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66 古い神
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「こんないい布団を誰がボロボロにしたんだろ」
ナナちゃんの前にここに居た女よ。混乱に乗じてナナちゃんを殺そうとしたみたい。
「こっわ」
もう名前も覚えていない側妃様だね。絵もボロボロにするなんて、よっぽどだったんだろうなあ……。
「狐の寝床よりボサボサじゃねーか。ま、寝れるか」
無事だった布を上から被せて横になればまあ寝れるよ、うん。あー疲れたなあ……。
「なーナナちゃん、どうするの?ナナちゃん王様になりたくないんだろう?」
「うん……俺は生き残れれば……良いんだ……」
段々ぼんやりしてきた、眠たいや。
「何かしたい事ねえの?」
顔にふわりと柔らかい物が触れる。これはフォーリの危険な尻尾じゃないか……やめろ、やめてくれ……これは、危ない奴……うーん、ふわふわ……。
「ないよ……特に……」
「ふうん。じゃあさ守ってあげるから俺と結婚しよう。どう?俺、結構いい奴だから」
「そっかあフォーリ良い奴なんだ……でもお姉様方がなんていうかなぁ……」
お姉様方は色々厳しいんだぞう……いやでも男を見る目は曇ってるかもしんない……失礼ね!と遠くて聞こえるけど、まあ……そうね、見る目がないから殺されちゃったんだわ。だからこそ、もう間違えないんだからね!ああ、なるほどそう言われてみればそうですねえ……。
「皆が良いって言ったらね」
「皆って誰だよ、ナナちゃん。ナナちゃんたまーに変な独り言言うよね?なにあれ?」
「そりゃ、亡霊の皆さん……」
「は?」
もう限界だよう~お休み~もふもふ~。
「やめて!?ナナちゃん!亡霊ってなに!?俺、お化けとか嫌いなんだけど!?ナナちゃん!ナナちゃん!!おーーーい!起きてえええええナナちゃああああん!!」
遠ざかるフォーリの必死の声も振り切って俺は夢の中に落ちていく。落ちて行きながら途中で上の方から声をかけられた。
「ナナミさーーん!こっちこっち!」
「あ、神様」
久しぶりに神様に呼ばれた。
「神様ごめんね、最近自由に動けなくて、あんまり仕事してないよ」
「そんなことよりおめでとう!ナナミさん!やっと呪縛が一つ解けましたよ!これでもう貴方は母親に殺される運命から逃げ出せたんです!」
「え……ほんと?」
「ええ!あなたの今の肉体の父親、トライフトが死にました。呪縛の解除は貴方が父親より長く生きる事が鍵になっていましたので!……あと古い神がデールの魂に執着するのをやめました。最近はどうも悪役令嬢モノにハマっているらしく……ほら、こないだ送ってくれた凄いコいたでしょう?あの子がお気に入りですよ。あと2000年くらいはあの子を悪役令嬢にして喜ぶんじゃないかな……」
「あー……ユーリか。気に入ってくれて何よりです……」
そっかあ、良かった……これで、俺はもう母親に殺されなくて済むんだね……良かった……。
「それで……言いづらいんですが……古き神がナナミさんの事を気に入っちゃって……「君、良いセンスしてるよ!どんどん面白い人材送ってくれない?」って。この仕事、もう少し続けてくれませんか?」
「構いませんよ。別に嫌いじゃないですし……あと、お城のお姉様方から希望者は全員送ろうと思ってますし。あと……俺のせいで溶けちゃったお姉様方を助けてあげなきゃ」
「それは回収しといたよ~ナナミさーん!特別待遇で次に送り出したから大丈夫!ちょっとクセがあるけどいい人達だったよ」
神様の部下の一人がウィンクしながら教えてくれた。良かった……しかも特別待遇だって!きっと今度は亡霊にならずに済む良い人生を送れるに違いないね!
「そっか、良かった。気になってたんだ」
「ナナミさんは優しいですね……そしてすみません、古い呪縛を切るために新しい呪縛が絡みついちゃって。ホント、ナナミさんの魂は人気がありますね!」
新しい呪縛ってなに!?
