大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第四章 戦花の魔女

第94話 な、何これ!?

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「何も起きないよー」

 杖を握らされた女の子は、ビュンビュンと杖を振りながらそう言った。うんともすんとも言わない杖。それは、女の子が魔法を使えないことをありありと表していた。

「うーん。じゃあ、次の子」

 役人さんは、悲しげな表情を浮かべる女の子から杖を取り上げ、隣の男の子に渡す。だが、男の子が杖を握っても、特に何も起こらなかった。

 同じことが、目の前で何度も何度も繰り返される。どうやら、魔法を使える人というのは、そうそういないらしい。私の中の期待が、どんどん小さくなっていく。

「次の子」

 ついに私の番がやって来た。私は、いつの間にか諦め顔を浮かべている役人さんから、恐る恐る両手で杖を受け取った。三十センチほどの細長い杖。指で撫でてみると、サラサラと気持ちのいい木の感触。

「君、それを利き手で握ってみて」

 役人さんに促され、私は、杖を右手で握る。

 その時だった。

 私の中の何かが、右手に集まっていくような感覚。体から、力がスッと抜けていく。そして……。

「「「わあ!」」」

「おお!」

 歓声を上げる子供たち。目をこれでもかと見開く役人さん。

「な、何これ!?」

 私は、思わず叫んでいた。杖の先から、青白い光が煌々と放たれていたから。

「こ、ここまで杖が光るなんて! き、君はいったい何者なんだい!?」

 興奮した様子の役人さんの言葉に、私は何も答えることができなかった。混乱で、それどころではなかったのだ。

 この二日後、私は、孤児院から連れ出され、国の軍事施設へと移住することになった。
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