【完結】僕とファイさんの恋愛事情。月と僕と貴方の世界。

鏑木 うりこ

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8 僕は上弦の間ファイさんとキスをする

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 上弦の月が進んで行く。

「キース」

「はい?んんっ!」

 呼ばれて振り返ると、熱烈なキスをされる。あー!好き!じゃなくて知ってる。

「んんっ……」

「ぷはぁ……」

 僕に過剰な魔力を預けてさっとファイさんは奥の部屋に帰って行ってしまう。

「もっとエッチな感じでやってくれたら嬉しいのになぁ……」

「キース!」

「はいぃーー!」

 またバレた。ちぇっ!

「そうだ、僕のテクニックが凄かったら、ファイさんの事だ。きっとキスのたびにとろんとしてきっと可愛い事になるんじゃないかな?ふふふ!」

 その日から店番の時に口の中でモゴモゴとサクランの木の実の蔓をやっていたら、常連さんが色々おしえてくれた!

「キース、まさかとは思うけどキスの練習?」

「うん。見て!」

 口の中でサクランの蔓を結んでやったぞ!どうだ?!

「お前ってほんとファイが絡むとおかしいよな……」

「うっさい!」

 常連の大工見習いに湿布と二日酔いの薬を売りながら、べぇっと舌を出した。お前なんかにファイさんの良さが分かってたまるか!
 あの白くてすべすべしてて、良い匂いがして……

「高価だかなんだか知らねーけど、風呂が無いなんてありえねーし!」

 って毎日風呂に浸かるんだよ、あの人。だから風呂場でエッチは最高に可愛いし、のぼせて赤くなって、ああ、だめぇとか!うう!股間が痛い。

「キース、代金な……?あと涎拭いとけよ……」

「へあ?!」

 しまった、薬屋やってたんだった。ファイさんにバレたらまた怒られる。

「んんっ」

「ん、あ」

 上弦が進むと僕たちは濃厚なキスをする。舌を絡めあって奥まで届くように。
 ファイさん曰く

「粘膜による接触が伝導率も良く、ロスが少ない。下弦で下から俺がキースから受け取る。体内循環を考えると上弦で余剰な力を俺からキースに送る場合、上からの方が理にかなっている」

 んだそうだ。よく分からないけれど

「あふ、ん」

 くちゃくちゅと唾液が垂れそうになるほど深く口付けるのは、いっぱい俺の中に送り込む為で、上弦が進めば余剰になる力も多いから、キスは長くなる。

 うっすら目を開けると、こんな時くらいは目を閉じているファイさんの長いまつ毛が見える。あーこの人、体も可愛いけど、顔も凄く可愛い。僕の方が背が高いから、立ったままキスすると背伸びするんだ!あーー!堪らないぃ!
 股間が痛いいい!あぅ!頭も痛いぃ!

「何考えてんだ?!ぁあん?!」

「ご、ごめんなさい……」

 だからファイさんのパンチは痛いんだってば。
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