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115 ウチの執事がパーフェクト

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「あああ……ああうう……」

 俺をベッドの住人に変えた張本人は隣においた安楽椅子で優雅に本などを読んでいる、ちくしょう。

「もう少し体力をつけたらどうだ?」

「体力付いたらその分回数が増えるだろ……」

 本から目を上げてにやりと笑った。やっぱりそのつもりなのか!?そう言うところが衰えない、ラムの年をあまり感じない所だ。俺、毎日毎日気絶落ちしかしていない気がするんだが……?絶対狡い。

「やっぱり体力つけよう……」

「良い事だ」

 やっぱり駄目な気がする。会話が途切れた絶妙なタイミングで扉がノックされ、ニコラスがやってくる。図ってたのか?ってくらいベストタイミングで毎回驚く。

「お飲み物をお持ちいたしました」

「ありがと~」

 本当にこの執事らしい執事のニコラスの執事っぷりはパーフェクトでニコラスに任せておけばとりあえず何とかなるので凄い。
 ベッドサイドのテーブルにラムの好きなちょっとスーッとするお茶と俺のはちみつジュースを置いて

「では少々失礼します」

「ありがとー……」

 腰の辺りにゆるーい回復魔法をかけてくれる。なんかぽかぽかして気持ちいんだけれど、完全には治らない感じがゆるーいんだけれど……。

「こんな感じでいかがですか?」

「うん、楽になったよ。ねえでもニコラス、もっと治せるよね……?」

「いえ、私にはこれが精いっぱいでございます。では」

 またもや完璧に礼をして出て行ってしまうけれど、俺前に見たことあるんだ。怪我をしたメイドの一人をさっと治しちゃったのを。ニコラスは俺の腰痛を完璧に治さない……何故だ!

「どうした?ディエス。トイレにでも連れてってやろうか?」

「え?いや、今は大丈夫だし……」

 完璧に治さないから、歩くのが億劫だしきついのでラムに連れて行ってもらったりしてるんだけれど

「ま、まさか……?ラム、ニコラスになんか言った?」

「私は何も言っておらんぞ」

「そ、そうなの……?」

 ニコラスに完治させないように言ってない?ホントに?ホントに??ただ、俺は忘れていたのだけれど、ニコラスほどのスーパー執事ならば、主人の考えをささっと見抜いて行動するって事を。適度に手を抜いて回復させ、俺がラムに頼って抱っこして貰わないと駄目な状況を作り出しているなんて……。

「ほっほ、仲が良い方が良いに決まっておりますからのう」

 なんて玄関で客を追い払いながら呟いている事なんて知らなかったんだ。

「ニコラスは有能だな」

「ん?そうだね」

 ラムも気に入っているし、ニコラスにはずっとここで働いて貰いたいなあ。

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