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67  良かったな、モテ期だぞ

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「ナ、ナナちゃんが変なこと言いうから……トイレついてきて……お、俺、お化けとか見えない奴い、嫌なんだ……」

「フォーリ……」

 今フォーリ10人くらいのお姉様方に囲まれてるけど……。仕方がないからおトイレにはついて行ってあげた。廊下を歩くたびに

 ナナちゃん、なあにその狐。図体のわりにブルブルしちゃって可愛いじゃない。とか

 男の癖になんなの!?だらしないわね!襟巻にするわよ!とか

 いっぱい言われているんだけど?ていうかお城なんてそんなのいっぱいいるじゃない。今更何を言ってるんだか。

「あ、そうだ」

 俺、良い事思い付いた!俺だってちょっとくらい逆襲してもいいはずだ。

「な、なになにどうしたの?ナナちゃん。おっかねえから一緒に居てくれよ?」

「大丈夫、世界一安全な場所に案内してやるよ!」

 俺がな。

 天使の間に戻った俺は壁に手をついてあれを出す。

「扉!」

「うお!?なにこれ!」

「この中はめちゃくちゃ安全だよ、「入室を許可します」はいってごらん」

「えーどれどれ……ウギャアアアアアアアアアアアアアア!なにこの死体だらけの部屋あああきもちわる……ウギャアアアアアアアアアアアアアおばけえええええええええええええ」

 あらあら!狐が目を回したわ。まあまあ可愛い狐だ事。みてみて、この子の尻尾可愛いわ。あらら本当ねふわふわね。まあまあ素敵ね、おやおや私にも触らせてくれない?

「良かったな、フォーリ。すげぇモテ期だよ」

 部屋の中で目を回したフォーリの尻尾を枕にして俺も寝ることにする。あーこれいいなあ~。俺もゆっくり寝ることが出来た。なんだか色々軽くなった気がする。これが、一つ呪いが外れるという事なんだろうか。


 ナーナちゃん。今日も大人気ね!

「へあ……?」

 あれから3人暗殺者が来てたわよ~。そこに転がってるワ。うふ、呪い殺しちゃった!意外とヤワな心臓だったわ。

 見れば部屋の前に確かに覆面で顔を覆った男が三人死んでいた。こりゃいいや。俺はそいつらの足を引っ張って部屋の中に運び入れる。

「フォーリ、フォーリ!手伝って!」

「ナナちゃんが一人、ナナちゃんが二人、ナナちゃんが三人ああ~ハーレムだねえ」

「平和な夢を見てるなぁ。逃避してないで暗殺者の死体引っ張って来てよ」

「朝イチからハードな要求!」

 良いじゃないか、すぐ目の前に転がってるんだから!

「暗殺者も良いねぇ~引き締まった肉体!暗殺術!しかしまさか呪い殺されるとは思わなかったんだろうなあ~。身元に繋がりそうなものは一つも持ってない!うんうん!口には自決用の毒!わあ、完璧だねえ!」

「ナナちゃん、楽しそうに死体の検分しないで……ってウワアアアア!」

 狐ちゃんおはよう。今日もいい尻尾ね!

「お化けは昼間には出ないはずなのにいいいいい!」

「俺の部屋の中はいつでもお姉様方と会い放題だぞ、良かったな。フォーリ」

「いやだああああああああああ!」

 あーー!ざまーみろ!

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