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47 僕とファイさんはそれぞれ遠くて呼び合った
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「なるほど、このフォートレイ・エンド!理解しました!マクファーランを潰してキシャルティオ王子を国王に、ファイさんを王妃にして神聖ラブファイ王国を建国するんですね!」
「時透」
「無理」
「マリアルフ」
「だっさい王国名ねー!もっとカッコいいのにしなさいよ」
「誰か……」
「白夜の翼」の全員が首を横に振った。俺は天を見上げる。なんて、なんて面倒くさい事になったんだ……そしてこのフォートレイ、どうやったら止まるんだ?
キース、助けてくれよ、お前ならなんとか出来るだろう?な?キース……泣きたい。
「はっ!今ファイさんが僕の名前を呼んだ気がしたっ!待っててください!このキース、今すぐにファイさんの元に駆けつけます!」
「キシャルティオ様、お静かに」
「そんな人いません、人違いです」
「何をおっしゃる。貴方は王家の血を引いたただ1人の正当後継者。貴方が王として立たず誰が立つと言うのでしょう」
知らないなぁ。僕は国王になんてなりたくないし。
「さあ?貴方が立てば良いんじゃないですか?人にやらせないで自分ですればいいでしょう?」
僕に言い含める様に言うこのおじさん。宰相だったとかなんとか。潰れる前の国も押さえていたらしいし、この人で良いじゃん。
「人心と言うものは血筋にこだわる物でございます。王家の血筋なくして王国の復興はなりません」
はー意味が分からない。無理矢理連れて来られて、なんか派手で趣味の悪い服を着せられて、王様の椅子に座らされた。
ファイさんがみたら、指を差されながら大爆笑されて
「趣味!趣味悪すぎ!どこの成金野郎だよ!!」
と大笑いされそうなほど、悪趣味の重いだけの服だ。なんで背中に宝石とか付いてんの?背中痛いんだけど?着心地も悪いし、ダサすぎる。いや、ファイさんの爆笑を得る為になら一瞬着てもいい、もう脱ぎたい。
「是非、お側に置いていただきたく」
パンパン!と高くおじさんが手を叩くと
「失礼致します」
と、扉が開いて、沢山のドレスで着飾った女性達が現れた。
「キシャルティオ王子……いえ、陛下。私の娘、アイリーンとお仕えする娘達でございます。以後お見知りおきを」
「アイリーンと申します、この度は即位、誠におめでとうございます。宜しければ末長くお側に仕えさせて……」
うわ、引く!
「え、帰ってください。臭いです」
「え」
娘達は無闇やたらと香水を振りまいていて、それが沢山いるもんだから、訳の分からない悪臭を作り上げていた。
「だから、臭いんです、あなた達。近寄らないで貰えます?はーこれがファイさんならなー。いつも良い匂いがしてたのに……」
ファイさんは、スッキリしたオレンジの匂いがする。それがちょっと甘い匂いになったり……あー思い出しただけで元気が出そう!
そして僕の作ったお菓子をぱくぱく食べて、バターのいい匂いが混じったり……うう、よだれも出そう。
「あ、あの!陛下!わ、私達はきちんとマナーも教育も受けた淑女でございます!この国一番の美しさを持っていると自負しております!!」
アイリーンが食い下がって来たが、僕はゲテモノ食いの趣味はない。
「はあ?美しいっていうのはファイさんみたいな人の事をいうんだよ。君達のどこか美しいか僕には全然分からないなあ。あーファイさん~早くファイさんの隣に帰りたいよー。早く迎えに来てー」
アイリーンはぐっと下唇を噛み締めていたけれど、仕方がないじゃないか、それが僕の真実なんだから。僕は一生ファイさん一筋です!
「へ、陛下。ファイさんとは、な、何者でしょうか……」
宰相さんも青い顔で聞き返す。なんだよ、綺麗どころの女性でも当てがっておけば僕が大人しくしてると思ってたのかな??残念ながら、あの程度では僕の心は動かないぞ。
「ファイさんはファイさんだけど……あー有名な方の名前はね、ファイ・オースティン・レメント。覇王、だけっけ、何か称号持ちの竜騎士だよ。あー早く迎えに来てくれないかなー」
「ひっ!は、覇王レメントっ?!」
僕でも知ってたもんね、竜騎士のファイさんの名前は。わーすごいみんな青くなってるー!流石僕のファイさん!有名人だよー!
