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第二章 郵便屋さん
第42話 モンブランも追加で
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「さて、そろそろ行かないと」
僕は、ゆっくりとベンチから立ち上がりました。それと同時に、少しの眩暈。まだ完全回復しているとは言い難いですが、このまま休んでいては、仕事が間に合いません。
「次は確か二つ隣の町に……」
「弟子君、頑張ってねー」
「……師匠、ちょっと手伝ってくれませんか?」
「やだ!」
ですよねー。
さすがに予想はしていました。師匠が、こんなに大変な仕事を手伝ってくれるはずがないと。ですが、どうにかして手伝ってもらわなければ、僕の体がもちません。
「……今日の晩、ケーキ食べたくありませんか?」
「む」
「町でおいしいって噂のショートケーキ」
「むむ」
「モンブランも追加で」
「まあ、師匠として、弟子の頼みを聞くのは当たり前だよね。手伝ってあげよう」
不意に、僕の頭上にあった微かな重さが無くなります。同時に、目の前に現れる一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは真っ黒なローブ。そう、師匠です。
ふっふっふ。ざっとこんなもんですよ。
「あ、でも、地図はどうしましょうか。手元には僕の分だけしか……」
「大丈夫。全部覚えてるから」
「……へ?」
「弟子君が地図を見てる時に、私も頭の上から見てたんだよ。だから、どこにどうやって配達に行くかとかは、もう記憶してるよ」
「ええ……」
サラッと凄いこと言いましたね、この人は。
僕は、ゆっくりとベンチから立ち上がりました。それと同時に、少しの眩暈。まだ完全回復しているとは言い難いですが、このまま休んでいては、仕事が間に合いません。
「次は確か二つ隣の町に……」
「弟子君、頑張ってねー」
「……師匠、ちょっと手伝ってくれませんか?」
「やだ!」
ですよねー。
さすがに予想はしていました。師匠が、こんなに大変な仕事を手伝ってくれるはずがないと。ですが、どうにかして手伝ってもらわなければ、僕の体がもちません。
「……今日の晩、ケーキ食べたくありませんか?」
「む」
「町でおいしいって噂のショートケーキ」
「むむ」
「モンブランも追加で」
「まあ、師匠として、弟子の頼みを聞くのは当たり前だよね。手伝ってあげよう」
不意に、僕の頭上にあった微かな重さが無くなります。同時に、目の前に現れる一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは真っ黒なローブ。そう、師匠です。
ふっふっふ。ざっとこんなもんですよ。
「あ、でも、地図はどうしましょうか。手元には僕の分だけしか……」
「大丈夫。全部覚えてるから」
「……へ?」
「弟子君が地図を見てる時に、私も頭の上から見てたんだよ。だから、どこにどうやって配達に行くかとかは、もう記憶してるよ」
「ええ……」
サラッと凄いこと言いましたね、この人は。
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