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栗原伊織、異世界転生する
20 オルコット国の衰退
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「た、大変です!我が国を覆っていた大結界が消滅致しました!」
「な、なにぃ!?教会は!結界維持室はどうした!」
「それが両方とも何の異常もなく、と報告を受けていますが、しかし現に結界はありません!」
「突如消えたというのか!」
本当はどんどん薄れて消えていったのだが、「わが教会の祈りのお陰でこのような強固な結界が維持されている」と声高に叫んでいた教会側と「この素晴らしい結界は我ら、結界維持室が日夜努力しているから出来ておるのです」と叫んでいる維持室側が王宮に上奏しなかったからであり、王宮側も「どうせちゃんとできているだろう」と毎日確かめもしなかった結果である。
「む、無理です!どんなに祈っても結界が維持できません!」
聖女と名前の付いた神官達がが祈りの間から悲鳴を上げる。
「祈りを、祈りを続けろ!神はなんとおっしゃっておられるのだ!?」
「何も……何もお答えくださいません!」
この国では神は近しい存在だった。祈りは天に届き、神から啓示が与えられ続けていた。神の慈愛が降り注いでいたのに、今はその気配すら感じられない。
「ええい!何をしておる!そなたたちは聖女なのであろう!」
「しかし!」
聖女と名付けたのは教会の一番偉い人だ。神から啓示があった訳ではないのだ。
「どうなって……どうなっておるのだ!」
誰が何を祈り願っても、神から何も答えはない。何故なら神はこの国を見ていないからだ。イセリアのいない国など特に注目するところもないのだ。
一方結界維持室も魔導士や博士たちが大混乱をしていた。
「何故あの強固な結界が跡形もなく消えたのじゃ!」
「分かりません!何の、何の異常もなくゆっくりと減退し、消えてしまったのです」
「魔道装置には何の変化もありませんでした!」
魔道装置、魔導士と博士たちが協力して作り上げ、設置することで結界を張っていた……と、豪語する装置だ。だが装置はなんの故障もなく以前と同じように魔力を使い動き続けているが、結界は消えた。
つまりは、この魔道装置は何の意味もないものだった。のだが、結界維持室はそれを認めるわけにはいかない。認めてしまっては自分達が無用の長物であり、ただ飯くらいであることを認める事と同じなのだから。
「何か、何か何か原因が、あるはずだ!原因がなければいけないのだ!探せ、絶対に何かあるはずなのだから!!」
でっち上げでもいい、とにかく自分たちが無能ではない証拠を用意しなければならなかったのだ。
教会も結界維持室も、両方とも結界維持には必要ない存在だったことを知っていたのはイセリアだけだった。
「めんどくさいし黙っておこ」
だったわけだ。
「な、なにぃ!?教会は!結界維持室はどうした!」
「それが両方とも何の異常もなく、と報告を受けていますが、しかし現に結界はありません!」
「突如消えたというのか!」
本当はどんどん薄れて消えていったのだが、「わが教会の祈りのお陰でこのような強固な結界が維持されている」と声高に叫んでいた教会側と「この素晴らしい結界は我ら、結界維持室が日夜努力しているから出来ておるのです」と叫んでいる維持室側が王宮に上奏しなかったからであり、王宮側も「どうせちゃんとできているだろう」と毎日確かめもしなかった結果である。
「む、無理です!どんなに祈っても結界が維持できません!」
聖女と名前の付いた神官達がが祈りの間から悲鳴を上げる。
「祈りを、祈りを続けろ!神はなんとおっしゃっておられるのだ!?」
「何も……何もお答えくださいません!」
この国では神は近しい存在だった。祈りは天に届き、神から啓示が与えられ続けていた。神の慈愛が降り注いでいたのに、今はその気配すら感じられない。
「ええい!何をしておる!そなたたちは聖女なのであろう!」
「しかし!」
聖女と名付けたのは教会の一番偉い人だ。神から啓示があった訳ではないのだ。
「どうなって……どうなっておるのだ!」
誰が何を祈り願っても、神から何も答えはない。何故なら神はこの国を見ていないからだ。イセリアのいない国など特に注目するところもないのだ。
一方結界維持室も魔導士や博士たちが大混乱をしていた。
「何故あの強固な結界が跡形もなく消えたのじゃ!」
「分かりません!何の、何の異常もなくゆっくりと減退し、消えてしまったのです」
「魔道装置には何の変化もありませんでした!」
魔道装置、魔導士と博士たちが協力して作り上げ、設置することで結界を張っていた……と、豪語する装置だ。だが装置はなんの故障もなく以前と同じように魔力を使い動き続けているが、結界は消えた。
つまりは、この魔道装置は何の意味もないものだった。のだが、結界維持室はそれを認めるわけにはいかない。認めてしまっては自分達が無用の長物であり、ただ飯くらいであることを認める事と同じなのだから。
「何か、何か何か原因が、あるはずだ!原因がなければいけないのだ!探せ、絶対に何かあるはずなのだから!!」
でっち上げでもいい、とにかく自分たちが無能ではない証拠を用意しなければならなかったのだ。
教会も結界維持室も、両方とも結界維持には必要ない存在だったことを知っていたのはイセリアだけだった。
「めんどくさいし黙っておこ」
だったわけだ。
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