83 / 139
83 こう言う奴だった(皇帝ラムシェーブル視点
しおりを挟む
「確かにさみぃや。布団布団」
持っていたホットワインをぐいっと飲み干してしまい、ベッドに転がり込むディエスを追う。寒い時は人肌で温め合うのが基本だろう?いつも通り腰を抱き寄せれば
「えー……今日も……?」
「ああ」
「……わかったよう……」
少し不満げに唇を尖らせるが、きちんと準備が出来ていることくらい知っているからな?夜着の前をはだけて、いじりすぎて少し膨らんできた胸の先端に噛みついてやろうかとしたときに、控え目だが扉をノックする音が聞こえてくる。
誰だ、首を刎ねよう
「ラム、ストップ。こんな夜中にどうしたの?」
ディエスが扉を開ける前に来訪者に尋ねる。静かな夜更けだ、部屋の中からの質問も扉の向こうに立つ者にしっかり聞こえるだろう。
ぐいぐいと右手で押しのけられる。ええいやめろ。お前のそのピンク色の先端を噛んでいい声を上げさせてやる。
「あ、あの!夜分遅く申し訳ございませんっ……でも、あの……ソ、ソレイユ様が産気づかれまして」
ああ、そろそろ産まれるとか言っていたな。そんな事我々に関係ないだろう……。もうちょっとで届く所まで来たのに
「なあああにいいい!?赤ちゃんが産まれるだとおおおお!?」
「え、ええ。ディエス様が迷惑でなければ是非知らせるように仰っていたので……お伝えしに参りました」
「うおおおおお!こうしちゃいらんねえ!ラム!王妃宮にいくぞっ!!お前の子供だぞ!!!」
「いや、行った所でどうすることも出来ぬ我々が……」
行く必要などないし、子供が産まれるからと行って足を運ぶ皇帝などおらぬ。
「行くんだ!!馬鹿め!!」
ディエスがバッと立ち上がって自分で着替えを捜し始めてしまった。これはもう止められない奴だ。仕方がない、私は近くにある侍従を呼ぶベルを渋々鳴らした。
「産まれた!?」
「まだでございます!ずっと苦しまれて……」
「子供を産むって大変な事らしいからね……ソレイユ様、頑張れ……赤ちゃん頑張れ……」
出産の為の部屋の前にバタバタとディエスと私が走り付いた。勿論その後をメイド達が追いかけてくるのだが……人騒がせな奴だが、まあしょうがなかろう。それがディエスと言う奴なのだと皆分かってしまっている。
「中にはお医者さんとか治癒術師とかいるんだっけ?」
「ええ、万が一に備えて配置されております」
「命がけだもんね……ソレイユ様頑張れ……」
自分の子供でもあるまいし、ディエスはウロウロと落ち着かない。中からソレイユのうめき声が聞こえてくる。それを励ます産婆や医者たちの声も。あの上品で弱音を口にしないソレイユの苦しそうな声は少し恐ろしい。
「……ソレイユは、苦しんでいるのか……?」
「ソレイユ様ならば、大丈夫です……しかもお二人目ですからね!」
しかしソレイユ付きの侍女やメイドは顔を曇らせる。
「どうかしたか?」
「いえ、あの……二人目の出産ともなると安定して終えることが多いのですが……やけに時間がかかっています……ソレイユ様のお腹は……とても、大きかったので、お子様がとても大きいのかと……」
「難産なんだね……?」
ディエスも心配そうに眉を寄せる。侍女はコクリと静かに頷き、皆一様に祈った。我々に出来る事は祈りながら待つだけ。
月は頂点を過ぎ、暫くした頃大きな産声が聞こえた。
「おぎゃあああおぎゃああ!」
「おぎゃああっ!おぎゃああっ!」
ただし、二つあった。
持っていたホットワインをぐいっと飲み干してしまい、ベッドに転がり込むディエスを追う。寒い時は人肌で温め合うのが基本だろう?いつも通り腰を抱き寄せれば
「えー……今日も……?」
「ああ」
「……わかったよう……」
少し不満げに唇を尖らせるが、きちんと準備が出来ていることくらい知っているからな?夜着の前をはだけて、いじりすぎて少し膨らんできた胸の先端に噛みついてやろうかとしたときに、控え目だが扉をノックする音が聞こえてくる。
誰だ、首を刎ねよう
「ラム、ストップ。こんな夜中にどうしたの?」
ディエスが扉を開ける前に来訪者に尋ねる。静かな夜更けだ、部屋の中からの質問も扉の向こうに立つ者にしっかり聞こえるだろう。
ぐいぐいと右手で押しのけられる。ええいやめろ。お前のそのピンク色の先端を噛んでいい声を上げさせてやる。
「あ、あの!夜分遅く申し訳ございませんっ……でも、あの……ソ、ソレイユ様が産気づかれまして」
ああ、そろそろ産まれるとか言っていたな。そんな事我々に関係ないだろう……。もうちょっとで届く所まで来たのに
「なあああにいいい!?赤ちゃんが産まれるだとおおおお!?」
「え、ええ。ディエス様が迷惑でなければ是非知らせるように仰っていたので……お伝えしに参りました」
「うおおおおお!こうしちゃいらんねえ!ラム!王妃宮にいくぞっ!!お前の子供だぞ!!!」
「いや、行った所でどうすることも出来ぬ我々が……」
行く必要などないし、子供が産まれるからと行って足を運ぶ皇帝などおらぬ。
「行くんだ!!馬鹿め!!」
ディエスがバッと立ち上がって自分で着替えを捜し始めてしまった。これはもう止められない奴だ。仕方がない、私は近くにある侍従を呼ぶベルを渋々鳴らした。
「産まれた!?」
「まだでございます!ずっと苦しまれて……」
「子供を産むって大変な事らしいからね……ソレイユ様、頑張れ……赤ちゃん頑張れ……」
出産の為の部屋の前にバタバタとディエスと私が走り付いた。勿論その後をメイド達が追いかけてくるのだが……人騒がせな奴だが、まあしょうがなかろう。それがディエスと言う奴なのだと皆分かってしまっている。
「中にはお医者さんとか治癒術師とかいるんだっけ?」
「ええ、万が一に備えて配置されております」
「命がけだもんね……ソレイユ様頑張れ……」
自分の子供でもあるまいし、ディエスはウロウロと落ち着かない。中からソレイユのうめき声が聞こえてくる。それを励ます産婆や医者たちの声も。あの上品で弱音を口にしないソレイユの苦しそうな声は少し恐ろしい。
「……ソレイユは、苦しんでいるのか……?」
「ソレイユ様ならば、大丈夫です……しかもお二人目ですからね!」
しかしソレイユ付きの侍女やメイドは顔を曇らせる。
「どうかしたか?」
「いえ、あの……二人目の出産ともなると安定して終えることが多いのですが……やけに時間がかかっています……ソレイユ様のお腹は……とても、大きかったので、お子様がとても大きいのかと……」
「難産なんだね……?」
ディエスも心配そうに眉を寄せる。侍女はコクリと静かに頷き、皆一様に祈った。我々に出来る事は祈りながら待つだけ。
月は頂点を過ぎ、暫くした頃大きな産声が聞こえた。
「おぎゃあああおぎゃああ!」
「おぎゃああっ!おぎゃああっ!」
ただし、二つあった。
871
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる