一緒に行く!」
「でもアーサー……」
「これは譲れないよ、マーガレッタ。婚約者を一人で国外へ? 絶対に嫌だ」
「うむ、マーガレッタ。アーサーは腕が立つから絶対必須だ。それとカールを呼ぶぞい。ヘーラクレール王国が目的地ならば絶対に連れて行かねば許すわけにはいかん。カール達の給金は国庫から出そう。ラディアル、手配を」
「かしこまりました、お祖父様。マーガレッタ、イグリス様の不調の原因を調べに行くんですから当然ですよ。それにヘーラクレールはきな臭い」
私はロジーに「ヘーラクレール王国へ行きたい」と伝えただけなのに、ナリスニア家の皆にお叱りを受けていた。
「当家ご令嬢を一人で別の国へ出かけさせるわけがないでしょうっ」
「で、でも……」
「でもじゃありませんっ!」
「は、はい……」
そうして皆にお説教されてしまい、ヘーラクレール行きは大掛かりなものになってしまった。
「……マーガレッタのいう通り、ヘーラクレール王国での問題のようです。マーガレッタが行くと決めてから、例の声は小さくなってイグリスは眠れるようになっています……ありがとう、マーガレッタ。そして気を付けて行ってきて頂戴」
「分かりました、アルティナ様」
「アーサー、死んでもマーガレッタを守るのよ」
「当然」
「し、死なないでくださいー!」
ちょっと大袈裟にアルティナ様が激励してくれて、私達は早速ヘーラクレール王国へ向けて出発した。
「やっほーマーガレッタちゃん!」
「あっ!あなた方は……」
「すんげー給料が高いワリのいい仕事があるってカールさんに誘われちゃった」
「今回は楽しい旅になりそうだね!」
なんと用意して貰った馬車の中にはもう既に人が乗っていて、カールさんと私をリアム国からこのレッセルバーグまで連れてきてくれた魔法使いのメリンダさんと吟遊詩人のトリルさん、そしてカールさんがいた。
「やあ、マーガレッタさん。今回もよろしくお願いしますよ~」
「トリルさんも? お久しぶりです」
「うんうん~最近はマーガレッタさんの作ったハーブのど飴に良くお世話になってるよ~」
確かロジーさんが風邪をひいて喉が痛い時に作ったのど飴をアルティナ様に見せたら欲しいと言われて作った飴だった気がする。良く売れてるわよ、とアルティナ様から聞いていたけれど、風邪だけじゃなくて声のお仕事をしている人にも好評だったんだ。自分の作り出したものを使って貰ているととても嬉しい。それに見知った顔の人が一緒だととても心強い。
「あー最初に来た時に護衛してくれた人達だっけ」
「はい! とても心細かった時にたくさん励まして貰いました」
「そっか、よろしくな、俺はアーサー! メリンダにトリル」
「はーい、よろしくお願いします。アーサー王子。あと私はグラ爺ちゃんに定期連絡するという密命も帯びているのよ!」
「グラ爺心配しすぎだろ!」
メリンダさんが明るく「密命」を暴露してしまうものだから思わず笑ってしまった。密命なら内緒にしておかなければいけないのではないんだろうか!?
「何言ってるのよ~アーサー王子! マーガレッタちゃんはこんなに可愛いのよ~心配しすぎる気持ちわかるでしょー?」
「う、うん。そうだね!」
アーサーまで何を言っているのかしら!? ヘーラクレールまでの長い道のりは楽しく過ごすことができそうだった。
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