「早く会いたいなー」
ファイさーん、大好きーーー!
「時透」
「無理」
「マリアルフ」
「だっさい王国名ねー!もっとカッコいいのにしなさいよ」
「誰か……」
「白夜の翼」の全員が首を横に振った。俺は天を見上げる。なんて、なんて面倒くさい事になったんだ……そしてこのフォートレイ、どうやったら止まるんだ?
キース、助けてくれよ、お前ならなんとか出来るだろう?な?キース……泣きたい。
「はっ!今ファイさんが僕の名前を呼んだ気がしたっ!待っててください!このキース、今すぐにファイさんの元に駆けつけます!」
「キシャルティオ様、お静かに」
「そんな人いません、人違いです」
「何をおっしゃる。貴方は王家の血を引いたただ1人の正当後継者。貴方が王として立たず誰が立つと言うのでしょう」
知らないなぁ。僕は国王になんてなりたくないし。
「さあ?貴方が立てば良いんじゃないですか?人にやらせないで自分ですればいいでしょう?」
僕に言い含める様に言うこのおじさん。宰相だったとかなんとか。潰れる前の国も押さえていたらしいし、この人で良いじゃん。
「人心と言うものは血筋にこだわる物でございます。王家の血筋なくして王国の復興はなりません」
はー意味が分からない。無理矢理連れて来られて、なんか派手で趣味の悪い服を着せられて、王様の椅子に座らされた。
ファイさんがみたら、指を差されながら大爆笑されて
「趣味!趣味悪すぎ!どこの成金野郎だよ!!」
と大笑いされそうなほど、悪趣味の重いだけの服だ。なんで背中に宝石とか付いてんの?背中痛いんだけど?着心地も悪いし、ダサすぎる。いや、ファイさんの爆笑を得る為になら一瞬着てもいい、もう脱ぎたい。
「是非、お側に置いていただきたく」
パンパン!と高くおじさんが手を叩くと
「失礼致します」
と、扉が開いて、沢山のドレスで着飾った女性達が現れた。
「キシャルティオ王子……いえ、陛下。私の娘、アイリーンとお仕えする娘達でございます。以後お見知りおきを」
「アイリーンと申します、この度は即位、誠におめでとうございます。宜しければ末長くお側に仕えさせて……」
うわ、引く!
「え、帰ってください。臭いです」
「え」
娘達は無闇やたらと香水を振りまいていて、それが沢山いるもんだから、訳の分からない悪臭を作り上げていた。
「だから、臭いんです、あなた達。近寄らないで貰えます?はーこれがファイさんならなー。いつも良い匂いがしてたのに……」
ファイさんは、スッキリしたオレンジの匂いがする。それがちょっと甘い匂いになったり……あー思い出しただけで元気が出そう!
そして僕の作ったお菓子をぱくぱく食べて、バターのいい匂いが混じったり……うう、よだれも出そう。
「あ、あの!陛下!わ、私達はきちんとマナーも教育も受けた淑女でございます!この国一番の美しさを持っていると自負しております!!」
アイリーンが食い下がって来たが、僕はゲテモノ食いの趣味はない。
「はあ?美しいっていうのはファイさんみたいな人の事をいうんだよ。君達のどこか美しいか僕には全然分からないなあ。あーファイさん~早くファイさんの隣に帰りたいよー。早く迎えに来てー」
アイリーンはぐっと下唇を噛み締めていたけれど、仕方がないじゃないか、それが僕の真実なんだから。僕は一生ファイさん一筋です!
「へ、陛下。ファイさんとは、な、何者でしょうか……」
宰相さんも青い顔で聞き返す。なんだよ、綺麗どころの女性でも当てがっておけば僕が大人しくしてると思ってたのかな??残念ながら、あの程度では僕の心は動かないぞ。
「ファイさんはファイさんだけど……あー有名な方の名前はね、ファイ・オースティン・レメント。覇王、だけっけ、何か称号持ちの竜騎士だよ。あー早く迎えに来てくれないかなー」
「ひっ!は、覇王レメントっ?!」
僕でも知ってたもんね、竜騎士のファイさんの名前は。わーすごいみんな青くなってるー!流石僕のファイさん!有名人だよー!
「早く会いたいなー」
ファイさーん、大好きーーー!
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