「か、神様……俺、一体どんな呪縛を貰ったんですか……?」
「え、気がついてるでしょ?狐のよ……「ナナちゃあああああああああああああああん!一緒にトイレいこおおおおお!」」
フォーリにめちゃくちゃゆすぶられて起きてしまった……。酷いよ、フォーリ……。
ナナちゃんの前にここに居た女よ。混乱に乗じてナナちゃんを殺そうとしたみたい。
「こっわ」
もう名前も覚えていない側妃様だね。絵もボロボロにするなんて、よっぽどだったんだろうなあ……。
「狐の寝床よりボサボサじゃねーか。ま、寝れるか」
無事だった布を上から被せて横になればまあ寝れるよ、うん。あー疲れたなあ……。
「なーナナちゃん、どうするの?ナナちゃん王様になりたくないんだろう?」
「うん……俺は生き残れれば……良いんだ……」
段々ぼんやりしてきた、眠たいや。
「何かしたい事ねえの?」
顔にふわりと柔らかい物が触れる。これはフォーリの危険な尻尾じゃないか……やめろ、やめてくれ……これは、危ない奴……うーん、ふわふわ……。
「ないよ……特に……」
「ふうん。じゃあさ守ってあげるから俺と結婚しよう。どう?俺、結構いい奴だから」
「そっかあフォーリ良い奴なんだ……でもお姉様方がなんていうかなぁ……」
お姉様方は色々厳しいんだぞう……いやでも男を見る目は曇ってるかもしんない……失礼ね!と遠くて聞こえるけど、まあ……そうね、見る目がないから殺されちゃったんだわ。だからこそ、もう間違えないんだからね!ああ、なるほどそう言われてみればそうですねえ……。
「皆が良いって言ったらね」
「皆って誰だよ、ナナちゃん。ナナちゃんたまーに変な独り言言うよね?なにあれ?」
「そりゃ、亡霊の皆さん……」
「は?」
もう限界だよう~お休み~もふもふ~。
「やめて!?ナナちゃん!亡霊ってなに!?俺、お化けとか嫌いなんだけど!?ナナちゃん!ナナちゃん!!おーーーい!起きてえええええナナちゃああああん!!」
遠ざかるフォーリの必死の声も振り切って俺は夢の中に落ちていく。落ちて行きながら途中で上の方から声をかけられた。
「ナナミさーーん!こっちこっち!」
「あ、神様」
久しぶりに神様に呼ばれた。
「神様ごめんね、最近自由に動けなくて、あんまり仕事してないよ」
「そんなことよりおめでとう!ナナミさん!やっと呪縛が一つ解けましたよ!これでもう貴方は母親に殺される運命から逃げ出せたんです!」
「え……ほんと?」
「ええ!あなたの今の肉体の父親、トライフトが死にました。呪縛の解除は貴方が父親より長く生きる事が鍵になっていましたので!……あと古い神がデールの魂に執着するのをやめました。最近はどうも悪役令嬢モノにハマっているらしく……ほら、こないだ送ってくれた凄いコいたでしょう?あの子がお気に入りですよ。あと2000年くらいはあの子を悪役令嬢にして喜ぶんじゃないかな……」
「あー……ユーリか。気に入ってくれて何よりです……」
そっかあ、良かった……これで、俺はもう母親に殺されなくて済むんだね……良かった……。
「それで……言いづらいんですが……古き神がナナミさんの事を気に入っちゃって……「君、良いセンスしてるよ!どんどん面白い人材送ってくれない?」って。この仕事、もう少し続けてくれませんか?」
「構いませんよ。別に嫌いじゃないですし……あと、お城のお姉様方から希望者は全員送ろうと思ってますし。あと……俺のせいで溶けちゃったお姉様方を助けてあげなきゃ」
「それは回収しといたよ~ナナミさーん!特別待遇で次に送り出したから大丈夫!ちょっとクセがあるけどいい人達だったよ」
神様の部下の一人がウィンクしながら教えてくれた。良かった……しかも特別待遇だって!きっと今度は亡霊にならずに済む良い人生を送れるに違いないね!
「そっか、良かった。気になってたんだ」
「ナナミさんは優しいですね……そしてすみません、古い呪縛を切るために新しい呪縛が絡みついちゃって。ホント、ナナミさんの魂は人気がありますね!」
新しい呪縛ってなに!?
「か、神様……俺、一体どんな呪縛を貰ったんですか……?」
「え、気がついてるでしょ?狐のよ……「ナナちゃあああああああああああああああん!一緒にトイレいこおおおおお!」」
フォーリにめちゃくちゃゆすぶられて起きてしまった……。酷いよ、フォーリ……。
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