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ライバル出現?

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1人で座って待っていると、私の横の椅子が突然引かれた。
アルかと思い顔を上げると、金髪美男子の顔がそこにあった。

「あっ、ブライアン様?」

先ほど治療を行なった彼だった。
彼は綺麗な笑顔を振りまきながら椅子に座る。
なんとも自然に…。
余りに自然過ぎて何にも言えませんでした。

「先ほどはありがとうございました。貴女のお陰で今は痛みも治まり次の試合も無事に出れそうです。」

あぁ、お礼が言いたかったのね。

「それは良かったです。でも無理はしないように気をつけて下さいね。」
「心配ありがとう!貴女は心もお顔も美しい女性なんですね。」
そう言ってブライアンは熱い視線を送ってくる。
きっと何かの間違いだわ!
「ブライアン様褒め過ぎです!」
「いいえ、そんなことはありません。美しい貴女のお名前を伺ってもよろしいですか?」
そうブライアンが言った瞬間、
テーブルにトレーが置かれ、
「よろしくない!」
とアルが言う。

「これはこれはアルフレッドじゃないか。」
ちょっと驚いたようにブライアンが言う。
「ブライアン、ここで何してるんだ!」
アルが鋭い口調でブライアンに問う。
私は慌てて
「アル、彼は手当のお礼に来てくれていたのよ?」
そう言うと…
「ユーリ、お前鈍すぎだろ。こいつはお前を口説いてるんだよ!」
アルがいつもと違って言葉が荒くなっている。
「アルフレッド、君は女性への扱いがなっていないな。君のお陰で名前も知れたし、良かったよ。」
ブライアンは余裕そうにアルに言う。
「ユーリと言うんだね。可愛い名前だ。アルフレッドに嫌気がさしたらいつでも私のところへおいで。」
アルにちらっと挑発的な視線を送った後に、それはそれは素敵なスマイルを見せてくださいました。

いや~反対側から鋭い視線を感じる私はもう気が気じゃありません。
「ブライアン!ユーリは…渡さないよ。」
アルがアルじゃないみたい。

「あの、私犬猫じゃないです。2人とも場外試合はほどほどにして下さい!」

とうとう私がキレました。
「ブライアン様、アルを挑発するのはお止めください。」
「アル、少し冷静になって下さい!らしくありませんよ?」
2人に向けて話をする。

「ユーリ、すまなかった。貴女が余りに素敵だから声をかけてしまったんだ。見る限りまだ私の入る隙がありそうだからね。諦めないよ。」
ブライアンは不敵に笑い、言いたい事だけ言って去っていった。

残されたアルは…
「あいつ…」
しばらく放心していました。




少し離れたテーブルではー

「マリー、今の勝負はアルフレッド様の負けね。」
「そうですね。ブライアン様の方が少し上手だったわね。」
「でもやはりライバルは必要よね?アルフレッド様には是非ユーリ様とくっついていただかなくては!」
「アルフレッド様頑張って!」

などと侍女2人は盛り上がっていたようです。
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