108 / 139
108 あの領の名前
しおりを挟む
小さな混乱は始終起こっているけれど、すぐに対処できる範囲内に収まってくると、俺はやっぱり思い出すんだ。
「スローライフぅ」
「久しぶりに聞いたな。その言葉」
「へへ」
俺は多分真面目に働いた。社畜って感じの働き方じゃない、きちんとホワイトな働き方。
休みも休暇も、昇給もきちんとある良い働き方をしたと思う。
皇帝のラムだって休みを取れるように人材を育成したから、近くに旅行とかも行った。
まあ皇帝の移動だからお付きの人がいっぱいでちょっと大変だったけど。俺とラムの旅行は恒例行事になって毎年予定が組まれる。遊びじゃなくて仕事になってしまったが、まだ現役のリゼロ達をまいてふらふら歩き回ったりもしてる。
「いやぁ、神様にお願いなんてしなくても自力ですりゃ良いじゃんって気がついたんだよー」
若いうちにいっぱい稼いでセミリタイア、スローライフ。普通だろ?だからいっぱい働いた。お陰で帝国は平和である。俺偉い!
「そうだな。アイリス領の書架は図書館並だと皆言っている」
「どんだけ持ち込んだんだよー」
ラムはアイリス領の屋敷に気になる本を溜め込んでいる。スローライフで雨の日は本を読むんだって言ったらアホみたいに溜め始めた。全部読むのに何年かかるんだ?
慣れたラムの執務室で慣れた書類整理をしている。最近はこの書式も馴染んできて皆分かりやすい書類を上げてくるから効率が良い。
因みにアイリス領とは元レジム領で、俺預かりになってからあの執事のニコラスおじさんに丸投げしていた。
「特に問題なく」
何せ元々ニコラスさんが管理していた場所だ。聞けば元レジム公爵は机で踏ん反り返っていただけで経営は全部このニコラスさんがやってたらしい。成程納得だった。
「たまに思いついたように余計な案件をお持ち込みになる方でした」
「余計ね……」
「ええ。隠し鉱山を作ろうとか、余計な事を……」
「ははは……」
使用人や街の人達にも顔はきくし、元レジム領の正常化は簡単だった。限界まで削られていた使用人達の給料を戻したら、皆やる気を出してくれたし、当然犯罪も減った。
たまに視察に行くとなーんか領があやめの花だらけになっていて、いつの間にかアイリス領って呼ばれてた。
「どしたの、これ?」
開花時期になるとそりゃあ見事に咲くもんで観光客が増えてる。
「私がお屋敷に植えておりましたら、皆が真似をしたい、分けてほしいしときまして」
「ふぅん……?」
「皆、ディエス様に感謝しておるのですよ。生活は格段に豊かになりましたから」
「近くて便利だったからなんだけどなぁ」
何せ元レジム領は王都のすぐそばだから、王都に作り辛い工場とかを計画的に建てたから仕事が増えた。
後は……。
「カジノだよねぇ」
「莫大な売り上げが入っておりますね」
でっかいカジノを建てたんだ、セイリオスが。やるなら派手にしましょうって。おかげで帝国民だけでなく近隣国の金持ちまで遊びに来る始末。
そんでぼろぼろお金を落として行くんで、カジノは儲かってる……て言うか儲かる仕組みで経営している。
ほんと気持ち悪い売り上げが毎月報告されてて、逆に怖い。
「他国から搾り上げらるるとは……最高ですね」
セイリオスがとても楽しそうに売上表をみているから、なんかやらかしたんだろうな。
「VIP待遇制度って、本当にいい制度ですね」
そういえばそんな事を教えた気がする。
「人はね、特別扱いをされたがるんだって」
他国VIPからむしり取っているみたいだ。ま、まあ他国ならいいかな。どんどんむしり取ってくれたまえ。
「スローライフぅ」
「久しぶりに聞いたな。その言葉」
「へへ」
俺は多分真面目に働いた。社畜って感じの働き方じゃない、きちんとホワイトな働き方。
休みも休暇も、昇給もきちんとある良い働き方をしたと思う。
皇帝のラムだって休みを取れるように人材を育成したから、近くに旅行とかも行った。
まあ皇帝の移動だからお付きの人がいっぱいでちょっと大変だったけど。俺とラムの旅行は恒例行事になって毎年予定が組まれる。遊びじゃなくて仕事になってしまったが、まだ現役のリゼロ達をまいてふらふら歩き回ったりもしてる。
「いやぁ、神様にお願いなんてしなくても自力ですりゃ良いじゃんって気がついたんだよー」
若いうちにいっぱい稼いでセミリタイア、スローライフ。普通だろ?だからいっぱい働いた。お陰で帝国は平和である。俺偉い!
「そうだな。アイリス領の書架は図書館並だと皆言っている」
「どんだけ持ち込んだんだよー」
ラムはアイリス領の屋敷に気になる本を溜め込んでいる。スローライフで雨の日は本を読むんだって言ったらアホみたいに溜め始めた。全部読むのに何年かかるんだ?
慣れたラムの執務室で慣れた書類整理をしている。最近はこの書式も馴染んできて皆分かりやすい書類を上げてくるから効率が良い。
因みにアイリス領とは元レジム領で、俺預かりになってからあの執事のニコラスおじさんに丸投げしていた。
「特に問題なく」
何せ元々ニコラスさんが管理していた場所だ。聞けば元レジム公爵は机で踏ん反り返っていただけで経営は全部このニコラスさんがやってたらしい。成程納得だった。
「たまに思いついたように余計な案件をお持ち込みになる方でした」
「余計ね……」
「ええ。隠し鉱山を作ろうとか、余計な事を……」
「ははは……」
使用人や街の人達にも顔はきくし、元レジム領の正常化は簡単だった。限界まで削られていた使用人達の給料を戻したら、皆やる気を出してくれたし、当然犯罪も減った。
たまに視察に行くとなーんか領があやめの花だらけになっていて、いつの間にかアイリス領って呼ばれてた。
「どしたの、これ?」
開花時期になるとそりゃあ見事に咲くもんで観光客が増えてる。
「私がお屋敷に植えておりましたら、皆が真似をしたい、分けてほしいしときまして」
「ふぅん……?」
「皆、ディエス様に感謝しておるのですよ。生活は格段に豊かになりましたから」
「近くて便利だったからなんだけどなぁ」
何せ元レジム領は王都のすぐそばだから、王都に作り辛い工場とかを計画的に建てたから仕事が増えた。
後は……。
「カジノだよねぇ」
「莫大な売り上げが入っておりますね」
でっかいカジノを建てたんだ、セイリオスが。やるなら派手にしましょうって。おかげで帝国民だけでなく近隣国の金持ちまで遊びに来る始末。
そんでぼろぼろお金を落として行くんで、カジノは儲かってる……て言うか儲かる仕組みで経営している。
ほんと気持ち悪い売り上げが毎月報告されてて、逆に怖い。
「他国から搾り上げらるるとは……最高ですね」
セイリオスがとても楽しそうに売上表をみているから、なんかやらかしたんだろうな。
「VIP待遇制度って、本当にいい制度ですね」
そういえばそんな事を教えた気がする。
「人はね、特別扱いをされたがるんだって」
他国VIPからむしり取っているみたいだ。ま、まあ他国ならいいかな。どんどんむしり取ってくれたまえ。
787
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる