【完結】廃棄王子、側妃として売られる。社畜はスローライフに戻りたいが離して貰えません!

鏑木 うりこ

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 ソルリアは俺を除く国王一族の処刑で滅亡した。諸外国の反応は「妥当」。そりゃそうだ、皇帝を暗殺しようとしたなんてとんでもない事件を起こしたんだからね。俺に関しても連帯責任で首を飛ばすべきという案もあったそうだが。

「ではその話を直接陛下にお伝えしていただけますか?私ではそのような事恐ろしくて恐ろしくて到底できませんよ」

 と、議会でセイリオスが棘をザクザク生やしたので立ち消えになったらしい。

「それに私も側妃様には色々と世話になった身ですから、側妃様を咎めるならば私も何か罰せられなければ、ねえ?」

 最後に氷塊でドスンと潰してその発言をした貴族は塩をかけたナメクジより小さくなったらしい。いやあ……味方につけるべき人をつけておいて良かったよ。


「今年の天候は回復見込み、小麦も平年並みを期待できます!」

「やった!」

 農業担当部署から天候に関する予想データが届き、ほっと胸をなでおろした。

「一年で済んで良かったなあ」

「ああ、貴重な資料も残った。これからの冷夏対策にも使える」

 そうだな、帝国は続いて行くんだ。また冷えて小麦が取れない夏が来るかもしれない。その時にどうするか、過去はどうやって乗り切ったかを記録しておくことは大事だ。

 貧民街からほぼ毎日鉱山まで行く馬車は廃止で、月1回くらいになっている。そのまま鉱山に住み着いた者もたくさんいるそうだ。鉱山で借金をして本物の……帰ってこれなくなった借金奴隷に落とされる奴らも出て来てしまったらしいがそこは大目に見て貰おう……かな、ごめん。

「首を落とすほどではなかったソルリアの貴族達が大勢送り込まれているからな」

「……うん」

 もしかしたらレーツィアの家族もいたのかもしれないけれど、レーツィアからは何の連絡もない。元々家から放逐されたと言っていたし、ソレイユ様を頼る事も出来ただろう。本当に助けたければ、あの抜け目のないレーツィアが黙っているはずもない……何か言って来たら便宜を図ってあげようと思う。

「んじゃあ6月に合同結婚式だなあ」

「私とお前の式をするのか?」

「……セイリオス達だよ。ラムってたまにアホになるよね?」

 俺は式はしねえって言っただろうよ!恥ずかしい!景気が回復してきて慶事を行って市場を活性化させるんだ。減った資産を更に目減りさせることになるかもしれないけど、その後の回収がきちんと計画されている事なら問題ない。

「さて、女性の購買意欲を刺激するようなモノをいっぱい出したいね」

「そんなものあるのか?」

「……ダイヤのいっぱいついたウェディングドレスとか着てもらうかな……」

 俺の適当に言ったコレ、服飾部の侍女ちゃんとメイドちゃんが前のめりで話を聞きに来た……。えーとえーと?


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