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番外編
26 可哀想な平民なんていない6
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「ま、待て!アル!!死んじまう!」
「死ぬわけないでしょう?カレリオ様を残して。さっさと倒して戻らないとカレリオ様が寂しがりますから」
「アル~~~~お前、ホント変わったなあ……カレリオ坊ちゃんの事好きなの?」
「好きですけど?」
「わぁお」
魔王のダンジョンと言う強い階層ボスがいる迷宮がある。そこはレベルを上げるのにちょうどいい……いや、一般的には「とんでもない」が私達のように早急に強くなりたいものには丁度いい。
今日もリドリーと魔王ダンジョンの敵をなぎ倒し続けている。
「あの、あのクソ王太子の一睨みで!やられたなんて恥ずかしすぎて、何が護衛かっ!」
「あのクソ王太子が我がバンドール家に踏み込むだけで虫唾が走るし、カレリオ様の前にあのクソ小憎らしい顔をだせるなんて万死に値する!」
私とリドリーの意見は一致していて「王太子を排除しよう、そうしよう」だ。その為なら血反吐を吐くくらいなんてことない。
「ア、アル!?魔王ダンジョンに行くなんてやめて!危ないよ!」
装備を整えてリドリーと出かけようとするとカレンが止めに来たので、今ではこっそり出かけている。……でもバレているようだ。私の装備がいつの間にか良い物に代わっていたり、高い回復ポーションがいつの間にか増えていたり……。カレンも心配性だからすぐに無事な顔を見せないといけない。
そして毎回私の無事を確かめるようにきゅっと抱きついてくるご褒美を貰わなくてはいけない!
「走り抜ければ9階くらいまで1時間くらいでつけますよね」
「無茶言うな!!馬鹿アル!5階だってきついのに!」
そう言いながら我々のタイムアタックは毎回更新されている。
「仕方がないでしょう!夜とはいえカレリオ様が起きる可能性があるんですから!カレリオ様が起きて、私の部屋を覗き見て私が居なかったらあの小さな胸が痛むでしょうが!」
「そ、そんなことより、俺の胸がさっきの打撃で痛むんですけど……これ、骨折れてない?」
「知りませんよ、リドリーの骨なんて。金貨でも張り付けとけば治るでしょ」
ペチンと金貨を投げつけてやると、
「あー……うん!治ったかも!」
リドリーはリドリーだった。
「さーザクザク行っちゃいましょう!」
「いくいく~今日も何か出るかなぁ~」
「そんな事よりさっさとレベル上げますよ!」
レベルが上がると睡眠時間が少なくても元気に活動できるし、頭の回転も速くなった気がする。昼間はカレンの補佐をしながら、領地経営などを学び、夜はダンジョンを駆け回る。リドリーは大旦那様から貰った修業休暇で昼も夜もダンジョンに篭っているが
「二人の方が効率良いんだよね~」
そう言っているが、私の修業の手伝いをしてくれている。どうやら昼間はあのクソ元王太子と回っているらしい……ふむ、アイツの実力を把握していつでも倒せるようにしている、そんなところなのか?
「や!別にアルがボスドロップ全部俺にくれるからじゃないからね!?」
「……私の目的はカレリオ様を守れるだけの強さが欲しいなので、ドロップはリドリーに上げますよ」
「やったー!アル好き!」
「お断りします」
私はカレン一筋なんですから。
「死ぬわけないでしょう?カレリオ様を残して。さっさと倒して戻らないとカレリオ様が寂しがりますから」
「アル~~~~お前、ホント変わったなあ……カレリオ坊ちゃんの事好きなの?」
「好きですけど?」
「わぁお」
魔王のダンジョンと言う強い階層ボスがいる迷宮がある。そこはレベルを上げるのにちょうどいい……いや、一般的には「とんでもない」が私達のように早急に強くなりたいものには丁度いい。
今日もリドリーと魔王ダンジョンの敵をなぎ倒し続けている。
「あの、あのクソ王太子の一睨みで!やられたなんて恥ずかしすぎて、何が護衛かっ!」
「あのクソ王太子が我がバンドール家に踏み込むだけで虫唾が走るし、カレリオ様の前にあのクソ小憎らしい顔をだせるなんて万死に値する!」
私とリドリーの意見は一致していて「王太子を排除しよう、そうしよう」だ。その為なら血反吐を吐くくらいなんてことない。
「ア、アル!?魔王ダンジョンに行くなんてやめて!危ないよ!」
装備を整えてリドリーと出かけようとするとカレンが止めに来たので、今ではこっそり出かけている。……でもバレているようだ。私の装備がいつの間にか良い物に代わっていたり、高い回復ポーションがいつの間にか増えていたり……。カレンも心配性だからすぐに無事な顔を見せないといけない。
そして毎回私の無事を確かめるようにきゅっと抱きついてくるご褒美を貰わなくてはいけない!
「走り抜ければ9階くらいまで1時間くらいでつけますよね」
「無茶言うな!!馬鹿アル!5階だってきついのに!」
そう言いながら我々のタイムアタックは毎回更新されている。
「仕方がないでしょう!夜とはいえカレリオ様が起きる可能性があるんですから!カレリオ様が起きて、私の部屋を覗き見て私が居なかったらあの小さな胸が痛むでしょうが!」
「そ、そんなことより、俺の胸がさっきの打撃で痛むんですけど……これ、骨折れてない?」
「知りませんよ、リドリーの骨なんて。金貨でも張り付けとけば治るでしょ」
ペチンと金貨を投げつけてやると、
「あー……うん!治ったかも!」
リドリーはリドリーだった。
「さーザクザク行っちゃいましょう!」
「いくいく~今日も何か出るかなぁ~」
「そんな事よりさっさとレベル上げますよ!」
レベルが上がると睡眠時間が少なくても元気に活動できるし、頭の回転も速くなった気がする。昼間はカレンの補佐をしながら、領地経営などを学び、夜はダンジョンを駆け回る。リドリーは大旦那様から貰った修業休暇で昼も夜もダンジョンに篭っているが
「二人の方が効率良いんだよね~」
そう言っているが、私の修業の手伝いをしてくれている。どうやら昼間はあのクソ元王太子と回っているらしい……ふむ、アイツの実力を把握していつでも倒せるようにしている、そんなところなのか?
「や!別にアルがボスドロップ全部俺にくれるからじゃないからね!?」
「……私の目的はカレリオ様を守れるだけの強さが欲しいなので、ドロップはリドリーに上げますよ」
「やったー!アル好き!」
「お断りします」
私はカレン一筋なんですから。
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